政情不安ベネズエラ、枢機卿、監禁-バチカン国務長官が非難(CRUX)

 (2017.7.20 Inés San Martín Crux 

 国民投票では、同国の司教たちの大部分がマドゥーロ大統領の憲法改正提案に反対票を投じた。またソーシャルメディアを使って、反対票を投じるよう働きかけた。投票翌日の17日、パロリン国務長官は司教団に書簡を送り、「ベネズエラにとって平和で民主的な解決が図られるように、政府当局が自由、和解、平和、物的、霊的豊かさを求める国民の訴えに耳を貸すように、特に最も貧しく、最も不利な立場に置かれている人々のために祈りました」と激励した。

 また、長官は書簡で、大統領支持派の武装集団が隣接地域を襲った後、ホルヘ・ウロサ・サビーノ枢機卿が、数百人の信徒と共に監禁されたことについても言及し、「監禁と暴力を強く非難する」と強調、枢機卿と被害に遭ったすべての人々への親愛を表明した。オートバイでやってきた武装集団は、まず、国民投票が行われている投票所で、投票のために並んでいる人々に向かって銃を発砲したあと、教会にいた枢機卿と信徒たちを監禁した。

 現地からの情報は混乱しており、正確な状況は明らかでないが、ウロサ枢機卿がCruxにEメールで明らかにしたところによると、教会は投票所に使われていなかったが、教会の近くの通りに投票所が設置されていた。投票日の16日は、ベネズエラのカトリック教会恒例のカルメンの聖母の祝祭の日で、枢機卿はカラカス大司教として記念ミサを主宰していた。

 国民投票は、数か月にわたる反政府抗議行動を受けて行われたが、騒動が始まった4月以来、100人前後の市民が犠牲になっている。バチカンはこれまで現政権に批判的立場をとるベネズエラ司教団を支持してきた。司教団は「国民と共にある」と言明し、反対派には加わっていないが、ベネズエラで長く続く政治・経済・社会危機を解決するために国民投票をすることを支持している。

 国務長官からの書簡が司教団に送られた翌日の18日、大統領は改めて、ベネズエラのカトリック教会指導部を批判、全国向けのテレビ演説で、「我々は、世界の資本主義者や道理に反する者たちに奉仕する裏切り者の枢機卿たちのキリスト教徒ではない」と言明した。大統領はこれまでもしばしば司教団を悪者扱いしており、5月には、教皇フランシスコが自分と対話するように命じているのに、司教たちは「無視」している、と批判していた。

(翻訳「カトリック・アイ」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載します。

 

 

 

2017年7月21日

 ヒンドゥー過激派の暴挙激化に、インド司教団が各宗派合同会議を主催(CRUX)

(2017.7.18 Nirmala Carvalho    

 「対話と社会的調和のための共同行動」と題するこの会議に出席したジョン・ダヤル氏は「今、虐めや暴行に対して立ち上がる時です」と訴えた。インドは2014年以来、戦闘的な組織、民族義勇団(RSS)と強いつながりを持つヒンドゥー至上主義のインド人民党(BJP)が政権をとってきた。最近数か月は、さまざまなキリスト教宗派の人々が「改宗させようとした」と言う理由で逮捕、監禁されるなどの威圧行為が増加しており、直近では、牛の保護を名目にした自警団が関係した殺人事件が全国的に起きている。

 インドのヒンドゥー教社会においてカースト外として差別されているイスラム教徒やキリスト教徒のような少数派宗教信徒は牛肉を食べているものの、牛はヒンドゥー教で神聖な動物とされており、屠殺はインドの大部分の地域で違法とされている。牛を守る自警団の集団が、牛を殺したとされる人々を襲っており、過去数年間にイスラム教徒を主体とした人々が何人も殺されている。

 16日に開かれた会議には宗教各派の代表40人が出席。ダヤル氏は「会議にはヒンドゥー教徒、ジャイナ教徒、シーク教徒も参加している」と会議の意義を強調し、「我々は政府に、こうした行為を止める措置を取るよう求めることが重要だ」と語った。

 会議が始まる数時間前にも、パンジャブ州の村の教会のスルタン・マシ師がオートバイに乗った二人組に銃で殺害されており、会議参加者は、国内に恐怖を蔓延させている不法黙認を辞めるように政府に強く要求、最近の動きは「世俗的人道主義を脅かすだけでなく、憲法と民主主義体制に対する脅威となっている」と警告し、「人を差別するイデオロギーが現実のものとなっており、政府、政党各派、市民社会運動家、刑事裁判制度、宗教団体が協力して対抗すること」など五項目からなる行動計画で合意した。

  同じ16日の朝、首都ニューデリーでは、ナレンドラ・モディ首相が全党集会で演説し、法と秩序の維持は州政府の責任であり、地域の暴力行為の実行犯に対応せねばならない」と述べ、このような行為は国のイメージを汚すものだ、として撲滅に野党の協力を求めた。首相は各州政府に対して、とくに最近暴力行為が目立つ牛の保護を名目とした自警団に「厳しく対応」するよう求めた。

 一方、16日付けの日刊紙 Tribune News Serviceによると、マシ師を殺害した犯人を裁判に立たせるよう当局に要求して、地方の幹線道路を数時間にわたって占拠した。師が殺害された村を教区にもつジャランダ教区のフランコ・マラッカル司教は「マシ師の殺害は、キリスト教共同体に対する攻撃です」とし、「教会の聖職者であることを十分に知った上での犯行であり、私たちキリスト教徒の地域共同体に不安と動揺をもたらしています。私たちには、殺害の動機となるものは全くありません」と訴えた。また、イスラム教、ヒンドゥー教、シーク教の指導者たちと個人的に連絡をとっており、「全員がマシ師殺害と強く非難しており、キリスト教共同体との強い連帯を表明してくれています」とこの事件に対する、宗派を超えた連帯を強調した。

 宗教的少数派が主たる攻撃の対象となってはいるが、ヒンドゥー教徒も被害に遭っている。今月初め、彼らの聖地巡礼に行く途中の7人がイスラム武装集団とみられる暴徒に殺害された。

 (翻訳「カトリック・あい」南條俊二)・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載します。

2017年7月20日

 ロヒンギャのイスラム教徒たち、ミャンマー軍の虐待を訴え(CRUX)

