サブサハラなど4カ国、2千万人が飢きんの危機に直面(国連WFPニュース)

 

 

WFP/Philipp Herzog

 (2017.5.29 国連WFPニュース) 今、世界は前代未聞の食糧危機に直面しています。今年2月、最悪レベルの飢餓を示す「 飢きん 」が南スーダンで発生しました。イエメン・ソマリア・ ナイジェリアも飢きん発生寸前の厳しい状況です。この4カ国では、飢えやそれに伴う病気が原因で、すでに尊い命が失われています。「 飢きん 」を打破するには、今こそ行動が必要です。

 4カ国では2000万人が支援を必要としており、150万人以上の子どもが深刻な栄養不良に陥っています。そのうち60万人は、適切なケアが受けられなければ生命を落とすとみられています。2017年末まで緊急支援を続けるため、国連WFPは、緊急に20億米ドルを必要としています。

南スーダン

  • 2011年に独立を果たした世界一「若い」国家の南スーダンは、最も開発が遅れている国でもあります。2013年末に紛争が再燃してから、230万人以上が家を追われ、その数は、今も増え続けています。食糧不安はかつてないレベルに達し、一刻を争う状況が続いています。戦闘のため長期間にわたり支援が届けられなかった北部の一部地域では、10万人が飢きんに瀕し、国全体では100万人が飢きん寸前の状態です。

  • 5月からはじまる雨季の間は、国内の道路の60%以上が水没し通過できなくなるため、空中投下などの方法で食糧を届けることになり、輸送コストは陸路を使う場合と比べて7倍に膨らみます。

  • 国連WFPは、2017年11月まで南スーダンでの支援活動を継続するため、1億7,000万米ドルを必要としています。

イエメン

  • イエメンは、栄養不良の割合が世界で最も高い国の一つです。もともと中東の最貧国ですが、2015年3月以降の紛争の激化に伴い国内の状況は著しく悪化し、人々の生活は壊滅的な影響を受けています。現在イエメンは、これまでにない規模の食糧不安に陥っており、全人口の60%にあたる約1700万人が食糧難(このうち、680万人は特に深刻な状態)に苦しんでいます。子どもと女性への影響は極めて深刻で、330万人もの子どもと妊産婦が急性栄養不良に陥っています。

  • しかし、国連WFPは資金難により、支援を必要とするすべての人々に十分な支援を届けられない状態が続いています。現在は、配給する支援食糧の量をやむを得ず減らす形で対応していますが、緊急に追加資金が必要です。

  • 2017年11月までイエメンでの支援活動を継続するためには4億7,000万米ドルが必要です。

ソマリア

  • 過去20年間以上、ソマリアは度重なる暴力、政情不安、経済危機、そして自然災害に襲われ、深刻な飢餓と栄養不良状況が続いています。2011年に発生した飢きんからようやく回復の兆しが見えかけていた今、ソマリアは再び干ばつと食糧危機に見舞われています。

  • 雨季が連続して少雨に終わったため、農村部では不作が続き、家畜が死んでいっています。その結果、多くの人々が食糧を求めて移動を強いられています。320万人が緊急に食糧支援を必要としており、地域によっては、5歳未満の子どもの30%が栄養不良状態に陥っています。

  • 国連WFPは、2017年11月までソマリアでの支援活動を継続するため、3億米ドルを必要としています。資金が得られなければ配給カットをせざるを得ず、120万人の母子が栄養支援を受けられなくなる見通しです。

ナイジェリア(及びチャド湖畔一帯地域)

  • ナイジェリア北東部を含むチャド湖畔一帯では、以前から人々を苦しませている極度の貧困、開発の遅れ、そして気候変動に加え、ここ数年のボコ・ハラムによる暴力も相まって、世界でも有数の人道危機が起きています。

  • しかし、その危機は世界から見過ごされており、結果として240万人以上が家を追われ、元々世界で最も貧しい地域の一つであるチャド湖畔一帯に避難しています。特に影響が大きいナイジェリア北東部は、6月からの雨季にかけて食糧の備蓄が底を突き、5万人が飢きんに瀕する可能性が高まっています。地域全体ではおよそ700万人が食糧支援を必要としていますが、必要額の20%しか資金が集まっていません。

  • 国連WFPは、2017年11月までナイジェリア及びチャド湖畔一帯での支援活動を継続するため、2億4,000万米ドルを必要としています。

▼飢きんとは・・飢餓の深刻度を示す5段階のうち最も深刻な飢餓を指し、主に以下の3つの指標で判断されます。

①20%以上の世帯が極端な食糧不足に直面 ②5歳未満児の30%以上が急性栄養不良 ③人口1万人あたり毎日2人(5歳未満児の場合は4人)以上が死亡

 

2017年6月1日

 インド南部の村でカトリックの礼拝堂が襲撃され、村民22人逮捕(CRUX)

 (2017.5.26 Crux寄稿者 ニルマラ・カヴァロ インド・ムンバイ発)20日、南インド・テランガナ州のゴドゥマクンタ村にあるカトリックの礼拝所が100人以上の村民に襲撃された。この礼拝所は一週間前のファティマの聖母出現100年祭で、ハイデラバード教区のバラ大司教がミサを捧げた場所で、大司教は「礼拝堂を破壊し、聖母像を壊した行為は、カトリック信者たちの宗教的感情を深く傷つけた」と非難、州当局に破壊された建物の修復と襲撃に加わった人々への厳正な措置を求めた。

