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・「無実の人々を殺し、殺人ドローンのボタンを押す者たちを止めるよう、祈って欲しい」ーウクライナの高位聖職者が訴え
(2026.2.21 Vatican News )
ロシアがウクライナ侵略戦争を始めて2月24で5年目に入るのを前に、ウクライナのドネツク管区総主教代理、マクシム・リャブハ司教が21日、Vatican Newsのインタビューに応じ、現地の教区や共同体での生活がどう続いているか、医薬品や発電機が人々に命を吹き込んでいる様子、そしてウクライナに希望と信仰が今も存在していることを強調した。
司教は、ロシア軍による爆撃や暴力が続く中でも、司教は信徒たちから「あらゆる困難にもかかわらず、兄弟愛や友情、相互支援を実践できている」という話を聞き続けていると説明。紛争のさなかにあっても若者たちが希望を失っていない点を強調し、「彼らは、生きる勇気を持つ者であり、実現すべき夢を持つ者であり、未来へのビジョンを持つ者です… 彼らの話を聞き、彼らの人生の一部と感じる者たちに勇気を与えている」と語った。
以下は、インタビューの内容。
問:教区の状況はいかがですか?最も困難な地域はどこですか?
答:私たちドネツク管区における状況は確かに極めて厳しい。この冬は、2014年に我々の領土で戦争が始まって以来、最も過酷なものの一つです。ロシア軍がエネルギー施設を爆撃したため、極めて困難な状況に直面しています。全域で1日20時間以上も停電が続いているのです。薪ストーブで暖を取ることに慣れた村々では、まだ地域支援が残っているため多少は楽ですが…。最も困難な状況は都市部。多くの高層ビルには独立した暖房システムがなく、停電は暖房・水道・生活必需品の不足を招いています。政府は攻撃の被害に対処するため、全力を尽くしている。技術支援スタッフは市民の生活環境を回復すべく、不可能を可能にする努力を続けています。
問:人道支援はどのように提供されていますか?十分な資源はありますか?
答:様々な方法で支援を試みています。神に感謝してます。神は教会を非常に偉大な存在として構想されたからです。教会の普遍性により、私たちと直接関係が無くても、心と思考と祈り、そして具体的な支援行動を通じて寄り添ってくれる多くの友人がいます。様々な組織が発電機の燃料購入を支援してくれる。これまでにも、支援が必要な全ての教区や共同体に発電機を提供してくれた友人たちがいました。今も友人たちが発電機を送ってくれており、村や都市の民家に住む教区民に配布できました。これらの発電機の一部は、児童センターや教理学校など、私たちが運営する様々な活動にも使われています。
この極めて困難な時期において、私たちの教会のあらゆる空間は、回復と希望と支えの場となっています。可能な限りの支援を行う教区コミュニティに加え、カリタス・ネットワークも存在します。ドネツク総主教区には7つの大規模カリタスセンターがあり、管轄区域内の様々な都市や村で支援を提供しています。これは人々を助けるための大きな資源。様々な組織を通じて、人生の困難な時期を過ごすウクライナの人々に寄り添おうとする全ての支援者に、深く感謝しています。
例えばある組織から電話があり、「現状を教えてください。生活はどうなっているのですか?」と尋ねられ、状況を説明すると、「医薬品で支援できます」と言われました。それで私たちはインフルエンザやその他の病気に対する必須医薬品を各教区で配布する手配ができました。これは今日、世界がウクライナとそこに住む私たちに向けて手を差し伸べている数多くの方法の一つに過ぎません。
問:ここ数ヶ月で、あなたの教区内の都市や村から多くの人々が避難しましたか?
答:都市や村での動きを見ると、大規模な避難がされているとは言えません。ザポリージャは今も平穏な生活を送っていますし、都市を離れた者もいます。主にドネツク州の前線に近い村の住民は、避難を余儀なくされています。多くの家族が安全な場所を求めて徐々に村を離れています。もっとも、人々は行き来していますし、状況が少し落ち着くと、多くの家族が村や都市に戻り始めます。
問:司牧活動はどのように行われていますか?司祭や聖職者はこうした深刻な課題にどう向き合っているのでしょうか?