(2017.7.18  RELIGION NEWS SERVICE)ミャンマー・チャーガウンタウン発―昨年11月ミャンマー軍がロヒンギャ・イスラム教徒が住むラカイン州マウンドーの村々でロヒンギア武装集団を掃討する名目で作戦を実施、住民に多くの被害を出した、と国際社会から強く非難されているが、海外の取材団が15日、初めて現地に入った。

 ロヒンギャのイスラム教徒の女性たちは行方不明の夫、母親、息子たちについて訴えようと、行列を作った。「息子はテロリストではない。それなのに農作業中に連れて行かれた」「夫が虚偽の理由で逮捕されてしまった」・・。幼児を腕に抱きながら、取材団に語っている数名の女性の間をせわしなく歩き回った。

 昨年11月ミャンマー軍は無国籍のロヒンギャ・イスラム教徒が住むラカイン州マウンドーの村々の掃討作戦を実施した。国連によれば、およそ75,000人が近くの国境を越えてバングラデッシュに難民となって避難したが、被害申し立てを受けて彼らに聞き取り調査をした国連調査団は、申し立てのあった「軍の治安部隊による強姦、拷問、放火、殺人」は、「人道に反する犯罪」と思われると語った。

 ノーベル平和賞受賞者のアウンサン・スーチー氏率いるミャンマー政府は、難民たちの申し立てのほとんどを否定し、それらの申し立てを調査する任務を負った国連現地調査団の現地立ち入りを差し止め、過去9カ月にわたって独立系のジャーナリストや人権を監視する人々をその地域から締め出してきた。

 今週になって、情報省担当者が、ロイター通信など国際的メディアを代表する12名以上の海外と国内の記者を国境警備隊民兵の護衛付きで現地、ラカイン州マウンドーの治安部隊による強姦、拷問、放火、殺人があったとされるチャーガウンタウンに連れて行った。

 昨年11月半ばにチャーガウンタウンなどイスラム武装集団の警官殺傷への報復名目で軍が行った残虐行為は、ロイター通信が電話による現地被害者への聞き取り取材やバングラデッシュ側の難民となった人々から直接、情報を得ていたが、今回も、取材団が、“護衛〟から離れたと見るや、村人たちから、あっと言う間に軍の虐待行為を訴える声が集まった。

(翻訳「カトリック・あい」田中典子)

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2017年7月20日

 ノーベル平和賞受賞の劉暁波氏死去直前に香港の枢機卿らカトリック信徒が祈祷集会

  • (2017.7.14 Crux/Catholic News Service  香港、中国-香港のキリスト教徒たちは、劉暁波氏が亡くなる一週間前に集会を開き、ともに祈りを捧げていた。7日に聖ビンセント教会で、前香港司教の陳日君(チェン・リージュン)枢機卿らが主宰して開いた劉氏のための祈祷集会にはカトリックの二つの教区の教会委員会、四つのプロテスタント団体から約300人が参加。この場で、劉氏に送る慰めのメッセージをカードを書くように勧めた。

 今回の祈祷集会は、6月26日に劉氏が刑務所から出されて以来、教区委員会や人権団体による2回目のものとなった。6月27日には、香港の中国政府連絡事務所前で中国政府当局による劉氏の扱いへの抗議行動があった。支援者たちは中国政府当局に対し、劉氏の海外での治療を求めていたが、支援者の中には米国とドイツの医療専門家も含まれており、彼らは「劉氏は肉体的な弱っており、海外への移送に耐えられない」とする中国当局の主張を否定していた。劉氏の治療に当たった中国の医療チームには外国人も二人加わっていた、という。

 

 (翻訳「カトリック・あい」南條俊二)ウィキペディアによると、チェン枢機卿は1932年、上海市生まれの85歳。12歳で現地でサレジオ会の修道院に入り、1949年中国共産党が政権を取った後、香港の華南大修道院に移り、トリノで司祭叙階1976年からマカオサレジオ中学校校長、香港仔工業学校院長。1996年に司教叙階。2006年に枢機卿。2002年から2009年まで香港司教。

 中国政府・共産党による香港非民主化の動きに抵抗を続けており、信教の自由や人権の尊重を訴える集会をたびたび主宰。1998年に香港教区協働司教になり、義和団が殺害した宣教師の列聖を支持した後、中国政府によって中国大陸の訪問を6年にわたり禁止された。2004年5月に上海を訪問して6年間の対峙は終わったが、 2004年6月、天安門事件15周年の前夜、香港教区として「民主中国」という名称の活動を開き、「香港は一つの血も流さない『天安門事件の弾圧』を受けており、「中国当局は『銃や戦車はないが頑固な一派、民主派が香港独立を支持している』と有りもしないことで香港市民を批判し、普通選挙を討論するのを阻止している」と語った。2005年11月には、「香港市民は政改方案を支持するかどうかの決定権を持っている」とし、「政府は香港全住民の民意を調査すべきだ」と表明。

2008年には、当時のバチカン国務長官、ベルトーネ枢機卿が教皇が認めた中国大陸の90名の司教に送った書簡で「教皇は中国大陸のすべての司教が、勇敢にその職務を履行して教会の普遍性を示し、政府当局と直接、互いを尊重する対話を展開することで、更に広大な自由の空間を得るよう励まされている」としたのを受け、司教たちに対して団結を促すとともに、中国政府に対して「真に自由に集まり、真に自由に問題を探求する権利」と「司教叙階を教皇庁の認可を受けて進めることへの保証」を要求している。

2017年7月14日

世界最悪規模のコレラ流行がイエメンで拡大 国境なき医師団の活動に支援を

(2017,7,14  MSFニュース)日本の報道でも伝えられているように、現在、イエメンにおけるコレラ流行の広がりが、緊急事態というべき状況になっています。世界保健機関(WHO)は、これまでに25万件以上の症例が報告され、うち1500人以上が死亡していると発表、この事態を”世界最悪のコレラ大流行”と表現しました。
イエメンでは、2年以上にわたって紛争が続いており、空爆など激しい戦闘によって、約300万人の一般市民が避難を余儀なくされるなど、深刻な人道的危機の状況でした。紛争によって保健医療施設が機能を失い、また清潔な水や衛生設備が不足していることから、今年3月後半からコレラの感染が全国に広がってしまったのです。このままでは、流行の爆発的な拡大が、制御不能になる恐れがあります。