 インドのキリスト教徒は約3000万人で、その半数がカトリック教徒だが、ヒンズーの国粋主義団体に扇動されたグループに、暴力行為を含め、あらゆる種類の脅迫や嫌がらせを受けている。今回の事件は、建物や像を破壊する前に、村民が地方の役人と面会した後に起こった。暴徒たちは「建物は不法に建てられたものだ」と破壊を正当化しているが、捜査当局は「土地の権利争いと関係があるのではないか」と見ている。

 テランガナ州では人口の85%がヒンズー教徒で、キリスト教徒は1%強。ヒンズーの国粋主義者たちは、キリスト教徒がしばしば自分たちよりカースト(身分制度)の低いヒンズー教徒に改宗するよう圧力をかけていると非難しているが、バラ大司教は「カトリック教会は、平和を愛する人々の共同体です。人々を無理やり改宗させようとすることは決してありません、と警察にも説明しています」と語り、「カトリック教会はカーストや信条に無関係のあらゆる社会組織に奉仕する平和を愛する教会なのです。私たちの健康・教育・福祉活動は、国民全体に奉仕する差別の全くない使徒的活動なのです」と訴えている。

 インドでは、2014年にヒンズー国粋主義のインド人民党(BJP)が政権をとったが、「それ以来、国の宗教に対する中立的立場が揺らいでいる」とキリスト教徒は懸念している。同国のカトリック司教協議会の議長、グラシアス枢機卿は、Cruxのインタビューに、「カトリック教会を誤解し、分断と懐疑心の種をまく心得違いの人々が、意図的に礼拝所を冒涜する行為に出たことは、残念です。社会の平和と調和、国民の一致のためにもなりません。インドはさまざまな宗教、さまざまな文化からなるモザイク国家なのです」と強調している。

(翻訳・「カトリック・あい」岡山庸子)

  • ・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載します。

2017年5月31日

 エジプトで子供含むコプト教徒またイスラム過激派のテロの犠牲、教皇が哀悼(CRUX)

  • (Credit: Twitter of Nermien Riad.)Pope Francis calls Egypt attack on Christians, killing 28, “barbaric”
  • (2017.5.26 Crux /Associated Press )エジプトで26日、ナイル西岸の町マガガの修道院へ向かっていたコプト教徒の乗ったバスがイスラム過激派に襲撃され、子供を含む少なくとも26人が殺され、25人がけがを負わされた。

  •  この惨劇について、教皇フランシスコは同日、哀悼の言葉を送った。この中で教皇は「エジプトで起きた野蛮な襲撃、嫌悪すべき行為によって、多くの死傷者がでたことに深く悲しんでいます」「暴力の犠牲となったすべての方々に心から同情します」と述べ、「とくに命を落とした子供たちが、全能の主の慈しみによってその魂が癒されるように、また悲しみに沈んでいるご家族、怪我をされたすべての方々のために祈ります」としたうえで、「エジプトにおいて平和と和解がもたらされるように、仲介の労をとることに努めます」と約束した。

  •  またエジプトにおける教皇代理のブルーノ・ムサロ大司教は、他のキリスト教会派の代表と共に、非難声明を出し、「強く断罪すべき非道極まりない行為だ。キリスト教徒、教会、そして全エジプト国民にとっての大きな嘆きです。犠牲者たちのために、その家族の皆さんと共に祈りましょう」と呼びかけた。

 

2017年5月29日

 フィリピンで過激派が暴動、カトリック信徒監禁、大司教が戒厳令同意(Tablet)

(2017.5.25 Tablet  Rose Gamble)フィリピン・ミンダナオ島のマラウイ市がイスラム国」と関係する武装集団に占拠され、司教座聖堂の焼き討ち、カトリック教徒14人の拉致、警察官の斬首など深刻な危機に追い込まれている。

 25日付けのフィリピン・カトリック司教会議ニュース・サービスによると、同島のマーチン・ジュモード大司教は「政府は、市の平和と治安の回復のために強力な手を打つ必要がある」と語り、同市の市民に対して、武装集団への警戒を強めるとともに、政府軍と〝協力〟するように求めた。大司教はさらに、「市民たちが軍に協力しようとしなければ、事態はさらに紛糾することになる」とし、「人権が侵されない形をとるなら、私は、戒厳令の施行に賛成する」と言明した。

 フィリピン軍のスポークスマンが24日明らかにしたところによると、マラウイ市内での戦闘で、武装集団の13人が死亡、政府軍側には5人の死者、31人の負傷者が出ている。他の政府関係者によれば、このほか、警察署長が斬首されたのを含めて警察官など3人が殺害されており、数千人の市民が同市から脱出を図っている、という。

 このような事態に対して、ドトゥルテ大統領は同市を含むミンダナオ島全域に60日間の戒厳令を布告、24日のマニラでの記者会見で、イスラム過激派集団が国内に活動基盤を作ろうとするなら、戒厳令を全国に広げる用意がある、と述べた。1987年憲法では、大統領は、フィリピン全域を戒厳令下に置くことができる。議会はその無効にすることができ、戒厳令の期間は2か月に限られる。イスラム教徒の弁護士グループは戒厳令の無効を求める裁判を起こすことを計画している、とCNNフィリピンは報じている。

