・前仏駐在バチカン大使の大司教が性的暴行の罪でパリの法廷へ(LaCroix)

(2020.7.24 LaCroix France Claire Lesegretain)

Former nuncio to France to be tried for sexual assault in Paris

Archbishop Luigi Ventura, former Apostolic Nuncio to France, in Paris on December 4, 2016. (Photo by CORINNE SIMON/CIRIC)

 

  2009年から昨年末までフランス駐在バチカン大使を務めたルイジ・ベンツラ大司教が、今秋、パリの刑事裁判所で、大使勤務中の10年間に多数の男性を性的に暴行した罪で裁かれることになった。

 このことを最初に伝えたのはフランス語のラジオネットワークEurope1で、23日のことだったが、パリ刑事裁判所の広報担当判事は、La Croixに取材に対して、この報道を確認。

 「大司教は性的暴行の罪で起訴されているが、召喚状に対する大司教の返事がないため、”条件付き時制”を適用し、11月10日を出廷期限とした」と説明。通常、手続き上の問題がなければ、この日にパリの刑事裁判所で裁判にかけられることになる、と述べた。

 

*「不適切な接触をされた」

  ベンツラ大司教に対しては、4人の男性からの訴えが出ており、うち3人は「不適切な接触」をされた、としている。

 4人のうちの1人、ベンジャミン・ガイ氏は「これはとても好ましいことです。なぜなら、ベンツラ大司教の地位と権力から考えれば、このような事態は避けられないことではなかったらです… 大司教の取った行為に対する答えとしてフランスの法廷に立ってもらうことが、当初からの目的でしたが」と述べ、大司教が実際に法廷に立つかどうかは「私には分かりませんが、そう願っています」と語った。

*「これは陰謀だ」

 パリ検察庁は昨年3月、当時まだバチカン大使だったベンツラ大司教の外交特権の解除を請求した。これはフランスの司法史上、前代未聞のことで、請求は法務省を経て、バチカンとの窓口である外務省に示された。

 大司教は、昨年4月のパリ司法警察による尋問で、原告たちと対面させられたが、容疑を否定し、「これは私に対する『陰謀』だ」と反論している。

 彼は、昨年12月の75歳のバチカンの役職定年を迎えて駐仏大使を辞任したが、それより3か月前の昨年9月にバチカンに戻っていた。

*駐カナダ大使時代にも性的嫌がらせで訴えが

 ベンツラ大司教は1944年に北イタリアで生まれ、1969年に司祭叙階して5年後にバチカンの外交官養成機関である Accademica Ecclesiasticaに入学。卒業後、駐ボリビア大使館勤務を振り出しに、駐英大使館を経て、バチカン国務省に戻った後、1995年にブルキナファソ、ニジェール、コートジボワールの駐在大使となり、1999年に駐チリ大使、2001年に駐カナダ大使を経て、2009年から10年間、駐仏大使を務めていた。

 だが、駐カナダ大使時代に性的嫌がらせを働いたとの訴えが、今回の原告以外の男性から出されていた。

 バチカンは23日、大司教の無実を繰り返す一方で、彼がフランスの司法制度を信頼していること、司法手続きを進めるために外交特権を放棄したこと、そしてフランスの司法当局に協力することを確認している。

 

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年10月17日

・ラテンアメリカで、聖職者性的虐待問題で2000人のバーチャル会議開催

(2020.8.3 Crux  Inés San Martín)

Latin Americans press fight against clerical sexual abuse

A screen-caption of the abuse prevention seminar organized via Zoom by the center for child protection of Mexico´s Catholic University (CEPROME) and the Vatican Safeguarding Taskforce, on July 31, 2020. (Credit: CEPROME.)

  アルゼンチン・ロサリオ発–新型コロナウイルスの世界的な大感染が続く中で、カトリック教会では公開ミサの中止など様々な影響を受けているが、ラテンアメリカでは、聖職者による性的虐待防止のための取り組みなど、いくつかの教会活動は続けられている。

 7月31日には、メキシコのカトリック大学児童保護センター(CEPROME)とバチカンの安全防護タスクホースが共催し、ラテンアメリカ司教協議会の後援を受けた、聖職者による性的虐待への対応についての”バーチャル会議”が開かれ、Zoom やFacebookを使って”が約2000人の男女信徒、司祭、司教、修道士が参加して、率直な意見交換が行われた。

 会議は、先月バチカンが発行した、聖職者による性的虐待の訴えに対する対応に関する指針についての「学際的考察」もテーマとなり、まず、4人のパネリストによる基調講演から始まった。

*イエスの「真理はあなた方を自由にする」という言葉を信じているのか?