 ”コレラ患者も、医療の不足に苦しむ多くの女性や子どもたちも、紛争の被害者” MSF活動責任者・村田慎二郎

 国境なき式団(MSF)は、空爆の影響で他の国際援助団体の活動がごく限られている中、イエメン各地で人びとに医療を届ける活動を続けています。この未曾有のコレラ流行に対応するため、感染症のアウトブレイクに対応経験の豊富な「緊急チーム」も派遣。国内918ヵ所でコレラ治療施設を運営し、3月末から現在までに、症例数の25%以上にあたる6万人以上の患者を受け入れていますが、まだまだ援助は大きく不足する状況です。

 紛争に苦しめられ、今コレラの流行という大きな危機に直面するイエメンの人びとのために、国境なき医師団だからこそできることがあります。どうぞご協力くださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

2017年7月14日

 インド・ゴアでカトリック墓地破壊ー反キリスト教集団の暴力行為続く(CRUX)

 (2017.7.12  

Catholic Cemetery vandalized in Goa, India

Vandalized graves at Curchorem cemetery in Goa. (Credit: YouTube.)

 インドで最大のキリスト教徒人口をもつゴア州で、キリスト教徒弾圧の動きが強まっている。先月だけで4回も暴力行為が起き、現地のカトリック教区事務局が実態を調査している。

 ムンバイ(インド)発―ゴアの警察当局が12日発表したところによると、同州のカトリック墓地が反キリスト教の暴徒に襲われ、9つの御影石製の十字架、5つの木製の十字架、16の墓、28の像を置いた壁龕、そして墓地の入り口の門が破壊された。暴徒たちはその直前に、墓地に設置された監視カメラを破壊していた。

 ゴアは1961年にインドに併合されるまでポルトガルの植民地にされており、今もこの国のカトリックの中心とされ、カトリック教徒の人口比率は、インド全体では3%以下なのに対して約25%と高い。

 最近の暴徒による同州のキリスト教徒迫害の動きについて、ゴア・ダマン教区のフィリプ・ネリ・フェラーオ大司教は「一連の暴力・破壊行為は、地域社会に不和をもたらし、宗教的な嫌悪を引き起こそうとする利害集団が計画したようだ。これらの行為を強く糾弾する」と非難する一方で、「私は、個人として、あらゆる信仰を持つ兄弟、姉妹に対して、報復したり、心の中に宗教的な嫌悪をあおったりするのを控えるように求めたい」と訴えた。

 大司教は、ゴアの地は、伝統的に宗教間の調和と平和の地、として知られてきた、と指摘、「このような暴力が支配しているように見える時期であるからこそ、どのような犠牲を払ってでも、そうした無形の財産を大事にすべきだ」とする一方、「こうした暴力・破壊行為について徹底的に捜査し、犯人を特定するよう、当局に強く求める」と強調した。

 現地の警察幹部はこの事件について現在、捜査を進めており、暴力・破壊行為を阻止する特別班を発足させた、と説明している。

 インドでは2014年にヒンドゥー至上主義のインド人民党(BJP)が政権を取っており、同党は、ヒンドゥー国粋主義の武装組織、民族義勇団と関係が深い。また、ゴアでは、これ以前の2012年からBJPが州政府を握っているが、半面で宗教的少数派に対しては、中央政府よりも配慮する姿勢をとっている。州議会議員の6人のBJP 党員は前副首相のデ・ソーザ氏を含めてカトリック教徒だ。

 デ・ソーザ氏は地元紙とのインタビューで、一連の暴力・破壊行為は、州の平和を妨げようとする「外部の者の計画的な行為だ」と非難、「犯人たちは、人物が特定されないように事前に墓地に設置された監視カメラを壊していることからも分かるように、警察当局にとって、少々手ごわい相手のようだ」とも語った。

 彼は一連の暴力・破壊行為を政治と絡めるのを避けたが、ゴアで最近開かれたヒンドゥー教徒の大会で説教したサドヴィ・サラスワティ師は参加者たちに「牛、我らの母を守るために、武器をとれ」と呼びかけ、露骨に政治色を打ち出している。こうした動きに、別の州議会のBJP議員でカトリック教徒のアリナ・ダルダンハ女史は「サラスワティやヘイト・スピーチをする人々はゴアに立ち入るのを禁止すべきだ。最近の暴力・破壊行為は、地域社会の調和を破壊するのを意図したものだ」と対抗的な姿勢を見せている。

 インドのカトリック社会正義と平和協議会の事務局長、サビオ・フェルナンデス神父は、インドのカトリック教会を代表する実態調査チームが7月13日にゴアを訪れ、一連の暴力・破壊行為について調査することを明らかにし、「現地を調べ、目撃者たちから話を聴いたうえで、調査報告書をまとめる」と語っている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2017年7月13日

 UNICEF(国連児童基金)がシリアの子供たち支援に緊急募金(UNICEFニュース)

 7年目を迎えるシリア危機。今、子どもたちの状況が急速に悪化しています。この危機の影響で、800万人以上のシリアの子どもたちが人道支援を必要としています。500万人以上の子どもが国内外のキャンプなどで過酷な避難生活を余儀なくされるだけでなく、危険な国境地帯をいくつも越えて欧州をめざす家族が急増しました。極限状態におかれた子どもたちは、今すぐ支援が必要です。

 日本のみなさまへ 〜 シリアの子どもたちへの支援に感謝のメッセージ

 シリア危機。近隣諸国や欧州に避難する人が後を絶たず、支援が必要な子どもの数は800万人以上と、2012年当時の50万人から、15倍以上に膨れ上がっています。また、シリアやアフガニスタン、イラクなど紛争下にある祖国を逃れ、安全な場所を求めて地中海を渡った人は130万人近くいると言われています。2015年1月からのべ58万人以上の子どもが亡命を求めており、2015年に避難先を求めてヨーロッパにやって来た人々のうち、9万6,000人の子どもが保護者を伴わずに移動したとされています。