答:幸い、私たちは司牧活動を通常通り行うことができています。戦争とあらゆる困難にもかかわらず、司祭と信徒は常に祈り、連帯し、互いに兄弟愛をもって活動しようと努めています。日曜日の祈りと毎日のミサは、状況が許す限り定期的に捧げられていますが、ロシア軍の攻撃で、残念ながらいくつかの教区を失っています。しかし可能な限り、人々は祈りを続けている。他にも様々な活動があります。子供や若者、家族向けの教理教育。祈りの母の会やコロンバス騎士団など、様々な共同体のための祈りの集い。これらのグループは全て、定期的な集会の維持に努めています。
様々な研修の機会もあります。例えば先月は、ドネツク管区の各教区で司祭を補佐する青年指導者や祭壇奉仕者向けの研修を実施しました。四旬節の始まりも祝いました。教会が実践しようとする全ての定期的な活動を推進し遂行しているのです。
問:あなたは管区の教区を頻繁に訪問し、青年を含むあらゆる年齢層の人々と会っている。若者たちはどんな話をしますか?
答:教区訪問は大きな家族として集う機会です。教区を訪れるたび、礼拝後に教会が今経験していること―様々な行事や活動など―を共有するよう心がけている。これにより、教会がある各地の人々がより広い視野を持ち、教会の現実に対する感度を高められるのです。
また個人的な対話の瞬間もある。人々はよく「私たちの未来はどうなるのか」と問う。同時に彼らは希望も語る。神は私たちを支え助ける方法を考えずに命を与えたはずがない、と。多くの人々が美しいものも共有してくれる。あらゆる困難の中でも実現している兄弟愛、友情、相互支援だ。こうした瞬間こそ、偉大な人間性が示されています。
若者と話す時、彼らはよく人生の意味や希望の意味を問う。夢を語り、心で感じることに忠実でありながら、この荒れた世界をどう進み、どう生き抜くかについて助言を求める。夢を持ち、人生に対する非常に深く明確な感覚を持つ若者たちを見るたびに、私は心を動かされる。
ここ戦場において、私は多くの若者に出会います。生きる勇気を持つ者、叶えたい夢を持つ者、そして未来へのビジョンを持つ者だ。彼らの言葉に耳を傾け、彼らの人生の一部を感じ取る者たちに勇気を与えるビジョンです。
問:ロシアの大規模侵攻4周年を迎えるにあたり、Vatican Newsの読者や視聴者に伝えたいことは何でしょう。
大規模侵攻開始から4周年を考える時、「神が民を見捨てていない」という思いに胸が熱くなります。悪は強大な力で現れ、実際、悪が人間の生を通じて働くことを許す罪は非常に強力です。それでも、ウクライナ国民が侵略者から感じる憎悪の大きさにもかかわらず、神が私たちを見捨てていないことが分かります。
例えばザポリージャ。2023年10月以来、多くの人々がこう言ってきました。「明日か明後日にはロシア軍が街全体を破壊する。あなたがたは、もうここにはいない。死の地域となり、全てが消し去られる」と。でも2026年2月の今、この街では生活が続いています。
戦争にもかかわらず、ここで続く生活の物語は数多い。神の御手によって人の心が改心することを阻むものは何もないと信じています。私たちの祈りは全てこの方向に向けられている。人の回心が命と平和をもたらすからです。時に思うこともあります―「この悪を打ち破る神の力と信じる者は少ない」と。しかし「悪に打ち勝つ」という夢と希望は、私たちが経験しているあらゆる恐怖や困難よりも強いのです。
Vatican Newsの読者や視聴者にお願いしたいのは、「私たちを支えてほしい」ということです。この祈り、人間の心の回心を求める絶え間ない祈りの中で、兄弟愛を感じさせてほしい。なぜなら、命を奪う者たち、無実の人々を殺すために爆弾を送るボタンを押す者たちは、止めなければならないからです。私たちは、すべての人の目が命に向けられ、心が神に開かれるよう祈っています。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
・司祭の殺害、教会施設の略奪続くシエラレオネで、カトリック司教団、治安当局に安全確保求める

(2026.2.6 Vatican News Sr. Christine Masivo, CPS)
バチカン通信Fidesが6日報じたところによると、シエラレオネの司教団が先の同国でのカトリック司祭襲撃事件を受けて声明を出し、「私たちカトリック司教団は、司祭・修道者に対する一連の襲撃及び管区内の宣教施設略奪を断固として非難する」とし、治安当局に安全確保を強く求めた。
