・「環境保護に今後も共に働こう」-教皇が国際シンポジウム主催の正教会総主教に

教皇フランシスコとエキュメニカル総主教バルソロメオス1世、5月26日、バチカンで

(2018.6.7 バチカン放送)

 教皇フランシスコが7日、ギリシャで開催中の「より緑豊かなアッティカを目指して。地球を守り、人々を保護する」をテーマとする国際シンポジウムを機会に、正教会のエキュメニカル総主教 バルソロメオス1世にメッセージを寄せられた。

 シンポジウムはアテネとサロニカ諸島で、5日から8日まで、エキュメニカル総主教庁の主催で、が開かれているもので、教皇はメッセージで、環境について考えるこの会議の開催を深く賞賛されるとともに、一昨年春のレスボス島・難民キャンプ訪問を思い起こし、訪問を共にしたアテネおよび全ギリシャ大主教のイエロニモス2世にも挨拶をおくられた。

 このギリシャ訪問では、「空と海の青さに目を見張ると同時に、これほど美しい海が、故郷の非人道的状況から逃げてくる難民たちの墓場ともなっていることに胸が痛みました」と回想され、今も気候変動や環境破壊による難民が増加していることに触れながら、「破壊されつつあるのは、こうした人々の家だけではなく、『未来の世代にとっての地球』という共通の家が今、危険に冒されています」と訴えられた。

 そして、環境を守るためにも、「未来の世代にどのような世界を伝えたいのか」を改めて誠実に問う必要がある、と強調され、「カトリック教会と正教会が、環境保護と持続可能で統合的な発展のために、これからも共に積極的に働くこと」を強く希望された。

バルソロメオス1世は、5月23日から26日にかけてローマを訪問。ローマ市内の聖使徒教会で、使徒聖フィリポと聖バルトロマイの聖遺物を崇敬し、バチカンで教皇フランシスコと会見。バチカンで開催された「チェンテジムス・アンヌス・ファウンデーション」(教会の社会教説の普及と社会における教会の活動を促進するための基金)創立25周年の会議で、講演を行っている。

(「カトリック・あい」が編集しました)

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2018年6月8日