 バチカンの聖職者による性的虐待を専門に扱っているドイツ人イエズス会士のハンス・ゾルナー神父は講演で、「私たちは教会の中で、しばしばヨハネ福音書8章32節にあるイエスの言葉ー真理はあなたがたを自由にするーを本当に信じていないようです」と指摘。

 「そうだとしたら、最も傷つきやすい人たちーイエスが側に来なさいと言われた人たちーが犯罪で受けた痛みと苦しみを認識するようになった時、人々がなぜ恐怖に陥るのかを、どのように説明するのですか?」と問いかけた。

 また、教会に対して、過ちを犯したことを認め、法を行う勇気をもつよう求めるとともに、ほぼ全員が性的虐待問題の関係者であるこの会議の参加者に対して、教会に欠けているものを補ってくれる外部の専門家の協力を得ることを強く勧めた。

*口だけで「信頼して」と言っても信頼回復は無理ー虐待被害者を案内役に「有言実行」

 そして、「教会は多くのところで、人々の信頼を失っている。信用と信頼は、『私を信頼してください』と言うだけでは取り戻せない。信頼回復は『有言実行』でしかできません」と強調した。

 この意見には他の3人のパネリストも同感し、バチカンの安全保護タスクフォースのメンバー、マルタの一般信徒、アンドリュー・アゾパルディ氏も「虐待防止の各種組織・団体は、虐待被害者によって案内される必要があります。なぜなら、彼らの積極的な関与が、教会を安全な場所にするためのカギだからです」と述べ、「この世界で、教会は良い場を持っていますが、性的虐待に断固とした姿勢を見せなければ、信頼を回復することは絶対にできない」と強調した。

*多くの性的虐待被害者は、信仰を失い、教会に「正義」を期待していない

 チリの女性信徒、リア・ホセフィナ・マルチネス・ベルナル氏は、同国の司教協議会が2011年に作った「性的虐待防止・虐待被害者対策全国会議」のメンバーで、悪名高いフェルナンド・カラディマ元神父の被害者3人が設立した非政府組織Fundacion para la Confianzaのメンバーとして活動しているが、彼女も虐待被害者の役割を強調し、性的虐待に対処する”cornerstone act”が、これまでの”沈黙”を破り、虐待被害を明るみ出したことを説明。

 「多くの被害者が、虐待されたことで信仰を失い、教会が自分たちに正義を示してくれるという期待も持っていません。でも、ほとんどの人には、国の法律か教会法で訴えを起こす動機があります。『自分たちに起きたことを、二度と繰り返してはならない』という気持ちです」と述べ、教会にとって重要なのは、加害者側の動機を解明するだけでなく、性的虐待を起こさせた環境を啓明することだ、と強調した。

 また、「熱狂的愛国主義と聖職者主義の共存は、健全な環境ー自己批判ができ、危険を伴わずに異議を唱えることができる環境-を作るのに何の助けにもなりません」と語り、「『神のご意志』という名の下に、(教会の当局者たちは)信徒たちを欺きました… 神聖な場所で、彼らは若者の信頼を裏切りました。十字架を背景にして、名乗り出た被害者を信用せず、あるいは『適切な措置を取る』と約束しながら、何もしなかったのです」と批判。

*教会は「隠ぺい」せず、真実を明らかにすべきだ

 さらに「教会は、実際に何が起きたのか、何がそのようなことを許したのかについて、隠ぺいするのでなく、真実を明らかにするようにすべきです。黙り込むのではなく、発言する自由をもち、被害者のことを忘れるのではなく、いつも頭に入れ、無難に済ますのではなく、正義を行う必要があります」と訴えた。

 そして、「では、私たち一般信徒の役目はなんでしょうか?召集を受けるまで、待っているのですか?それとも、目を覚まし、意見を述べ、”群れ”として行動するのをやめ、問題に関わろうとしますか? たとえ、そうした努力が、教会の官僚組織の壁にぶつかり、『これが今の教会の現実なのだ』と感じ、無駄と思われるかもしれないとしても」と問いかけた。

 メキシコ大学の受け入れセンターの責任者であるダニエル・ポルティーヨ神父は、聖職者による性的虐待問題でメディアが果たした役割を高く評価し、「新聞各紙の一面に性的虐待の問題が掲載されたことで、教会が、神が私たちに求められておられることをしていなかったこと、私たちがキリスト教徒としてすべきことをしなかったこと、福音とは正反対のことがなされるのを許してきたこと、が明るみに出されました」と語った。

*変革には、「真実」を語る”預言者”が必要

 そして「このような不祥事について、教会の信徒として、私たちは、被害者の痛みと、私たちの教会のメンバーたちの犯罪に思いをいたすだけでなく、自分たち自身が次世代の信徒たちにもっと良い場をつくるように強く求められていることを認識する必要があります… そのためには預言者が必要です。でも『預言』は『未来を語ること』ではない。『真実を話すこと』です」と述べた。