 戒厳令は大統領が、軍による被疑者の逮捕、捜索、投獄などを速やかに行うことを可能にする。人権擁護グループは、麻薬撲滅を理由に裁判を経ずに何千もの容疑者を殺害している大統領が一段と過激な行動にでることを懸念している。フィリピン国民は、1986年に失脚した独裁者のマルコス大統領の下で14年間も戒厳令下に置かれ、政敵は投獄、拷問などに遭い、秘密警察による裁判外処刑は日常的に行わていた。このようなことがドトゥルテ大統領のもとで繰り返されることを恐れる人は多い。そして、ドトゥルテ大統領は23日に放送されたビデオメッセージで戒厳令に触れ、「マルコス大統領がやったことと違いはない。私は厳しくやる」と語っている。

 (以上は、イギリスのイエズス会が発行する世界的に権威のあるカトリックニュース週刊誌TABLETの発行責任者の許可を得て、翻訳・掲載しています。TABLETのウエブサイトはhttp://www.thetablet.co.ukです。こちらもご覧下さい。)

“The Tablet: The International Catholic News Weekly. Reproduced with permission of the Publisher” and that you quote our website address http://www.thetablet.co.uk

2017年5月26日

 米キリスト者の多くが「非聖書的な世界観」(CJC) 

 (2017.5.22 CJC)米キリスト教専門の調査機関『バーナ・グループ』が『サミット・ミニストリーズ』と共同で実施した調査では、キリスト者の多くが非聖書的な世界観を取り入れていることが判明した。

 調査によると、信仰を重要と考え、教会に定期的に通う米国のキリスト者のうち61%が「ニュー・スピリチュアリティー」に根差した考えに賛同、54%が「ポストモダニズム」の見解に、38%がイスラム教の教えに、36%がマルクス主義に関連した考え、29%が世俗主義に同意しているのに、「聖書的な世界観」を持っていたのは17%に過ぎなかったという。

 『サミット・ミニストリーズ』のジェフ・マイヤー会長は、長年にわたって調査に携わってきたが、今回の結果には衝撃を受けた、と語っている。□

2017年5月26日

 「世界広報の日」の教皇メッセージ「悪いニュースによる〝恐怖の連鎖〟を止め、建設的なコミュニケーションを」

2017年5月21日はカトリック教会の51回目の「世界広報の日」にあたっている。この日のために、教皇フランシスコは以下のメッセージを事前に発表されている。

 

コミュニケーションの実りから栄養を得ている人々に柔らかく良質なパンを提供するために専門職や個人的な交わりを通して、大量の情報を日々、〝挽いている〟皆さんに対して、このメッセージを伝え、励ましたいと思います。他者に対して先入観を抱かずに、出会いの文化を育むことで、確かな信頼をもって現実に目を向けられるよう助ける〝建設的なコミュニケーション〟を、皆さんに心からお願いします。

 テクノロジーの進歩によるメディアの普及により、非常に多くの人々が情報を即座に共有し、その情報を世界の隅々にまで伝えることができるようになりました。それらの情報は良いものにも悪いものにも、また真実のものにも偽りのものにもなりえます。わたしたちの教父は、水の力で絶え間なく動く水車の石うすに人間の頭脳をたとえました。しかし小麦をひくか、毒麦をひくかを決めるのは、水車小屋のあるじです。人間の頭脳は絶え間なく働いており、受けたものを「ひく」のを止めることはできません。しかし何を与えるのかを決めるのは私たちです(聖ヨハネス・カッシアヌス「レオンティウスへの手紙」参照)。

 不安の悪循環を断ち切り、〝悪いニュース〟(戦争、テロ、スキャンダル、人間によるあらゆる過ち)に焦点を当てる風習から生じる〝恐怖の連鎖〟を止めるべきだ、と私は確信しています。それは、苦しみに満ちた悲しい出来事を無視するような誤った情報を広めたり、悪事に目をつむる単純な楽天主義に傾倒したりすることとは違います。私は、〝不満と諦め〟という感情を克服するよう皆さんに求めます。不安と諦めは〝無関心と恐怖〟を生み出し、「悪は止められない」という考えをもたらします。

 マスコミの世界には「良いニュースはあまり注目されないが、痛ましい悲劇や不可思議な悪行は容易に脚光を浴びる」という認識が蔓延しています。そこには「良心を麻痺させ、人々を悲観的にさせようとする誘惑」が存在しています。

 このような現状認識に立って、私は、建設的で開かれたコミュニケーション手段の追求に貢献したいと願います。悪に主役を務めさせるのではなく、情報の受け手が積極的で責任ある行動をとるように働きかけながら、実現可能な解決策を示すことに努めるコミュニケーション手段です。「良い知らせ」の論理に基づく情報を現代の人々に伝えるよう皆さんにお願いします。

良い知らせ
人生は出来事を整然と並べた単なる年代記ではなく、語られることを待ち望む一つの歴史です。それを語る際には、重要なものを選んで集めることのできる、解釈の鍵となるものを選ぶ必要があります。現実そのものの意味は、ただ一つではありません。すべてのものが、どのように物事を見るかによって、すなわち物事を見る際に用いる「レンズ」によって、変わります。レンズを変えれば、現実も違って見えます。

 では、適切な「レンズ」を用いて現実を読み解くには、どうしたらよいでしょうか。私たちキリスト者が用いるレンズは、「神の子イエス・キリストの福音」(マルコ1・1)からもたらされる「至高の良き知らせ」にほかなりません。聖マルコは冒頭にこの言葉を記してから、イエスに関する「良き知らせ」を伝え始めます。それはイエスに関する情報以上のもの、すなわち「イエスご自身」という良き知らせです。実際、福音書を読み進めると、この名称が内容にふさわしいこと、そして何よりも、その内容がイエスご自身であることが分かります。