 子どもたちは疲れ果て、安心して眠ることも出来ずにいます。トラウマを抱えており、心のケアや医療サービスを必要としています。授乳中の母親に対する乳幼児への適切なケアを提供するための環境づくりも欠かせません。脆弱な立場に立たされている子どもたち-とりわけ、旅の途中で保護者とはぐれてしまった子どもたち-に対する責任ある、喫緊の支援が必要です。

 子どもたちのこの悲惨な状況は、子どもたち自身の選択でも、子どもたちの力 が及ぶ範囲のことでもありません。子どもたちには、保護が必要です。子どもたちには、守られる権利があるのです。ユニセフは紛争終結のためのより強力な外交努力を通じて、子どもたちに悲劇をもたらすこの巨大な流れの根本原因に取り組むべきであること、そして難民たちの祖国への開発支援と人道支援が必要であると国際社会に対して訴えています。

 ユニセフの活動の中で、皆さまから寄せられる募金は、たとえば、次のようなものにも使われています。

3,000円のご支援が、3つの感染症から子どもたちの命を守る予防接種用ワクチン24回分に 5,000円のご支援が・・・・・・高エネルギービスケット436枚に 10,000円のご支援が・・・・・・鉛筆とノートのセット183人分に 30,000円のご支援が・・・・・・衛生用品のセット40人分に 50,000円のご支援が・・・・・・レクリエーションキット3セット(270人分)に

※ご寄付の金額は任意です

シリア緊急募金=郵便局(ゆうちょ銀行)募金口座 振替口座:00190-5-31000 口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会

*通信欄に「シリア」と明記願います。 *窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。


公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税・相続税・法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。

2017年7月11日

 フィリピン最高裁が戒厳令継続を支持、カトリック教会はイスラム教徒との協力呼びかけ(AP/Crux) 

(2017.7.5 AP/Crux   Teresa Cerojano)フィリピン南部での政府による武装勢力との戦いが続く中で、戒厳令が継続されることになった。カトリックのリーダー、タグレ枢機卿は、過激な動きに共同で反対するよう、国内のキリスト教徒とイスラム教徒に呼びかけている。

 マニラ発―フィリピンの最高裁判所は4日、同国南部のイスラム武装勢力による動きを鎮圧するための大統領戒厳令を支持する決定をした。同裁判所のテオドレ・テ広報担当は、同国のドトゥルテ大統領が南部地域に60日間の期限付きで発令している戒厳令の解除を求める陳情を15対11で却下した、と発表した。戒厳令は、「イスラム国(IS)」の黒旗を掲げる数百人の武装集団が5月23日、南部マラウイ市を襲い、占拠したことに対して発せられていた。

 戒厳令解除を求める人々は、武装集団による同市占拠が戒厳令を正当化するような反乱の要件を満たしていないと主張しており、運動の一員である左翼政党のマチリス・カブレロス氏は「最高裁が、情報活動の失敗と暴力を誇示する詭弁の上になされた全く馬鹿げた決定に対する最後の防衛線となると期待していた。だが、彼らは我々の期待と反対に、さらに権威主義をはびこらせる道を開いた」と批判した。

 一方で、政府の主任弁護人であるホセ・カリダ訟務局長は「我が国の良心として、最高裁は国が分解するのを座視することはなかった」と、この決定を歓迎。「ISと連携した四つの地元過激派集団が東南アジアにイスラム過激派の領地をつくる企みの一環」として、「イスラム教徒が多く住むマラウイ市の占拠を狙ったことを示す証拠がある」と述べ、他の政府の関係幹部も「大統領の措置は、政府軍が彼ら戦闘集団を捉え、そうした動きを阻止する助けとなっている」と戒厳令の意義を改めて強調した。

 軍関係者によれば、戒厳令発令後の43日にわたる政府軍の空と陸からの攻撃で、マラウイ市の大部分の地域の治安は中心のビジネス街も含めて回復され、学園地域では、攻撃用の武器15点とシンガポール人とみられる外人兵士が残っているのが発見された。ドトゥルテ大統領は、首都マニラ北部のクラーク自由貿易区で行われた空軍創設記念式典で演説し、マラウイ作戦には40機以上の空軍機が参加したことを明らかにし、「マラウイ市解放の戦いは終結したが、フィリピン空軍がこの市の再建においても積極的な役割を果たしてくれると確信している」と激励した。

  デルフィン・ロレンザナ国防相は記者団に対して、一部に残っている過激派の支配地域も政府軍が一週間以内に奪還する、と述べる一方で、「武装集団が最後の一兵まで戦うつもりなら、完全平定はそれより長くかかるだろう」と見通しを語った。国防省関係者は、7月24日に予定される大統領一般教書演説の前に危機は終息する、との希望を宣べているが、国防相は部隊を危機にさらす圧力を加えないように戦闘のペースを定めることを現場の司令官たちに指示する考えを明らかにした。

 また、一部地域でまだ激しい市街戦が展開されており、自宅に閉じ込められている住民が300人ないし500人残っている。軍部隊や政府系のボランティアによって救出された1700人以上の住民も、多くが精神的にダメージを受けたり、飢えや病に冒されているという。約40万人が、数百のモスクのあるイスラム教の信仰拠点であるマラウイ市や、マニラ南部800キロにあるラナオ・デル・スル地方の村々から避難している。

 今回のマラウイ市にみられる突然の都市攻撃は、東南アジアや西側政府に強い衝撃を与えている。シリアやイラクを支配していたISの武装集団はそれらの地域での拠点を失い、崩壊しようとしており、失地回復のため、中東の聖戦支持者の資金を使ってアジア地域の武装集団を刺激し、新たな活動拠点をこの地域に作ろうとしている、と懸念する声も出ている。

 ドトゥルテ大統領は、過激な麻薬撲滅作戦に批判的な米国や豪州の政府関係者に対して敵対的な姿勢をとっているが、西側同盟国はこの地域に偵察機を展開してフィリピン軍の武装集団掃討作戦を支援している。ロレンザナ国防相は、豪州軍はマラウイ市地域に対潜哨戒機P3オライオン二機を展開し、米軍も数週間前に偵察機の運用を始めている事を認めた。大統領の”口先攻撃”の対象になっている欧州政府関係者も4日、住民避難へ4900万ペソ(98万ドル)を支援する、と発表した。新編成の韓国製戦闘攻撃機による連日の空爆で爆弾のストックが底をつきつつあることから、フィリピン空軍輸送機が米軍から補給を受けるため米国に向かったことを国防相が明らかにした。

