・当局のカトリック教会”中国化”、”地下教会”への圧迫、”愛国協会”への統合加速

Chinese church suppression before Christmas

 河南省開封市の 蠖斋 (Huozhai)カトリック教会の正門ー十字架が取り去られた後に中国国旗が掲げられた (12月14日=ucanews.com)

(2018.12.22 カトリック・あい)

 キリストの誕生を祝う日を目前にして、中国の多くのカトリック”地下教会”に対する地方当局による圧迫が続いている。地下教会の壊滅、政府・共産党の統制・監督下にある”地上教会”-中国天主愛国協会-への”併合”を狙った行為、との見方も強まっているが、このような信教の自由はもちろん、人権無視の行為が続く中で、バチカンは中国政府との”暫定合意”を、さらに進めるべきなのだろうか。疑問を持たざるを得ない。

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 ucanews.comが21日付け香港発で報じたところによると、待降節第三主日「喜びの主日」となった16日、河北省の”地下教会”のステファン神父がミサの説教中に、(中国共産党の)統一戦線工作部の指揮下にある宗教監督部門のトップが町や村の幹部と一緒にやっきて、当局の規制に従い、「友人を作る(注:地上教会に加わる、ことを意味すると思われる)」よう言い渡した。

 彼らは神父に連絡先の電話番号を尋ね、自分たちの要求に回答するために三日間の猶予を与える、と言って立ち去り、その後、電話で「クリスマスを祝うのはいいが、12月27日に我々と話し合おう」と指示してきた。丁寧な物言いで、彼はそれに同意した。カトリックの仲間同士で分裂の種を蒔かないために、皆で話し合うことにしたが、自分は「政府・共産党の支配・監督下にある”地上教会”、天主愛国協会に加わらない」と明言するつもりだ、と言う。

 関係筋が ucanews.comに語ったところでは、ステファン神父の名前は、天主愛国協会に入会するよう強制されている15人の地下教会の司祭の1人として当局のリストに載せられている、という。神父によれば、自分が属する教区には現在、20人以上の地下教会の司祭がいる。

 また、ucanews.comによると、中国北東部、黒竜江省のチチハル教区にある聖テレジアの姉妹会の修道院は12月19日に強制的に破壊された。当局はこれまで、この建物は違法建築であり、地下教会の違法な集会の場となっている、と糾弾し、シスターたちは当局に救済を訴えていたが、聞き入れられず、甘南県の役人の手で破壊される二日前に、警察官らが修道院に立ち入り、シスターたちに一時間以内に退去するよう命令した。チチハルの Wei Jingyi(魏婧怡)司教と司祭たちが解決を図ろうとしたが、破壊を止めることはできなかった、という。

 中国中部、河南省の開封教区では、12月14日朝、Huozhai(蠖斋 )カトリック教会の正門の上に立っていた十字架が撤去され、中国国旗が掲げられた。

 

 

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2018年12月22日