(2019.3.20 バチカン放送)
教皇フランシスコは20日、聖ペトロ広場で水曜恒例の一般謁見中の「主の祈り」をテーマにしたカテケーシス(教会の教えの解説)で、第三の祈願「御心が行われますように」を考察され、次のように話された。
「『主の祈り』で、信者は『御名が聖とされますように』と、神の御名の聖化を願い、続けて『御国が来ますように』と神の王国の到来を待ち望む気持ちを表した後、『御心が行われれますように』と、神の救いの御業の実現に対する、揺るぎない信頼を表明します。
神は全人類を『十把ひとからげ』ではなく、一人ひとりの救いを望まれるのです。子どもたち一人ひとりに、その思いをかける父のように。ですから、この祈りは『奴隷の祈り』ではなく、父に向けられる子どもたちの祈りです。
神の御心が行われますように、と言うためには、人類と世界のことを、いつも心にかけておられる神への全幅の信頼、信仰が前提とされます。
神は私たちが神を探すより前に、私たちを探しに来られます。福音書の中の『回心した徴税者ザケオ』のエピソードが示す通り、イエスはザケオに『人の子は失われたものを探し救うために、この世に来たのです」と言われます。
皆さんは、神ご自身が私を探しに来られる、ということの意味を考えたことがありますか。『神が私を、そしてあなたを探しておらるのです』と、私たち一人ひとりに言うことができるのです」
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この日の一般謁見会場には日本から、東日本大震災と原発事故の被災者をサポートする「きらきら星ネット」のメンバー8人も来場していて、謁見後、教皇は彼らに直接、親しく言葉をかけられた。教皇は、メンバー代表として英語で挨拶した高校生の鴨下全生君に、にこやかに言葉をかけられ、メンバー一同を特別に祝福された。
(編集「カトリック・あい」=聖書の引用個所の日本語訳は「聖書 聖書協会共同訳」を使用しています)