・”未成年者保護サミット”二日目-まず性的虐待被害者の手紙朗読から始まる

(2019.2.22 バチカン放送)

 バチカンで21日から始まった「教会における未成年者の保護」の全世界司教協議会会長たちのサミットは22日、2日目に入り、教皇フランシスコの出席のもと祈りと聖書朗読から始まった。

 聖書からは、使徒聖パウロの「ローマの信徒への手紙」から、「愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。怠らず励み、霊に燃えて、主に仕えなさい」(12章9-11節)が朗読された。

 この後、聖職者から性的虐待を受けた一人の被害者の手紙が、次のように英語で読み上げられた。

 「イエスが亡くなる時、聖母はイエスと共にいました。私が一人の司祭から虐待された時、私の母なる教会は私を一人ぼっちにしました。私の受けた虐待と私の孤独について、教会の誰かと話したかったのに、皆、隠れてしまいました。誰に話していいかもわからず、私はさらに孤独を感じました」

 被害者の手紙に耳を傾けた後、長い沈黙の時間を経て、参加者らは再び祈りを続けた。

 祈りを先唱した、ラテン典礼エルサレム聖庁任命管理者ピエルバッティスタ・ピッツァバッラ師は「誰一人、教会の中で、暴力や虐待を恐れるようなことが、決してありませんように。むしろ、教会の中で、あらゆる安心と助けを得ることができますように」と祈った。

 会合の司会を務めるフェデリコ・ロンバルディ神父は、この日が「聖ペトロの使徒座」の祝日であることに言及。教皇フランシスコにお祝いを述べつつ、教皇の教え導くその使命のために、全教会を挙げて祈るよう皆を招いた。

 ロンバルディ師は「教皇の願いに従い、この会合のために、子どもたちへの暴力と闘うことをテーマとした国連の公式資料を準備し、すべての参加者に配布した」と伝えた。

 この日は、インドのオズワルド・グラシアス・ボンベイ大司教、米国のブレーズ・キュピック・シカゴ大司教、教皇庁信徒・家庭・いのち省・家庭局次長リンダ・ギソーニ氏による発表が行われ、各発表の後、討議、意見交換の場が持たれた。

(編集{カトリック・あい」)

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2019年2月23日