同国では、2002年に内戦が終結した後も、強盗、殺人などの犯罪や政治的なデモなど暴徒化のリスクが高い状態が続いている。
教会関係では、2025年1月27日、アッパー・バンバラ州ペンデンブにある聖母被昇天教会の司祭館で、ジェームズ・ジョシュア・ジャムリ神父が襲われ、手、頭、両膝に負傷した。加害者は逮捕され、警察の拘置中。
また同年8月30日夜、ケネマの無原罪の御宿り教会の司祭、オーガスティン・ダウダ・アマドゥ神父が殺害され、シエラレオネのカトリック共同体に衝撃を与えた。
これまでにアマドゥ神父殺害に関連して6人が逮捕された。被告らは、神父を殺害した司祭館から350ドル相当のノートパソコンと現金5,000シエラレオネ・レオンを盗んだ。
司教団は声明で、チネドゥ神父殺害とジャミル神父襲撃から半年が経過した現在も、教会の宣教拠点や資産を狙った窃盗・強盗が増えている、とし、「これらの事件により、特に脆弱な立場にある者や貧しい人々を中心に、地域社会は不可欠なサービスを奪われている」と指摘。
「武装強盗、住居侵入、宣教施設略奪によってトラウマを負った司祭、修道者、信徒たちとの揺るぎない連帯」を再確認し、「もうたくさんだ!」と訴えた。
そして、声明の結びで、司教団は治安当局と警察に対し、さらなる暴力の防止とシエラレオネ全土における聖職者、修道共同体、教会機関の安全確保に向けた具体的な措置を講じるよう強く訴えた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
・「ベツレヘムの光は世の光。私たち皆が光となることを決意する」ー主の降誕教会前の「飼い葉桶広場」に数千人が参集
(Latin Patriarch Pierbattista Pizzaballa, the top Catholic clergyman in the Holy Land, arrives at the Church of the Nativity, traditionally believed to be the birthplace of Jesus, on Christmas Eve, in the West Bank city of Bethlehem, Wednesday, Dec. 24, 2025. (Credit: Nasser Nasser/AP.)
(2025.12.25 Crux Melanie Lidman, Associated Press)
ベツレヘム(ヨルダン川西岸地区)― 主のご降誕の前日24日、ベツレヘムの主の降誕教会前の「飼い葉桶広場」に、キリスト教徒とイスラム教徒を含む数千人が集まった。ガザでの戦争が始まって2年間、控えめな祝賀が続いた後、聖地各地の家族たちが待ち望んだ祝祭の気運の高まりを告げる光景だった。
キリスト教徒が「イエス・キリストの誕生の地」と信じているこの街では、これまで降誕祭の祝賀行事が中止されていたが、24日には巨大なクリスマスツリーが「飼い葉桶広場」に復活し、瓦礫と有刺鉄線に囲まれた幼子イエスの戦火の中での誕生シーンに一時的に取って代わり、ガザの苦難への追悼の意を表明した。
聖地におけるカトリック教会の最高指導者であるピエルバッティスタ・ピッツァバラ枢機卿は、エルサレムからベツレヘムへの伝統的な行列の中で今年の祝賀行事を開始し、「光に満ちたクリスマス」を呼びかけた。
ベツレヘムの主の生誕教会で主の降誕夜半ミサを捧げた枢機卿は「21日に主の降誕前のミサを捧げたガザ地区の小さなキリスト教共同体からの挨拶を携えて来ました。ガザでは、荒廃の中にあっても、再建への願いを目の当たりにしました」としたうえで、「私たち皆が共に、光となることを決意します。ベツレヘムの光は世界の光なのです」と強調した。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
・ピッツァバッラ・エルサレムラテン総大司教が「主の降誕」を前にガザを訪問
・聖地からの待降節メッセージ「平和は幻想ではなく、命を懸けた選択、勇気だ」
(2025.12.20 Vatican News *)
聖地管区のフランシスコ会修道士 、イブラヒム・ファルタス神父からの待降節メッセージ
*非人道的な状況にある人々を救うのを阻んでいるのは何、誰?