 こうした事態に対して、フィリピンのカトリック教会は5月、過激派による攻撃を受けたミンダナオ島への戒厳令布告に対して、南部地域の司教団は「一時的なもの」とすることを条件に支持を表明していたが、リーダー的存在であるマニラのルイス・アントニオ・タグレ枢機卿は4日、同国のキリスト教徒とイスラム教徒が協力して過激な動きに対抗するよう、呼びかけを行った。「キリスト教徒とイスラム教徒を分離させようと画策する者は今、腹を立てているでしょう。彼らの画策は成功することなく、反対に、私たちは一致を目の当たりにしています」と述べた枢機卿は、フィリピン国民に対して、ミンダナオ島における暴力の中に現れている「愛、希望、光のしるし」に注意を払うように呼びかけた。「平和は誠実、正義、そして愛によってのみ達成されます。そうした基盤がなければ、平和はもたらされません」と。

(翻訳・「カトリック・アイ」南條俊二)

 Associated Press writer Jim Gomez and Crux staff contributed to this report.

2017年7月6日

 南スーダン:飢きんが鎮静化する陰で飢餓状態は拡大、医療ニーズも増大(WFP/MSF)

 (2017.6.23 国連WFPニュース)【ローマ/ジュバ(南スーダン)発】  南スーダンで起きている飢きんは、大規模な人道支援により落ち着きを見せている、という報告が本日発表されました。しかし、いまも南スーダン全土で差し迫った状況が続いていることは変わりなく、毎日の食べ物にも事欠く生活をしている人の数は、2月時点の490万人から600万人にまで増え、かつて経験したことのない高いレベルの食糧不足に見舞われています。

飢きんが鎮静化する陰で、飢餓状態は拡大

 南スーダン政府、国連WFP、ユニセフ(国連児童基金)、FAO(国連食糧農業機関)ならびに人道支援のパートナー団体が23日に発表した、総合的食糧安全保障レベル分類 (Integrated Food Security Phase Classification、略称IPC)の最新報告によると、2月に飢きんが正式に宣言された旧ユニティ州のLeer郡およびMayandit郡の現状は、飢きんの状態を脱したとしています。また、2月時点で飢きんの危機に瀕しているとされたKoch郡 およびPanyijiar郡が飢きんに陥ることから免れたことは、迅速かつ継続的な人道支援が大きな役割を果たしたと考えられます。

 しかし、旧ユニティ州とジョングレイ州の4万5,000人は依然として壊滅的な状況にあり、人道支援が停止すればすぐさま飢餓に直面することが予想されます。その内訳は、紛争の影響および昨年の収穫量不足のために多くの人びとが避難を余儀なくされた結果、彼らを取り巻く状況が急速に悪化している、旧ユニティ州の2万5,000人とジョングレイ州の2万人です。

 状況の悪化は国全体に広がっています。IPCの分類で、「飢きん」よりひとつ下のレベルである緊急のを要する飢餓状態にあるとされる人の数が、2月時点の100万人から170万人へ増加しました。

 「危機はまだ終わっていません。私たちは、人びとを何とか生き延びられるようにしているだけで、依然としてあまりに多くの人びとが極限的な飢餓の崖っぷちに立たされているのです」とFAO緊急部長ドミニク・ブルジョンは述べています。「この差し迫った状況を止める唯一の方法は、紛争を終わらせ、人道支援を妨げられることなく届け、そして人びとが生計を建て直せるようにすることです」

命を守る緊急食糧支援継続の重要性を訴える

 国連3機関は、飢きんが最も集中していた地域への支援の成果を損なってはならないと警鐘を鳴らしています。人びとの自給自足能力は著しく損なわれており、飢きんを食い止めるためには、命を守る緊急食糧支援および生計支援を継続しなければなりません。

「飢きんの影響を受けた地域で出た支援の成果は、支援を必要とする家族に持続的に行き渡り続けることで何が達成できるかを示しています。しかし、私たちの仕事はまだまだ続きます」と国連WFP南スーダン事務所代表のジョイス・ルマは言います。「この危機は悪化の一途を辿っています。もし、人道支援が止まったなら、何百万人もの人びとが飢餓に直面すると予想されます。紛争の終結が何よりも必要なのです」

「人道支援機関に支援を可能とするアクセスと資金さえあれば、迅速かつ強力な支援が可能となり、たくさんの命を救うことができます」とユニセフ南スーダン事務所代表マヒンボ・ムドエは言います。「しかし、南スーダンでは100万人以上の子どもたちが栄養不良に陥っていると推測されます。食糧不足は重大な問題ですが、同様に、保健医療サービスの不足、劣悪な水や衛生環境、そして何よりも治療を必要とする子どもたちへのアクセスが制限されていることが問題です。現時点では、南スーダン国内の多くの地域が情勢不安のために分断されており、何十万人もの子どもたちが大惨事寸前の状況にあります」

 南スーダンのいくつかの地域では、急性栄養不良は依然として公衆保健上の重大な緊急事態であり、全急性栄養不良(GAM)の割合が世界保健機関(WHO)が緊急事態と定める基準値である15%を超えています。中でも、旧Duk郡とジョングレイ州が最も高い26.1%にも達していると報告されています。7月に次の収穫期を前に食糧の備蓄が底をつく時期がピークを迎えることを受け、状況が一層悪化することが予想されます。

厳しい見通し

 食糧不足は、毎年訪れる食糧備蓄が底をつく時期と合いまり、武力紛争や例年を下回る収穫量、食糧価格の高騰により悪化しています。

 最近まで国の穀倉地帯であった南西部は、主に紛争の影響で前例のないレベルの飢餓に直面しています。農民たちは国境を越え近隣諸国に逃れることを余儀なくされ、手入れされていない畑が残されています。2018年には、国の穀物生産が記録的な不足に見舞われると予測されています。