 さらに、「率直に言って、信徒としての私たちに『素晴らしい物語』が待っているかどうかは、分かりません… もしもある日、教会内部の怠慢と免責が過去の歴史の一部となるとしても、それでも、とても重要なのは、私たちを聖霊に導いていただくこと、教会を曇らせている性的言虐待の風潮が消え去るように、私たちの努力を傾けること。そうすれば、それが教会の未来となるでしょう」と強調した。

 

2020年10月17日

・オプス・デイ、所属司祭のバチカンから性的虐待”有罪判決”認める

(2o2o.7.16 Crux  ROME BUREAU CHIEF Inés San Martín)

   ローマに本部を置く属人区「オプス・デイ」が16日、声明を発表し、所属司祭1名が性的虐待でバチカンから有罪判決を言い渡されたことを認め、「『オプス・ディ』スペインの高位聖職者は、性的虐待被害者たちに赦しを願い、その苦しみに深い遺憾の意を表明する」と謝罪。「私たちは、被害を受けた方々に、安らぎと癒しをもたらしてくださるよう、神に願います」と述べた。

 有罪判決を受けたのは、マニュエル・コルチナ神父(72)で、2002年からスペインで当時18歳の男性に痴漢行為の罪を犯し続けたことで、バチカンの教理省から6月30日に有罪の判断が出された。この後、15日の控訴期間を与えられていたが、その期間が15日深夜に切れたため、有罪が確定した。神父の性的虐待行為については、2018年8月に現在被害者が住むチリから報告があり、オプス・デイは、神父の聖職者としての活動を当時住んでいたセンターに限定、30歳以下の人々との会話を禁じる措置を取った。このことは昨年になって、スペインのインターネット・メディアReligion Digitalで公けにされていた。

 16日の「オプス・デイ」の声明では、神父は「誘惑」-告解を利用して性的な偏愛を要求するーの罪、教会法1387条の定めに対する重大な違反、と判断された、と説明。この定めに違反した場合、最も重い処分は司祭職のはく奪だが、神父については、5年間の司祭職の差し止め、個人的にミサを捧げることは認められる、としている。5年の司祭職差し止めの後は、さらに5年、本人が生活するセンターに限定された制限付きの司祭職を務めることになる、という。

 性的虐待の犠牲になったのは、当時、オプス・デイの会員で、現在は結婚してチリに住み、教会のミサに出る信徒としての生活を送っている。16日のオプス・デイの声明が出される前にCruxのインタビューに答えた男性は、オプス・デイに判決について公けに認めることを求めるとともに、スペインのカトリック教会に対して、聖職者による性的虐待を防止し、性的虐待について透明性を高めることに、努めることを希望する、と語った。

・・・・・・・・・

 オプス・デイは、スペイン人司祭で聖人のホセマリア・エスクリバー師がスペイン・マドリードで1928年に創設した組織。世界中のどこの教区にも属さず、修道会でもない、教皇ヨハネ・パウロ2世が認めた属人区という特異な形態をとり、司教、司祭団、信徒で構成し、会員数は全世界に約10万人。信徒たちが世俗社会での自らの職業生活を通して、自己完成と聖性を追求し、仕事や家庭生活など、日常生活のあらゆる場面において、キリストと出会うように援助するのを目的とする。男性優位の厳格な組織との見方もある。

 

 

2020年10月17日

・全米司教協議会が青少年性的虐待被害と対応に関する年次報告書ー日本の司教団も見習って…

US Bishops issue annual child and youth protection reportUS Bishops issue annual child and youth protection report  (©soupstock – stock.adobe.com)

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2020年10月17日

・「修道会の3分の1で虐待、被害者は1412人以上ードイツ修道会会長協議会が性的虐待の調査結果

(2020.8.28 カトリック・あい)

 

  ドイツのカトリック系通信社 KNAが26日報じたところによると、同国の392のカトリックの男女修道会を対象とした調査で、ここ数十年の間に少なくとも654人の修道士が性的虐待で訴えられていることが明らかになった。

 調査結果では、性的虐待の被害者は、児童、青少年、成年の被後見人など少なくとも1412人に上っており、うち約8割は男性で、残り2割が女性で占められている。

 この結果について、ドイツ修道会長協議会の会長であるシスター・カタリナ・クルイトマンは「これ以外にも報告されない被害者が存在します」としたうえで、「被害者たちは、性的虐待を聖職者から受けたのに加えて、彼らの属する修道会の指導者や修道士の心無い対応によって、さらに傷を深くしている」と指摘。「このことを深く悲しみ、改めて私たちの過ちを認めます」と、被害者、その家族など関係者に謝罪した。