*「答えのない問い」への答えは、冷たい暗闇でお生まれになった御子にある
・ナイジェリアで武装集団がカトリック学校の児童・生徒、教職員300人以上を拉致、米政府は制裁検討

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
・「AI時代におけるカトリックの教育者、そして大学の役割、連携の必要」-国際カトリック大学連盟など主催の国際会議

ティグ司教はまた、特に専門知識が不足する分野において「アルゴリズムには常に意見や方向性が内在している。AIが生成する結果に盲目的に追従すべきではない。教会は、AIの利用に関する世界的な議論に参加しなければなりません」と強調。AIの可能性を称賛する一方で、「人間性を育む存在となり得る能力を見分けて行かねばなりません」と語った。
そうした中で、カトリック大学は、「教育と育成という使命を通じて、世界に貢献するまたとない機会を手にしている… 科学的文化と人文的文化を融合させること。カトリック大学がネットワークを構築し、協力すれば、より大きな成果を上げることができる。AI に関して、学際的かつ分野横断的なアプローチが必要です… 神学と哲学が AI 分野において関連性を見出し、重要な役割を果たすことができます」と強調した。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
・「シリアの教会は、死にかけている」-現地の大司教が訴え(Crux)
(2025.10.30 Crux Staff)
(写真右:ジャック・ムラード大司教=クレジット:ACN)

シリアのホムス・ハマ・アルナベク教区のジャック・ムラード大司教は、ローマで教皇庁財団「教会支援協会(ACN)」が主催した『世界の宗教的自由に関する報告書2025』発表会で講演し、「シリアの教会はもはや死にかけている」と訴えた。
シリアでは内戦が数年続き、近年起きた政治的変動の余波で国民が苦しむ中、キリスト教徒は不安を抱えて生活している。昨年、スンニ派イスラム主義勢力がバッシャール・アル=アサド大統領を打倒し、政権を掌握した。
新政権は宗教的少数派を優遇すると約束したが、非スンニ派に対する攻撃が頻発しており、その多くはアサド政権支持の嫌疑をかけられている。
ACNの推計によれば、2011年時点でシリアには約210万人のキリスト教徒が居住していたが、2024年にはその数は54万人近くまで減少した。
ローマでムーラド大司教は「今この瞬間に声を上げることで、祖国に有益となることを願う」と希望を表明。「シリアの教会は、死にかけている… バチカンや現地教会のいかなる努力も、信徒が国から脱出する潮流を食い止めることはできなかった。その原因は教会ではなく、国の悲惨な政治的・経済的状況にある… シリアに明確な政治体制モデルと強固な治安システムを確立しなければ、移民の波を止めることはできない」と訴えた。
大司教は「シリア国民は今も暴力や報復、悲劇的で遺憾な出来事に苦しめられており、この流血を終わらせる、という国際社会の主張や民衆の要求をすべて損なっている… 我々はますますアフガニスタンに似てきている。まだあのレベルの暴力はないが、そう遠くないところまで来ている。人々はあらゆる圧迫にさらされている。宗教的自由を含め、我々がより大きな自由へ向かっていると思ってはならない」と続けた。
シリアのアハメド・アル・シャラーア大統領は26日にダマスカス旧市街の聖母マリア教会を訪問し、国内のキリスト教徒の状況について協議、少数派宗教の保護を確約している。
大司教は講演で、イスラエルとの和平条約の可能性にも言及した。この条約では、1967年の六日戦争でイスラエルが占領し、1981年に併合した係争地ゴラン高原が割譲されることになっており、「そうなれば、首都ダマスカスの住民は水源を奪われ、”奴隷状態”に陥る」とし、「このような条約を誰が受け入れるだろうか?双方の決定が公平であることを保証すべき人権の価値観はどこにあるのか?」と問いかけた。