 イエスご自身であるこの良い知らせが良いのは、苦しみを免れるからではなく、苦しみを神と人々へのイエスの愛の一部として、より広い観点から捉えているからです。神はキリストのうちに、人間のあらゆる状態に連帯し、私たちは孤独ではないことを明らかにしてくださいます。神は決してご自分の子供を忘れないからです。「恐れるな、私はあなたと共にいる」(イザヤ43・5)。これは、ご自分の民の歴史につねにかかわっておられる神の慰めのことばです。神は「私はあなたと共にいる」と約束し、最愛の御子のうちに人間としての死を受け入れるほどに、私たちのあらゆる弱さを引き受けてくださいます。キリストのうちにあれば、暗闇と死さえも光といのちに出会う場になります。人生の中で失敗に苦しむ場こそが、すべての人に届く希望が生まれる場所です。希望は決して私たちを欺きません。神の愛が私たちの心に注がれ(ローマ5・5参照)、埋められた種から草木が育つように、新しいいのちを芽生えさせるからです。

 このように考えると、世界の歴史に起きているあらゆる新しい悲劇は、これから起こりうる良い知らせの舞台にもなります。愛は常に寄り添うすべを見いだし、思いやりのある心、くじけない顔、作り出すことのできる手を奮い立たせるからです。

み国の種への信頼
イエスはたとえ話を用いて、福音に基づく考え方へと弟子たちと群衆を導き、愛は死んで復活するという教えを学ぶのに適した「レンズ」を与えています。イエスはたびたび、地に落ちて死んで、初めてその生命力を発揮する種に、み国をたとえます(マルコ4・1-34参照)。み国の秘めた力を伝えるために比喩やたとえ話を用いる方法は、重要性や緊急性を損なうものではなく、聴衆がそのことを受け入れ、自分自身に当てはめるための自由な「余白」を残す、いつくしみ深い方法です。

 それはまた、過越の神秘のはかりしれない尊厳を表すために、とりわけ適した方法でもあります。キリストにおける新たないのちの逆説的な美を伝えるために――理念よりも――イメージに訴えているのです。その新たないのちにおいては、敵意と十字架は神の救いを阻むものではなく成就させるものであり、弱さは人間のあらゆる力よりも強く、失敗は愛のうちにすべてを最高の形で成し遂げる前の前奏曲です。「人が土に種をまいて、 夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長する」(マルコ4・26-27)。み国への希望は、まさにこのように熟し、深まります。

 み国は、表面からは見えなくとも静かに根をはる種のように、すでに私たちの中にあります。聖霊によって視覚を研ぎ澄まされた人々には、み国が芽吹いているのが見えます。至るところに生えている毒麦で、み国の喜びが奪われないようにします。

聖霊の地平
イエスご自身である福音に根ざした希望は、私たちが目を上げて、主の昇天の祭日の典礼祭儀で主を観想するように促しています。たとえ主が私たちから遠ざかっていくように思えても、実際には希望の地平はさらに広がっています。一人ひとりの人間は、人類を天に上げてくださるキリストのうちに、完全な自由をもって「イエスの血によって聖所に入れると確信しています。 イエスは、垂れ幕、つまり、御自分の肉を通って、新しい生きた道を私たちのために開いてくださったのです」(ヘブライ10・19-20)。 「聖霊の力」によって私たちは、人類があがなわれ、新しくされたことを「地の果てに至るまで」(使徒言行録1・7-8参照)伝える「あかし人」になることができるのです。

 み国の種と復活の教えに信頼を置くことは、コミュニケーション手段の形成にもつながります。その信頼のおかげで私たちは、あらゆる出来事や一人ひとりの顔の中に良い知らせを見いだし、それらに光を当てることは可能であるという確信のもとに、現代のあらゆるコミュニケーション手段を用いて活動することができるのです。

 信仰をもって聖霊の導きに身をゆだねる人は、神がこの世界の劇的な状況の中で、いかに救いの歴史を織りなされておられるかを、神と人間の間に起きているあらゆる出来事の中に認識し、識別することができます。希望は「聖なる歴史が織りなす糸」であり、織り手は「慰め主である聖霊」にほかなりません。希望は、最も謙虚な徳です。生活の奥底に埋もれていても、パン生地全体を膨らませるパン種のようなものだからです。私たちは福音を読み直すことで希望を育みます。福音は、神の愛の映しである諸聖人の生涯の中で、何度も〝増刷〟されてきました。聖霊は今も、多くの活発な「媒体」を通して、「み国への願い」という種を私たちの中に撒き続けています。それは「歴史の出来事の中で福音の導きに身をゆだね、この世の闇の中の灯台のように道を照らし、信頼と希望の新しい道を切り開いている人々」の働きを通してなされるのです。

(以上は、カトリック中央協議会が翻訳したものを「カトリック・あい」が一部手直しした)

 
2017年5月21日

「迫害の恐怖の中で、福音を広げる人々のために祈り、支えて」-脱北クリスチャンの願い

North Korean defector: Despite horrific persecution, Christianity is growing

North Korean flag. (Credit: Katherine Welles / Shutterstock.)

