( 2018 .2.8 Tablet Megan Cornwell)
共産主義国、北朝鮮における人権虐待についての最新の報告によると、脱北者が一段と増加している。その理由は拷問、処刑、投獄を逃れるためだ。
この報告は、信教の自由を守る世界的な民間組織「 Christian Solidarity Worldwide (CSW)」がまとめたもので、北朝鮮の最近10年間の経済、人権、メディア利用の状況変化を調べたところ、わずかな改善の兆候がみられるが、執筆担当者が強調しているのは、信教の自由の分野の”特筆すべき例外”-10年前と2017年では人権抑圧の状況が変わっていない、ということ―だ。
報告によると、2007年に脱北した人々の大半の動機は貧困と飢餓だったが、2017年では政治的理由で脱北する人が増えている。自分自身と家族のために良い収入と教育の機会を得ることも動機とする人が増えている。宗教的な迫害から逃れることが動機だった人は10年前に比べて2パーセント増加した。
英国議会で行われた報告会では、リバプールのアルトン卿が「国連の人権宣言には30の条項があるが、北朝鮮では、侵害されていない条項を見つけることはできない」と語った。
人権侵害の具体例を示したビデオも同時に上映され、CSWの東アジア部門チーム・リーダーのベネディクト・ロジャース氏は「高水準の虐待行為が続いているが、北朝鮮の経済状況の諸変化―特に地下のネットワークを通じた密輸品の増加―が一般国民による外の世界の理解を高めている。贈収賄と腐敗が大きく広がり、表に出ない、内に秘める形で、共産政権への不満が広がっている」と説明している。ロジャース氏は「このような変化は(北朝鮮の国民にとって)”きわめてかすかな希望”以上のものではない」とし、国際社会に対し、「北朝鮮の人類に対する犯罪」を糾弾し続けるよう、強く求めている。
Pic: cover of the report Movies, Markets and Mass Surveillance: Human Rights in North Korea after a Decade of Change. Credit: CSW