そして、世界の国々や国際機関に対して、「シリア情勢に対し明確な立場を取ること』を求め、シリア国内で活動する全ての地域・国際機関・組織に対し「文化団体、学校、大学、研究所と連携し、社会に蔓延する恐怖を克服するとともに、司法の独立と正義の確立における立法の役割に関する研修コースを組織すべきだ」と訴えた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。
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・戦争で荒廃したスーダンで2500万人が飢餓状態に飢餓が”武器”化している
(2025.10.8 Crux |Africa Correspondent Ngala Killian Chimtom)
2021年から長期の内紛が続くスーダンでは、国連によると、少なくとも4万人が死亡し、1300万人以上が避難を余儀なくされ、2500万人が深刻な飢餓状態に
ある。
その中で、北ダルフール州都、エル・ファーシャーでは、紛争の一方の当事者である軍事組織「迅速支援部隊(RSF)」が38キロ以上にわたる土塁を築いて町を封鎖。食糧や医薬品を運び込めなくなっており、100以上の市民社会組織(CSO)と人道支援団体、複数のカトリック団体が「飢餓が”武器化”されており、子供たちを含む25万人以上が餓死する恐れがある」と警告を発している。
「この土塁により、RSFと連合民兵組織はを遮断し、市民の脱出を妨げることで、民間人に対する締め付けを継続できる」と、南アフリカ司教協議会デニス・ハーリー平和研究所やパックス・クリスティUSAなどのカトリック団体を含む市民社会組織(CSO)と人道支援団体の連合体は10月2日の共同声明で述べた。
国連児童基金(ユニセフ)は、この事態を「壊滅的な悲劇」と呼んだ。キャサリン・ラッセルユニセフ事務局長は「私たちは壊滅的な悲劇を目の当たりにしている。アル・ファーシェルの子供たちが飢えに苦しむ一方で、ユニセフの命を救う栄養支援が妨げられている」と述べた。
「人道支援へのアクセスを妨げることは子どもの権利に対する重大な侵害であり、子どもたちの命が危機に瀕している。ユニセフは、支援を必要とする全ての子どもに届くよう、戦闘の一時停止拡大を含む即時かつ完全なアクセスを継続して要求する。子どもは常に保護され、命を救う支援を受けられる権利がある」と。
ユニセフはさらに、2024年4月に包囲が始まって以来、1100件以上の「重大な侵害」を目撃したと報告している。これには1000人以上の子どもの殺害や身体損傷が含まれる。数十人が性的暴力に遭い、他の人々は武装集団に拉致または徴用されたという。実際の規模はさらに大きい可能性が高いと同機関は述べた。
市民社会組織(CSO)と人道支援関係者は、「毎日の砲撃の中で脱出することのできない”野外監獄”と化し、市民が飢餓、致死性のコレラ流行、残虐行為の絶え間ない脅威に晒され、途方もない規模の人道的惨事を招いている」と訴え、「最近エル・ファーシャーから脱出した民間人の証言によれば、男性や青年が路上殺害されており、毎日の砲撃が続く中で、エル・ファーシャーを離れることは残留するよりも危険な状況だ」と述べた。
エル・ファーシャーで起きている事態は、2023年4月に勃発したスーダン内戦の全体像を反映している。スーダンでは、2019年にオマル・アル=バシール大統領が失脚した後、軍と民間の連立政権が樹立されたが、これも2021年10月のクーデターで打倒された。