 南スーダン北東部のナイル川西岸では、紛争の再燃により大量の避難民が発生し、人びとの生計や市場、および人道支援が中断を余儀なくされ、飢餓が急速に拡大しています。

飢きんに対する支援

 国連WFPは今年に入り、南スーダンにいる340万人の人びとへの支援を実施しました。これら支援の中には、紛争によって住み慣れた土地を追われた、あるいは紛争の他の影響を受けた260万人の人びとを対象とした命を救う緊急食糧・栄養支援があります。また、80万人の人びとを対象とした、急性の衝撃に対する回復力をつける支援や継続的な難民支援などの復興自立支援も含まれます。

国連WFPは、ユニセフやパートナー団体と協力して、最も離れた地域のコミュニティにも支援を届けるべく、ヘリコプターや物資の空中投下を駆使した迅速な支援の実施規模を拡大してきました。

 WFP/Marco Frattini

飢きんは特定の条件を満たしたときにのみ宣言されます。少なくとも地域の20%の家庭が極端な食糧不足に陥りその自助対処に限界があること、急性栄養不良率が30%を超えていること、そして、人口1万人に対して毎日成人2人を超える死者がいること。これらすべての条件が合わさったときに、飢きん宣言が出されます。

(公財)日本ユニセフ協会提供の日本語訳をもとにしています。

飢きんの発生や拡大を防ぐため、皆様のご支援をよろしくお願いします。

南スーダン・アウェイル病院の母子を救え!” いまなら助けられる、小さな命

(2017.6.22 MSFニュース)国境なき医師団(MSF)日本ではこのたび、医療ニーズが急増している南スーダンでの活動拡大を支えるため、”南スーダン・アウェイル病院の母子を救え!”キャンペーンを開始いたしました。

 泥沼化した内戦に苦しむ南スーダンの人びと。中でも危機的な状況に置かれているのは子どもたちです。国連機関の推計によると、南スーダンでは子どもの10人に1人が5歳の誕生日を迎えられずに命を落としています。原因は医療の絶対的な不足です。栄養失調、マラリア、はしかなど、予防も治療もできるはずの病気で、今も多くの幼い命が奪われています。皆さまのご支援で、助けることのできる子どもたちがいます。

 アウェイル病院は、州の住民およそ120万人の命を支える、たった一つの2次医療病院。MSFは2008年からこの病院で小児科・産科部門を担当しています。昨年はマラリア重症患者だけで7700人以上の入院治療を受け入れました。今年はその患者数が更に増えることが予測されています。

 現在、南スーダンはすでに雨期に入り、マラリアが猛威をふるう最大のピークとなる9月が目前に迫っています。マラリアは予防と治療で命を救える病気です。国境なき医師団はこの地で、多くの幼い命を危機から救うために全力を尽くしています。2017年12月31日までに470万ユーロ(約5億8000万円)の支援を目指しています。人でも多くの命を救うため、お力添えをどうぞよろしくお願いいたします。

 4歳の息子が昏睡状態に……治療を求めて母は歩いた

  母親のアクオットさんは、途方に暮れていました。地域でマラリアが流行する中、子どもたちが高熱で苦しみ出したのです。特に具合の悪い長男アゴク君(4歳)を連れて向かった近所の保健センターは閉鎖されていました。このセンターにはマラリア治療薬を点滴できる医療スタッフがおらず、経口薬は品切れ。「マラリア患者が押し寄せても何もできない」と、閉鎖してしまったのです。次に近い公営診療所までは徒歩で2時間。そこに薬がある保証もありません。町の民間病院は医療費が高額。下の双子のきょうだいも病気ですが、3人分の薬代を払う余裕はありません。アクオットさんは心を決め、ぐったりしてしまった長男だけを抱き、町へ向かって歩き始めました。

 幸い、アクオットさん親子は途中で国境なき医師団の移動診療車に出会い、アウェイル病院に搬送され、無償で治療を受けられました。マラリアによる昏睡は脳に後遺症を残す恐れも。アゴク君は重度の貧血にも陥っていて、一刻も早い治療が必要でした。

 南スーダンでは、アゴク君のようなケースが珍しくはないのが現状です。医療が不足するこの地域では、多くの幼い命が、今この瞬間も危機に直面しているのです。

・国境なき医師団日本のアドレスはhttps://www.msf.or.jp【支援対象】から「南スーダンアウェイル病院支援」を選択してください。電話0120-999-199 でも受け付けています。(9:00〜19:00/無休)・国境なき医師団(認定NPO法人)への寄付は、寄付金控除の対象になります。

 

2017年7月6日

 ドイツ連邦議会が同性婚の合法化を可決、9月の総選挙見据え(CJC)

 【2017.7.3 CJC】ドイツ連邦議会は6月30日、同性婚を合法化する法案を393対226の賛成多数で可決した。合法化によって、同性カップルは結婚に伴う権利を完全に認められ、子供を養子にすることもできる。

  採決には4人が棄権。アンゲラ・メルケル首相は26日、キリスト教民主同盟 (CDU)議員に党議拘束をしない方針を示したが、本人は採決の際、反対票を投じた。CDUと連立を組む社会民主党(SPD)は法案を強く支持していた。

  採決の後、首相は記者会見で、自分にとっては結婚とは男女の間のものだが、法案可決によって「社会が落ち着く」ことを期待すると述べた。

  ドイツでは現在、同性カップルは「市民婚」しか認められていない。今後は、「結婚は、異性もしくは同性の2人の人間が終生の前提で始めるもの」と定義することになる。

  メルケル首相は2013年総選挙の際、「子供の福祉」を理由に同性婚に反対し、自分としては「受け入れにくい」問題だと認めていた。

  しかし、26日に女性誌『ブリギッテ』主催のイベントに出席した首相は、他党が合法化を支持しているのを認識し、「全てのための婚姻(同性婚問題)は非常にデリケートな問題だ。各自の良心が問われるテーマだから、党も議員を縛ることなく、各自が判断すべきだ」と発言した。

  連立を組む社民党が前日、ドルトムントで開催した党大会で選挙公約をまとめ、中低所得者への減税などの税改革や失業手当の充実などのほか、同性婚の公認を挙げている。その直後に、首相が同性婚公認の方向を示唆した。