(2017.5.15 マット・ハドロ CNS /Crux) 北朝鮮の共産主義独裁政権は世界最悪の人権侵害をしているとみなされているが、脱北者で宣教師のキム・チャンソン氏は、現在、韓国のキリスト教系ラジオ局から北朝鮮向け呼びかけを続けている

 (ワシントン発) 北朝鮮政府はキリスト教徒弾圧のためにあらゆる手段を尽くしているが、キム・チャンソン氏によれば、キリスト教を信仰する人々は拡大を続けている、とし、この国で信教の自由が確保されるように祈り、行動するよう呼び掛けている。

 キム氏は記者にこう語った。「世界のすべてのキリスト教共同体が北朝鮮のキリスト教徒が神の福音を広げていくのを助けてくれるように、と私は祈っています。地下の教会組織網を作る努力だけでなく、彼らが真剣に祈っている信教の自由を北朝鮮政府が受け入れるように、と」。

 キム氏は2004年に北朝鮮から韓国に脱出した、キリスト教徒で宣教師。ワシントンで5月11,12の両日開かれた「迫害されているキリスト教徒を守る世界サミット」の初会合に出席した。ビリー・グラハム宣教協会が主催したこの会合には世界130か国・地域からプロテスタント、ギリシャ正教、カトリックの代表が参加し、実際に迫害を受けた信徒も証言のために出席した。

 11日に基調演説をしたマイク・ペンス米副大統領は「信教の自由を守り、推進することは、トランプ政権にとって外交政策の最優先事項の一つです」と言明し、世界中で迫害されているキリスト教徒、そして他の信仰を持つ人々のために祈り、支えることを約束した。副大統領に続いて12日には、カトリック・ワシントン大司教区のドナルド・ワール枢機卿も基調演説を行った。

 会合では、キム氏も報告を行い、現在の活動について、韓国のキリスト教系ラジオ局から連日、北朝鮮向けの放送を続けているほか、福音のメッセージ、キリスト教音楽、そして世界のニュースをUSBやSDメモリーに入れて、北朝鮮の人々に届ける活動に参加している、という。

 「ですが、私のいちばん重要な仕事は、北朝鮮の人々の心にイエス・キリストを満たすことです。真理は人々を自由にするからです。真理が北朝鮮の兄弟、姉妹たちひとりひとりを自由にしてくれるように、心から祈っています」。

 世界の信教の自由に関する米国委員会の2017年年次報告は、「信教の自由は北朝鮮には存在せず、深刻な抑圧状態にある」とし、「北朝鮮政府は、宗教を信じる人々を逮捕、拷問、投獄、そして、処刑によって、迫害を続けている。投獄された者は政治犯矯正収容所に送られ、筆舌に尽くしがたい扱いを受けている」と糾弾している。

 信徒迫害の摘発を進めるOpen Doors UKも最近の報告で、北朝鮮は(政府・共産党のやり方に)異議を唱えることを赦さず、国家指導者のキム・ジョンウン崇拝を強要しており、「キリスト教徒にとって地球上で最悪の場所になっている」とし、人口2540万人のこの国にはキリスト教徒が30万人いるとされ、うち5万人から7万5000人が強制労働収容所に入れられている、と推計している。

 キム氏によれば、宣教師がこの国に入り、福音を広めようとすると、「ブラックリストに入れられ、政府が活動を禁止します。彼らの半数以上が強制労働収容所に閉じ込められている」。だが、そのような劣悪な環境のもとでも、北朝鮮のキリスト教徒は「迫害によって強められ、その数は増えている」のだという。「北朝鮮の独裁政権は迫害の一方で、福音が広がっていくのを恐れている。なぜなら、聖書と福音は真理を語っているからです。暗い部屋の中で光が輝くと、部屋は明るくなるのです」。キリスト教徒が祈るために集まるのは「当局の摘発を免れるために、家庭集会に限定」される。自宅から出て、川岸や山麓など人目につかないところで祈りを捧げ、「建物の中では祈ることはできません。

 またキム氏は、当局がキリスト教徒を摘発する手段として〝朝鮮キリスト教協会〟を使い、多くの人たちが「この協会が真正な団体だと信じるように教え込まれている」。この協会は、北朝鮮に信教の自由があるという誤った認識を国際社会にもたせることも狙っている。「このように、北朝鮮政府は、国内に福音が広がるのを抑えるために、あらゆることをしているのです」「それでも、太陽の光を妨げることは誰にもできない」。そして、北朝鮮のキリスト教信徒たちのために、とくにイエス・キリストに見出すことのできる自由のために、祈ってくれるように願った。「そして、南北朝鮮の統一が実現するようにお祈りをお願いします」と訴えた。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

 

2017年5月16日

 世界のシンクタンクはグローバル課題をどう見ているか ~CoC年次総会(言論NPO)

 

2017年5月13日

 北朝鮮が米人男性”宣教師”を「敵対的行為」容疑で拘束(CJC)

 【2017.5.7 CJC】北朝鮮は5月6日、平壌科学技術大学に勤務するキム・ハクソンという名前の米国人男性を国家に対する「敵対的行為」の容疑で拘束したと発表した。英BBC放送(日本語電子版)が報じた。北朝鮮が拘束した米国人はこれで4人となる。

 北朝鮮の国営朝鮮中央通信は、「所轄の機関」がキム・ハクソンさんの容疑に関する「詳細な捜査を実施している」としたが、詳しい内容は明らかにしていない。

 ロイター通信によると、自らをキリスト教の宣教師だと名乗っていたキム・ハクソンさんは「平壌科学技術大学で実験的な農業を始めるつもりだ」とインターネットに投稿していた。