クーデターの中心人物であるスーダン軍司令官アブデルファッターフ・アル=ブルハンとRSF(準軍事組織)指導者モハメド・ハムダン・ダガロは、RSFを軍に統合して新軍を編成する計画をめぐって対立。両者とも自らの権力基盤を確保したいと考えており、これが現在の紛争を引き起こし、衝突は首都ハルツームで最初に発生したが、すぐにRSFの拠点であるダルフール地域を含む国内の他の地域へ拡大した。
カトリックのスーダン・南スーダン司教協議会で牧会・社会コミュニケーション調整官を務めるジョン・グベンボヨ神父は「スーダンの状況は深刻。平和的解決が見出せない理由の一つは、双方が交渉ではなく勝利を目指していることだ。勝利か死かの二者択一であり、ウィンウィンの解決策を目指す意志は遠く及ばず、国は崩壊寸前に追い込まれている」とCruxに語った。
市民社会組織(CSO)と人道支援関係者の連合体は10月2日付の書簡で、国際社会を「スーダン戦争への対応における世界的な麻痺状態」と非難し、これが「国内全域での人命損失」を助長していると指摘。「非難の言葉だけでは、エル・ファッシャーの命は救われない。閉じ込められた人々の虐殺が続くのを防ぐため、断固たる行動を取って欲しい」と世界の国々や国際機関に求めた。
そして、「スーダンにおける民間人保護の脅威に対処する最善策は、全国的な包括的停戦。そのための交渉が続く間も、エル・ファッシャー住民の保護のための行動が取られねばならない」とし、「国際人道法に基づき、紛争当事者全員が民間人の安全を尊重・遵守する拘束力のある合意を得て、人道アクセス計画を緊急に策定・実行する必要性」を訴え、「外交団、地域機関、国際機関関係者が安全な通行と人道アクセスに関する交渉を積極的に推進し、民間人の妨げられない避難を確保すべきだ」と訴えた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
・聖公会の最高位聖職者、英カンタベリー大主教に史上初の女性任命―前任者の少年虐待問題による辞任受けて、女性助祭も認めないカトリック教会と大きな差
(2025.10.5 カトリック・あい)
日本では4日、自民党総裁に高市早苗氏が選ばれ、日本の憲政史上初の女性首相誕生が確実となったが、世界に約8500万人の信者を抱える英国国教会(聖公会)では、3日に聖職者で最高位のカンタベリー大主教に聖公会史上初の女性が誕生することになった。内部に実現を強く望む声が出ながら未だに女性の助祭さえ認めないカトリック教会は、少なくとも教会における女性の地位に関する限り、一段と大きな後れをとることになったようだ。
カンタベリー大主教に任命されたのは、サラ・ムラーリー・ロンドン主教(63)。聖公会幹部らによる委員会が指名、名義上のトップ、英国のチャールズ国王が3日承認した。来年3月に就任する。
英国国営放送BBCによると、英国のスターマー首相は、「彼女の成功を心から願っている。共に働けることを楽しみにしている」と述べ、バッキンガム宮殿によると、チャールズ国王は、ムラ―リー師の大司教就任は「英国と世界の聖公会共同体にとって極めて重要なものだ」と述べ、祝意を表わされた、という。
ムラ―リー師は、既婚者で2人の子供を持つ。英国の国民保健サービス(NHS)に35年以上勤務し、1999年に史上最年少でトップのCNO(看護主任)となり、2006年に牧師に叙階。2018年に英国国教会で3番目に高い職位であるロンドン主教に、女性として初めて就任した。
シビルパートナーシップ(法律で認められた婚姻に相当する「事実上のパートナー関係」を指し、同性カップルが結婚に準ずる法的権利を得ること)や結婚における同性カップルの祝福を認めるなど、いくつかの点でリベラルな措置を支持してきたこともあり、聖公会の保守派グループは彼女の大主教就任について、「歓迎する者もいるだろうが、聖公会共同体の大多数は、聖書が男性のみの主教職を求めていると今なお信じている」などと批判した。