  週刊誌『シュピーゲル』(電子版)は首相の同性婚に関する発言を速報で流した。9月の総選挙で同性婚公認問題は大きな争点となるのを避けるため、と見たためと思われる。

  首相は、イベントの壇上で、地元の選挙区で養子8人と暮らすレズビアンのカップルと夕食を共にし、「人生観が変わる」経験をしたと話した。

  同性婚が合法化されると、同性カップルによる養子の受け入れなどが可能となり、結婚によって得られる権利が全面的に認められる。ドイツの同性カップルには現在、「シビル・ユニオン」(結婚に準じた権利を認める制度=市民婚)しか認められていない。

  欧州では、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク(フェロー諸島を除く)、フィンランド、アイスランド、オランダ、ベルギー、スペイン、ポルトガル、ルクセンブルク、フランス、英国(北アイルランドとジャージー島を除く)では、「市民婚」が法的に結婚として認められている。オーストリアとイタリアでは、これまでのドイツと同様、同性カップルには「市民婚」しか認められていない。□

2017年7月4日

「生き残りたいなら、再構築が必要」民族対立激化でナイジェリア枢機卿訴え(Tablet)

(2017.6.23 Tablet  ローズ・ギャンブル) ビアフラ共和国の独立宣言が出されて6月で50周年を迎えるが、ナイジェリア南部で、改めて独立を求める動きが高まっている。これに対して、とくに、同国北部地域のイスラム教徒が反発しており、先週、北部の若者グループと呼ばれる集団が「南部地域出身のイボ族を北部地域から追い出す「持続的で連携した戦い」を呼び掛けを始めた。

 民族対立のこうした緊張の高まりに対し、同国のカトリックのリーダーであるジョン・オナイエカン枢機卿は「国の存続が必要なら、再構築が必要だ」として、この国の統治の仕方を変えることを求めた。

 51年前、ナイジェリア北部地域に住んでいたイボ族の人々が大量殺戮され、それを機に「ビアフラ」の分離独立が宣言されたが、1967年から70年にかけて、中央政府との戦いと飢きんで何百万人の死者を出し、独立は失敗した。(訳者注・迫害されるイボ族の助けを求める声に、かつてナイジェリアを植民地として支配しその後も影響力を持つイギリスを始め欧米諸国は無視を決め込み、助けの手を差し伸べなかった。)

 6月22日にアブジャで行われた記者会見で、オナイエカン枢機卿は語った。「怒りの原因がない場所は、ナイジェリアのどこにもない。どこにも。ある人々は他の人々よりも強い怒りを表に出しいるのかもしれない。だが、どこでも、人々は不満を持っているのです」のが現実であり、問題の根源は、この国の統治であり、特に、異なる民族の間の平等の確保と法制度に問題がある、と指摘した。

 さらに、「連邦制」の原則―国内の各民族や地域に平等に雇用が分配されることなど―が衰えているが、「連邦制は、国内のある地域が他の地域よりも優遇されることを意味することはできない」「連邦制が不正と差別をもたらしているなら、制度の意味がない。統治の方法を変えなければならない」と強調。「そのような道を取ろうとすれば、怒りと変化への要求が一層高まるだろう」と警告した。

 そのうえで、枢機卿はナイジェリア中央政府に対して、国民が感じている不満、排除、不正に早急に対処するよう求め、その対応はさらなる分離を創り出すようなものではなく、必要なのは、現在の政府がどのように機能しているのか、現在の制度の下で、ナイジェリア国民の一人一人が正義、尊厳をもって扱われることが可能なのか、を検証することだ、と述べた。「国が存続することを望むのなら、再構築が必要。現実の問題は、適切な組織化がされておらず、人々を不満にしていることだ。それは、この国で差別されているビアフラの人々だけではない。私たちの多くも含まれている」と語った。

 また、ビアフラ独立共和国を求める声に対する反動については、「父親が息子にすごい剣幕で起こっているようなものだ。家から追い出すようなことはしないだろう」と述べた。

 ナイジェリアのカトリック教会には他にも頭の痛い問題がある。教皇フランシスコは先週、同国のアヒアラ教区の司祭たちに‶最後通告〟を行った。同教区は、ナイジェリア南部地域、イモ州のカトリック信徒が多数を占める地域にあり、2012年に当時の教皇ベネディクト16世が教区長に任命したピーター・エベレ・オクパレケ司教を、北部地域の人物であり「地元の司祭から選ばれていない」として、受け入れを拒否し続けている。

 教皇の‶最後通告〟は、拒否に同調している司教たちに対して、30日以内に教皇に対して忠誠を誓うことを表明しオクパレケ司教を受け入れるよう求めており、返答を拒む司祭は職務を停止されることになる。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(Tabletはイギリスのイエズス会が発行する世界的権威のカトリック誌です。「カトリック・あい」は許可を得て翻訳、掲載しています。 “The Tablet: The International Catholic News Weekly. Reproduced with permission of the Publisher” and that you quote our website address http://www.thetablet.co.uk)

 

 

 

2017年7月3日

 中国河南省中部の商丘市でプロテスタント教会取り壊し(CJC通信)

 【2017.6.19 CJC通信】中国河南省中部の商丘市で建設中のプロテスタント教会が5月5日当局により取り壊された。主要道路から教会をつなぐ道路の使用に通行税を課すとの通告に教会側が反発、当局側が教会堂を「違法構造」として取り壊しの強硬手段に出たものと見られる。

  信徒140人が取り壊しに抵抗、その中の少なくとも40人が逮捕された。この事件は最近になってキリスト教系『アジア・ニュース』が把握した。取り締まりに際し、警察は信徒や教会の文書や財産を調べ、携帯電話を没収し、贈答箱やロッカーを壊し、コンピューター、金銭、宝石を押収したという。

2017年6月21日

バチカンと中国との交渉は第2幕へ?(CJC通信)

 【2017.6.19 CJC通信】バチカン(ローマ教皇庁)と中国との「交渉」は、それ自体が公式に発表されない限り、周辺の情報では遅々として進まない、としかわからないが、この3月に行われた協議の後、双方が代表の一部を交代させていることが明らかになり、交渉が新段階に踏みこむ前兆ではないか、と推測されている。