 北朝鮮は4月下旬に、平壌科学技術大学に教授として招聘(しょうへい)されていたキム・サンドクさんを拘束したほか、昨年には米国人学生のオットー・ワームビア受刑者と韓国系米国人のキム・ドンチョル受刑者に労働教化刑を言い渡している。平壌科学技術大学は、主に北朝鮮のエリート層の子女が教育を受ける。2010年に創設され、運営資金の大半は米国と韓国のキリスト教慈善団体が拠出している。大学では複数の外国人が教えていると見られる。□

2017年5月11日

 国境なき医師団・日本、政府に署名9万5821筆を提出-「病院を撃つな!」キャンペーン

 

(2017.4.28 国境なき医師団(MSF)ニュース)国境なき医師団(MSF)日本は、紛争下で医療が標的となっている事態を食い止めることを目的とした「病院を撃つな!」キャンペーン新しいウィンドウで開きますの一環で、日本政府にさらなる役割を果たすよう求める署名9万5821筆を外務省と厚生労働省に提出しました。

  2016年5月3日、国連安全保障理事会は、紛争下での医療活動への攻撃を強く非難する安保理決議第2286号を満場一致で採択し、こうした攻撃については、当事者はその責任を免れないと断言しました。この決議を起案・主導した5ヵ国の1つが日本です。また、日本は「決議の具体的な履行を望む」と明確に表明しています。患者と医療従事者はその実現を心の底から願っています。

  こうした点を改めてお伝えした上で、外務省では岸信夫副大臣に、厚労省では馬場成志政務官にそれぞれ署名を手渡しました。岸副大臣は「MSFの日頃からの献身的な医療活動と、キャンペーンを通した紛争下の医療保護に関する理解促進への尽力に、敬意を表します」と述べ、日本として、人道援助が安全に行われるよう、積極的にその役割を担っていくことを約束されました。

  また、馬場政務官からも「今回のキャンペーンと署名の主旨はよく理解しており、外務省ともよく打ち合わせながら、事に当たっていきます」との言葉にともに、紛争地や自然災害被災地、感染症まん延地域でのMSFの活動について多くの質問が寄せられました。

  署名提出に先立ち、日本記者クラブで記者会見を開き、メディアの方々にキャンペーンと署名の意義をご説明しました。MSF日本会長の加藤寛幸医師は声明を発表し、「私たちが紛争地で活動できているのは、国際人道法に定められた戦争のルールによって、医療者が、病院が、そして病院にいる患者が、中立の立場で、保護されるべき対象とされているからです」と指摘して国際人道法の順守を訴えるとともに、「MSFは、人の命に危険が及び、人道援助の原則が脅かされているときは沈黙しません」と述べ、事態が改善されるまで取り組みを続ける意志を改めて示しました。

  会見には署名に賛同された各団体の代表者の方も列席され、それぞれのお立場から医療の保護と日本政府の果たすべき役割についてコメントされました。日本医師会 鈴木邦彦氏(常任理事)は「日本医師会も加盟している世界医師会は『紛争地であっても平時の医の倫理に等しく、医師の第1の義務は患者に対するものだ』とする規定を採択している。MSFとは、ラウンドテーブル・ディスカッションに参加したり、MSFインターナショナルのジョアンヌ・リュー会長から訪問を受けたりするなど交流を続けている。こうした観点から、日本医師会・世界医師会は『病院を撃つな!』キャンペーンに今後も協力をしていく」。

 また、アムネスティ・インターナショナル日本 山口薫氏(活動部門チーフ)は「軍事目標以外の攻撃対象、病院、患者、民間への攻撃は国際法上違反でありまったく許されない人権侵害である。この観点から『病院を撃つな』キャンペーンを全面的に支援している。日本政府が国際人道法に基づく医療の保護を訴えていくことは、外交上でも大変重要な役割だと認識している。MSFはじめ各団体とともに声をあげていきたい」。世界の医療団 畔柳奈緒氏(事務局長)も「MSFと同じく医療援助団体として、キャンペーンに賛同している。世界の医療団がシリアで支援している医療施設も標的となり、患者やスタッフが犠牲となっている。2016年5月の国連安保理決議から1年になろうとしているが、世界各地で医療施設が意図的に攻撃されることが続いている。子どもを含む一般市民が攻撃されている。決議が一刻も早く履行されることを求める」。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 藤井麻衣子氏(海外事業部・緊急人道支援マネージャー)も「紛争被害を受けた子どもたちの支援を行っている立場から、子どもたち、民間人を紛争に巻き込むなという私たちの訴えは、キャンペーンの趣旨に合致している。私たちは、医療者への迫害や救急車の盗難や破壊といった行為を告発している。こうした行為が国際人道法に違反することは明白」と語りました。

2017年5月1日

「神が喜ばれるのは、生活を通して宣言される信仰」教皇、エジプト訪問終える

教皇フランシスコ、エジプト・カイロのミサ会場で – EPA

(2017.4.29 バチカン放送)教皇フランシスコは、4月29日、訪問先のエジプトで、カトリック信者たちとミサを捧げられた。

 教皇は4月28日と29日の両日、政府や宗教関係者らの招きで、エジプトの首都カイロを訪れていた。エジプトは人口の大部分がイスラム教徒であるが、およそ10%をコプト正教会の信者、0.31%をカトリック信者が占めている。同国におけるキリスト教の歴史は非常に古く、伝承によれば、使徒聖マルコがこの地にキリスト教を伝え、アレクサンドリアの初代総主教となった。同国のカトリック教会は、コプト典礼を中心に、アルメニア典礼、ラテン典礼、メルキト・ギリシャ典礼、カルデア典礼、マロン典礼、シリア典礼の、7つの共同体から成っている。