これに対して新大主教は、声明で「希望と癒しを見い出すために人々を一つにしたい… 私は非常に単純に、教会が成長し続けるよう働いていきたい」と述べ、前任者の辞任の原因となり、教会に「深い傷と不信の遺産を残した児童保護の失敗」に向き合うことを約束し、「教会内での役割に関係なく、私たちは皆、自らの行動に光が当てられることを受け入れなければならない」と語った。
新大主教は、また2日にマンチェスターのシナゴーグで発生した「恐ろしい暴力」について、「私たちは、地域社会の亀裂から立ち上る憎悪を目の当たりにしている」とし、「私たち教会は、あらゆる形の反ユダヤ主義に対して、ユダヤ人コミュニティーと共に立つ責任を負っている。どのような種類の憎悪や人種差別も、私たちを引き裂くことは許されない」と語っている。
・「虐殺を止め、平和を!」ーコンゴ東部から「国境なき宣教師家族」が叫び

*日常的な暴力と避難民
ントヨ襲撃後、約2500人の住民が7km離れた鉱山集落マンギュレジパへ避難した。同地にはコンゴ軍部隊が駐留し、2021年以降はウガンダ軍も展開している。
ブテンボ出身のジャスティン・ムヒンド・マシンダは「2014年以降、ほぼ毎日、毎週のように虐殺が起きている」と語る。彼が所属する団体「国境なき宣教師家族」は北キヴ州で教育・保健・人道支援プロジェクトを展開しており、故郷のントヨ村も対象地域だ。先週の襲撃で彼の自宅は焼失した。現在は親族を含む新たに避難してきた23人を保護している。
「伝統的に遺族を支えるために人々が集まる喪に服す日々だった」と彼はVatican Newsに語った。「夕方になると『テロリスト』たちがライフルとハンマーで武装して現れ、殺戮を始めた」。ADFの暴力は「長年にわたり」北キヴ州と東部地域を荒廃させてきたと彼は述べた。動機については、M23との連携による鉱物(特に金とコルタン)の略奪などが様々な説として挙げられている、と付け加えた。
*襲撃の経緯
「日曜日にブテンボで避難民全員と面会した」とジャスティンは続けた。「証言は恐ろしいものだった。彼らが生き延びたのは奇跡だ。家屋が炎上する中を脱出した者もいた。テロリスト集団は非常に大規模で、兵士のような服装の女性や子供を含む約70人だった、という。村人の名前まで知っていたことから、事前に村を監視して住民に気付かれずに配置を把握していたことがうかがえる。
ジャスティンは、ここ数日近隣の村でも同様の襲撃が発生していることを指摘した。これは7月にイトゥリ州コマンダのカトリック教会で、聖体礼拝中の信者や若者たちが襲撃された事件を含む、広範な暴力のパターンの一部だ。教皇レオ14世はその地域社会に対し、深い悲しみと連帯の意を表明し、これらの「殉教者」たちの血が「コンゴ国民全体にとって平和、和解、友愛、愛の種となる」よう祈りを捧げた。
*「何よりも必要なのは『平和』だ」
「人々に必要なのは平和だ」とジャスティンは語る。「平和があってこそ、私たちは学び、医療を受け、発展を考えられる。平和がなければ、畑に出て農作業もできない。多くの子供たちが学校に通えない。多くの病院や保健センターが破壊されている。指導者たちや国際社会に訴えたい。ただ『平和をもたらす。もう誰も殺されない』と言ってくれる人が必要だ」と訴えた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
・8年間で6000人以上が殺され、100万人が家を追われるモザンビーク北部州に、教皇、安全と平和を祈る

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
・「治安当局は市民を保護せず、武装勢力が私たちの州を危険にさらしている」—コンゴ・ブニア教区の司祭76人が和平求める共同声明