  これまで交渉が遅々として進まない間、憶測と噂が広まった。中国は独自に任命した司教(中国では主教と呼ぶ)7人全員をバチカンが認知するよう要求していたとされる中で、雲南省昆明の馬英林司教と河北省承徳の郭金才司教の2人をバチカンが容認した、とも伝えられている。2人とも中国天主教愛国会や天主教主教団の要職にあり、バチカンの容認を取り付けた2人の今後が注目される。

  バチカンも、独自に任命した「地下教会」の司教候補20人を中国政府が承認するよう求めている、と伝えられる。中国政府の懸念は、バチカンが独自に「地下教会」の司教を任命し続けるのではないか、ということ。2015年末に活動している「地下司教」は29人と伝えられた。今年2月、「30人以上」との見方を示した香港の湯漢枢機卿は、3月末には「40人近く」と見直している。

  6月末にも、次回会談がローマで行われると見られており、交渉が新たな展開をもたらす可能性も無視できない。□

2017年6月21日

 廃棄野菜が、ケニアの子どもたち数千人の給食に-国連WFP

写真:廃棄用の不揃い野菜で作られた学校給食を楽しむ子どもたち ( WFP/Martin Karimi)

(2017.6.12 国連WFP メールマガジン)ケニアにおいて、「形が不揃い」ということを理由に廃棄されていた野菜を使った栄養豊かな学校給食が提供されています。栄養価の高い食事を提供しつつ、食料廃棄を減らすという二重の目的を果たしています。

 輸出用として生産された野菜の内、「形が不揃い」ということを理由に廃棄されていた野菜を使った栄養豊かな学校給食が、ケニアにおける学校給食支援の一環として提供されています。これまでの4カ月間で、生徒2,200人の学校給食75日分に相当する5トン以上の廃棄されるはずのサヤインゲン、サヤエンドウ、スナップエンドウ、そしてブロッコリーが給食に使われ、子どもたちの栄養となっています。

 毎日、ケニアの農場で輸出用に生産された75トンの農産物が、見た目が不揃いであるというだけで廃棄されています。これはトマトで換算すると60万個分にあたり、外見が悪くても美味しく食べられるものですが、そのほとんどが廃棄されています。 「これらの野菜は形が悪かったり、包装に適さないサイズであったり、単に傷ついているだけで、他の作物と変わらずに栄養価に富み、消費にも適しています」と国連WFPケニア事務所の栄養士である、ディナ・アブルミシャンは話します。

 今年1月、国連WFPはこれらの規格外野菜を学校の給食プログラムに充てる試験事業を開始。国連WFPの技術革新を促すチームや、オーストラリア政府の支援も受け、ナイロビ郊外の3つの学校で、給食が通学の動機になっている子どもたちへ栄養価の高い食事を提供しながら、同時に、食料廃棄を減らすという二重の目的を果たしました。

規格外野菜が、子どもたちを学校に引き留める力に

 規格外野菜を学校給食に採用するため、国連WFPは協力企業のサポートを受けながら、 主に欧州市場に農作物を輸出している2社をこのプロジェクトに結び付けました。 これにより、2社で発生していた規格外野菜は捨てられる代わりに、その一部が国連WFPと契約して学校給食を提供するナイロビのケータリング会社に送られ、そこで調理、3つの学校に配給されました。

 ナイロビから東に約12キロ離れた非正規の学校であるリトル・ベル小学校の代表エヴリン・ムデニョは、子どもたちを学校に引き留める給食の力を強く信じていると語ります。「学校給食がなければ、子どもたちは学校に通うことをやめてしまうかもしれません。また、給食に緑黄色野菜が追加されることで、栄養価が向上するので助かります」。

 さらに、新しい給食メニューは児童にも喜ばれています。「私の両親は早朝に出発し、夕方まで戻らないので、学校で昼食が出なければ、夜まで何も食べられません。野菜は栄養価が高く健康に良いですし、これまでの給食よりずっとおいしいです。」と、10歳のカレブさんは話してくれました。

持続可能な学校給食を目指して

 国連WFPはこの試験事業で学んだ教訓を活かし、学校がこの安価な野菜を手に入れられるように、生鮮食品の輸出業者との新しい協力方法を模索する一方、食料廃棄の問題にも取り組む予定です。今回は、第1段階としてケータリング会社に調理を委託する形で実施しましたが、第2段階では、試験的に学校内において給食を調理することを検討しています。「子どもたちは野菜が本当に好きだと感じます」とディナ。「これから私たちは、この廃棄されていた安価で新鮮な食材を活用して、手ごろで持続可能な学校給食を提供する方法を見つけなくてはならないのです」。

 国連WFPの支援活動はすべて任意の拠出金や寄付金によってまかなわれています。子どもたちが学校に通い続けられるよう、引き続き皆さまの温かいご支援をお願いいたします。

<寄付方法>

▼Webサイトから  ▼お電話で 0120-496-819(通話料無料)

▼ゆうちょ銀行から 口座番号:00290-8-37418 加入者名:国連WFP協会 ※通信欄に「学校給食プログラム」とご記入ください。

▼手数料無料振込口座から 三菱東京UFJ銀行 店名:本店(店番001)口座種類・口座番号:普通預金 0887110 口座名:トクヒ)コクレンWFPキヨウカイ
※学校給食プログラムの使途指定および領収書発行につきましては、お手数ですが国連WFPまでご連絡ください。

2017年6月15日

 教皇「中東の平和のために祈りを」

教皇フランシスコ、中東平和のために祈りを呼びかける – AFP

(2017.6.7 バチカン放送)教皇フランシスコは、中東の平和のために祈りを呼びかけられた。

 バチカンで7日行われた一般謁見で、教皇は、翌日の8日午後1時、「平和のための1分間」と名づけられた「中東の平和を願う祈り」が様々な国で今年も行なわれることを明らかにし、「この小さな祈りの時間は、2014年6月8日、バチカンで開かれた私とイスラエルの故ペレス前大統領、パレスチナのアッバス大統領による平和の祈りの集いを記念して行なわれるものです」と説明された。

 そして、「今日、祈りが大いに必要とされています。キリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒が平和のために祈ることが必要です」と強調し、宗派を超えた人々の祈りへの参加を訴えられた。

2017年6月8日