 教皇ミサは、厳戒態勢の中、カイロ市内の空軍の競技場で行われたが、エジプトのカトリック信者たちの教皇訪問に対する喜びは大きく、前日夜から会場に向かう参加者たちの列が続いた。

 教皇はミサの説教で、「十字架から復活の真理に至る経験をしない人は、容易に絶望に陥ってしまいます」とし、「神と出会うためには、まず自分が神に対して持っている限られたイメージを十字架につける必要があります」と話された。そして、「復活の信仰から教会は生まれ、真の信仰は私たちを愛徳に満ち、いつくしみ深く、正直で、人間的な者にします。その信仰は、対話の文化と、尊重、兄弟愛を私たちが守り、体験するようにさせます」と語られた。

 また、「神に喜ばれる信仰は、生活を通して宣言される信仰だけです」と言明し、「信者にとって過激であっても許されるものはただひとつ、『愛徳』だけです。それ以外のすべての過激主義は神から来たものではなく、神は喜ばれません」と説かれた。

 さらに、「皆さんの心を復活の主の光に開くことを恐れないでください。復活の主に皆さんの不安を自分や他人のための前向きな力に変えていただきましょう」「友人も、敵も、すべての人を恐れず愛しましょう。なぜなら生きた愛の経験の中にこそ、キリスト者の力と宝があるからです」と呼びかけられた。

 この後、教皇は、カトリック・コプト典礼の神学校で、エジプトの司祭・修道者・神学生らとの出会いを持たれ、2日間のエジプト訪問を終わられて同日夕、ローマへの帰途につかれた。

2017年4月30日

 教皇エジプト訪問「宗教、神の名のもとに行われる暴力に、決然と『ノー』を」

エジプトを訪問した教皇フランシスコ、カイロのアル=アズハル大学総長アフマド・アル・タイーブ師と – AFP

(2017.4.28 バチカン放送)教皇フランシスコが4月28日、エジプトを訪問し、カイロ市内のアル=アズハル大学・会議センターで開かれた「平和のための国際会議」に出席された。

 カイロのアル=アズハル・モスクのグランド・イマームで同大学総長のアフマド・アル・タイーブ師は、会議の始めにテロの犠牲者らを思い起こし、参加者とともに1分間の黙祷をしたあと、基調講演で、世界を苦しめている様々な暴力と紛争を糾弾し、原因の一つとして武器取引を指摘した。そして「一部の者がイスラムについて誤った解釈をし、流血の惨事を引き起こした、という理由で、イスラム教が『テロリズムの宗教』であるということにはなりません」と述べ、「平和や、環境保護のためにともに働き、文明の衝突を広げる理論にともに対抗していきましょう」と呼びかけた。

 タイーブ師が教皇フランシスコと固く抱擁を交わしたあと、教皇が講演し、「エジプトの古来から続く偉大な文明と豊かな学術の歴史」に言及、「若者たちにふさわしい教育をすることなしに、平和は築けません」と強調、「『叡智』は、他を知ろうとし、自分に閉じこもらず、開かれ、常に動的」であり、「謙虚な姿勢で未知を追い求め、過去を活かし、現代と対話し、未来を準備するもの」である、とし、「『叡智』は、現実の中に出会いと分かち合いの機会を見極め、過去の中に悪からは悪、暴力からは暴力しか生まれないことを学びます」と指摘された。

 教皇はまた、対話の中でも特に「宗教間の対話の重要性」を強調。「皆の未来は宗教・文化の出会いにもかかっている、との確信をもって、私たちは常にともに歩むように招かれているのです」と語られ、「宗教の違いは、一つの国家共同体の中で相互の豊かさとなります」と指摘された。さらに、「暴力は真の宗教を否定するもの」としたうえで、「宗教の名のもと、神の名のもとに、いかなる暴力、復讐、憎悪が正当化されることがないよう、強い、明確な『ノー』を繰り返しましょう」とアピールされた。

2017年4月29日

教皇フランシスコ、トランプ米大統領が「タイム」の世界で最も影響力のある100人に(CRUX)

 (2017.4.20 Crux バチカン特派員 イネス・サン・マーチン)20日発売の米誌「タイム」の今年度の「世界で最も影響力のある100人」に、教皇フランシスコが、教皇就任の2013年に続いて選ばれた。

 トランプ米大統領も100人に入っている。2人は最近、来月下旬に会談するのではないか、という観測記事で新聞のトップを飾ったばかりだ。  会談の可能性について、バチカンの国務省代理、アンジェロ・ベチッチュ大司教はイタリアの通信社ANSAに先日、「教皇フランシスコは一国の代表が希望すれば、いつでも喜んでお会いになります」と語っている。

 大統領は5月26、27両日に開かれる主要7か国首脳会議(G7サミット)に出席するためにイタリアを訪れる予定で、その機会に会談の可能性がある、と言われていたのだが、ホワイトハウスのスパイサー報道官が定例会見で「教皇と謁見の可能性についてバチカンと話をしようとしている」と語っているものの、20日朝の段階で、バチカンにそのような要請はきていなかった。