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
・イタリア、スペイン、ラテン・アメリカ、そして聖地、パキスタン、アフリカの教会が「平和のための祈りと断食の日」に参加
(2025.8.22 Vatican News Valerio Palombaro)
- 教皇レオ14世の「平和のための祈りと断食の日」の呼びかけに応えて、イタリア司教協議会会長のマッテオ・ズッピ枢機卿は、「武装せず、武装を解く平和」のための熱心な祈りを、イタリア全土の信者たちに呼びかけた。同国の多くの教区と修道会なども、これを受けて具体的な行動を起こし、例えばローマ教区は、22日午後、ラテラノ大聖堂でミサを司式するバルド・レイナ大司教の書簡を通じて、「すべての共同体、教区、家族、そして個々の信者」に対し、断食を「私たちの連帯のしるしであり、平和の捧げ物」として行うよう呼びかけた。 スペイン司教協議会も声明で、教皇の呼びかけを受け入れたと発表し、8日に会長のルイス・アルゲロ大司教が司教たちに宛てた書簡を引用し、「平和のための祈りと態度を強化するよう」呼びかけ、テンアメリカ・カリブ司教協議会会長のハイメ・スペンガー枢機卿も、「この教皇の呼びかけを、私たちの教区の教会共同体、宗教団体、教会運動、司牧グループが広く共有し、世界の教会の心から平和の叫びが一つになって響き渡るよう、願います」と全信者に呼びかけた。
特に注目すべき動きは、イエメンを含む地域を管轄する南アラビア使徒座管区からの信者への呼びかけだ。イエメンでは、10年以上にわたり「忘れられた」内戦が続いている。「断食と祈りを通じて、平和の女王である聖母マリアに、特に近隣の聖地における平和のため、そしてこの紛争を含むすべての紛争で苦しむ人々への慰めのため、御子に執り成しを願います」と、使徒座代理のパオロ・マルティネッリは述べた。
ガザでのイスラエル軍の攻撃が続く聖地の管理者フランチェスコ・イェルポ神父は、フランシスコ会の修道士たち宛ての書簡で、「平和は、紛争と希望に満ちた聖地において、特に長く待ち望まれ、深く望まれている賜物… 世界が、この悲劇を傍観せず、和平の実現、国際法の順守、市民、人道支援関係者、ジャーナリストの安全確保に行動を起こすよう、祈りましょう」と述べた。
アジアでは、パキスタン・パンジャブ州ラホール郊外のバヒ・フェルにある「聖母マリア・アンジェリカ教会」のカプチン会修道士で主任司祭のカイサル・フェロズ神父が、修道女、成人、子供たちと共に祈りの集いと平和のための断食を組織した。カンボジアでは、プノンペン教区使徒代理のオリヴィエ・シュミットハウザー司教の出席の下、祈りが捧げられた。内戦に荒廃したミャンマーでは、家族や避難民の小さなグループが、平和を願う心からの祈りを捧げた。一日中、小さな信者のグループがヤンゴンの聖マリア大聖堂を訪れた。
- (カトリック・あい)なお、日本の教会は、中央協議会のホームページに、教皇が「平和のための祈りと断食の日」への参加呼びかけをした、というニュースを載せたのみで、日本の司教団としての、特別な行事も、各教区、教会共同体などへの参加呼びかけなどはしていなかった。
「私たちはこうしたイベントには慣れているが、それは1日か2日、せいぜい3日程度。今回は1か月も続くので少し心配だが、落ち着いて対応している」と語った。
%増加したが、これはアクティスの列聖と聖年(ローマに約3300万人の巡礼者を呼び込み、その多くがアッシジへも足を運んだ)の両方が要因だろう。「素晴らしいのは、聖人同士が争わないことだ。神に感謝する」と彼は付け加えた。 「大聖堂を訪れる多くの人はカルロを見に来る。カルロ・アクティスを見に来る多くの人は大聖堂に来る。こうして浸透と拡大する動きが生まれ、確かに町には問題も生じている」とも語る。