  「タイム」の100人は、世界の指導者、先覚者、芸術家、経営者、アイドルなど様々な分野から選ばれているが、教皇は指導者として選ばれた。同誌のナンシー・ギブス編集局長は「100人の中には、トランプ大統領や金 正恩・北朝鮮労働党委員長のような敵対者同士だけでなく、ドトゥルテ・フィリピン大統領とライバルのレイラ・デ・リマ上院議員のような人物も選んでいます」。その中で、教皇フランシスコは傑出している。教皇について、オバマ前米大統領が「言葉と行動における道徳的な指導者」とたたえ、2016年にはバイデン前米副大統領が「教皇フランシスコは、人は誰にでも尊厳をもって扱われる資格がある-という、あらゆる偉大な宗教に通じるカトリックの社会規範の根本的な教義を体現することで、世界に衝撃を与えた」と賛辞を書いている。

(翻訳「カトリック・アイ」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載します。

2017年4月21日

 飢きん寸前のイエメンで国連WFPが新たに緊急食糧支援(WFP)

 

(2017.4.19 国連WFPニュース)

 イエメン・サナア発 – 国連WFPは、世界でも最悪レベルの飢餓状況が発生しているイエメンにおいて、迅速な支援を必要とする900万人を対象とし、緊急食糧支援を拡大すると発表しました。この新たな活動により、国連WFPは徐々に支援を拡大し、深刻な食糧不足に陥っているすべてのイエメンの人々を毎月支援できるようになります。必要な費用は1年間で最大12億米ドルの見込みで、成功するかどうかは、即座かつ十分な資金援助を得られるか否かにかかっています。

  「イエメンは、前例のないレベルの飢えと食糧不足に直面し、限界に近づいています。何百万人もの人々が、緊急食糧支援なしでは生きていけない状況です。人々の命を救い、大規模な飢きんを回避するには一刻の猶予もありませんし、緊急に資金が必要です」と国連WFPイエメン事務所代表を務めるスティーブン・アンダーソンは語っています。

 この緊急支援では、極度の食糧不足に陥っている700万人に命を支える食糧を配布することに加え、220万人の子どもたちに対し栄養不良防止および改善のための支援を行うことを目指しています。 また、授乳中および妊娠中の母親にも、特別な栄養強化食品を提供します。3月に国連と人道支援諸機関が発表した最新の食糧事情分析によると、食糧支援があった地域では飢餓がより深刻化することを防ぐ効果があったとされています。

 4月と5月、およびそれ以降も必要な資金が確保できるまでの間、国連WFPは優先順位の高い670万人を対象に緊急食糧支援を行います。特に、最も食糧不足で飢きんに陥るリスクにある地域に住む250万人には、飢きんを回避するための支援パッケージが配られます。このパッケージには、家族全員が必要とする1カ月分の食糧に加え、栄養不良の子どもや女性のための栄養支援も含まれています。優先順位が2番目のグループの420万人へは、この量の60%相当の支援食糧が配られます。

 今年2月、治安の悪化や支援物資の輸送上の困難にもかかわらず、国連WFPは17州において約530万人近くという記録的な食糧支援を行いましたが、一人ひとりへの支援の量は削減せざるを得ない状況でした。国連WFPが必要量をすべて満たした支援パッケージを配給できるのは1年以上ぶりとなります。国連WFPは、その他の人道支援機関と連携しながら、飢きんの兆候を見せているタイズやホデイダ、ラヒジュ、アビヤン、サアダなどの地域の人々を優先的に支援しています。これらの地区では深刻な飢餓が蔓延し、5歳未満の子どもの急性栄養不良率は世界保健機関(WHO)の決めた限界値である15%をはるかに上回っており、適切な支援を受けなければ、飢きんに陥る危険性があります。

  紛争や情勢不安は食糧不足の主な原因であり、家計や栄養状態に甚大な影響を及ぼします。イエメンで食糧支援を必要とする人々の数は、2016年後半、1,400万人から1,700万人に増加しました。 イエメンやソマリアでの飢きんの発生や、南スーダンでの飢きん拡大を防ぐため、皆様のご支援をよろしくお願いします。

<寄付方法>

▼Webサイトから▼お電話で 0120-496-819(通話料無料・年中無休)▼ゆうちょ銀行から:口座番号:00290-8-37418 加入者名:国連WFP協会※通信欄に「緊急支援(飢きん)」とご記入ください。▼手数料無料振込口座から:三菱東京UFJ銀行 店名:本店(店番001)口座種類・口座番号:普通預金 0887110 口座名:トクヒ)コクレンWFPキヨウカイ※緊急支援(飢きん)の使途指定および領収書発行につきましては、お手数ですが国連WFPまでご連絡ください。

2017年4月20日

アフリカで「ボコハラム」による子どもの自爆テロへ強要が増加(CJC)

 【2017.4.17 CJC】国連児童基金(UNICEF)が、チャド共和国西部のチャド湖周辺地帯では、スンニ派イスラム教過激派『ボコ・ハラム』により子ども、特に少女を自爆テロに使う手口が増加しているという報告書を発表した。

 報告書『沈黙の恥辱』(仮題)によると、2017年第1四半期にチャドを始め、周辺のニジェル、ナイジェリア、カメルーンで、子ども27人が自爆テロの実行犯にさせられている。昨年の同時期には9人だった。子どもたちは積極的な加害者ではなく、自分の行為の恐ろしさを知らないまま行為に及んでいるという。

 同地域では2014年以降で117人の子ども(そのうち8割以上が少女)が自爆テロの実行犯となっている。その結果、市場や検問所などで、子どもや、場合によっては幼児でさえも警戒の対象になっているという。□

2017年4月19日