 調査は、昨年、同国の392の修道会全てを対象にし、各修道会の総長、会長、あるいは管区長にアンケートを送付し、回答を求める方式で実施、全修道会の4分の3の当たる291の修道会から回答を得た。

 回答した修道会のうち、100の修道会は、様々な形の虐待で訴えられた、とし、修道会当たりの訴えの件数は、大半が10件未満だったが、中には100件を超える修道会もあった。虐待の訴えがあったのは回答した77の男子修道会のうち53、214の女子修道会のうち47。虐待で訴えられた聖職者の8割がすでに亡くなっている、という。また、虐待したと訴えられたのは修道士654人のほかに、58人の職員がいた。

 シスター・クルイトマンは、今回調査について「修道会における性的虐待についての調査のさらなる一歩」とする一方、「修道会会長協議会には、この問題の調査・研究を進めるための予算も人員も不足しており、我が国の司教協議会の性的虐待被害調査に匹敵する内容には至らなかった」とも述べた。

 一昨年に公表されたドイツ司教協議会の性的虐待調査では、全27教区で3万8000件を超える事案について分析し、1946年から2014年までの間に、性的虐待の被害者は3600人以上に上り、虐待を訴えられた聖職者は1670人に達している、などの結果を出している。

 被害が認定された人々への補償について、修道会は、司教協議会の規定に倣うとしているものの、実施には財政支援が必要、ともしている。司教協議会の基準では虐待1件当たりの補償額は、5000(約60万円)ユーロから最高5万ユーロ(約600万円)とされている。

・・・・・・・

 ドイツの聖職者性的被害者の団体「Eckiger Tisch」は、今回の調査結果と修道会の対応に対して批判的だ。

 広報担当のマチアス・カッシュ氏「大半の修道会は、性的虐待に対して責任をとることを、長い間ずっと拒否してきました… そして、自分たちの暴力と性的虐待の過去をどのように調べたいのか、調べるべきなのか、について話をする十分な時間がある、と、いまだに考えているのです」と語り、「各修道会の全ての記録は厳重に保管され、児童性的虐待の疑いが持たれた場合、検察当局に開示できるようにすべきです… どのような状況でも、修道会が”貧しい”ことを理由に、被害者に対する適切な補償を拒むことはできない」と注文を付けている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2020年10月17日

・「米国で性的虐待を訴えられた聖職者50人以上が海外で活動」-この問題も解消めど立たず(CRUX)

(2020.3.9 Crux 

 ニューヨーク発ー米国で性的虐待の疑いを持たれた司祭の50人以上が、海外で未成年者と関わる仕事を含めた宣教活動を続けている…。新型コロナウイルスの感染拡大の先行きはいまだに不透明だが、世界中に拡大している聖職者による未成年者性的虐待問題も解決のめどが立たないようだ。

 米国の非営利・独立系の調査報道機関ProPublicaと有力日刊紙Houston Chronicleが先週、共同発表した調査結果で明らかにしたもので、米国で性的虐待をしたとして訴えられた司祭約6000人の全米52の司教区の資料を分析・追跡調査した結果、ナイジェリア、アイルランド、フィリピン、メキシコなど、米国以外で新たな司牧に就いている司祭が51人に上っていることが分かった、という。また、問題司祭のうち40人はテキサス州を含む米国南部、メキシコとの国境沿いで司牧に当たっていた者で、訴えを受けた後、少なくとも21人がメキシコでの司牧を再開している。

 ProPublicaは、2018年にペンシルバニア州大陪審が「過去70年間に300人以上の司祭が1,000人以上に性的虐待をしていた」との内容の調査結果を発表して以来、これをもとに分析・追跡調査を進めてきた。「全米で、これまでに5,800人を超える問題聖職者の実名が公表され、これまでの聖職者による虐待を否定、隠ぺいして教会の長い歴史から、透明性に向けた最も包括的な一歩が記されている」 と述べている。

 だが、ペンシルバニア州大陪審が報告書を発表したのを受けて、数多くの教区が急いで自らの調査報告を公けにしたものの、その多くが不正確さや不完全さを、問題司祭たちが国外で司牧を続けるのを許されたのかどうか明記していないことも含めて、批判されてきた。今回の調査結果は、米国の多数の教区が、問題聖職者の公的名簿を公表する一方で、9000万人のカトリック信徒がいる隣国メキシコの教区は公表をしていない、と指摘している。

 先週、メキシコの司教協議会は、自国の聖職者の性的虐待危機に対処するために予定されていたバチカンからの代表派遣が、延期された、と発表した。延期の理由は公式説明では、「新型コロナウイルスのイタリアにおける感染の急拡大」だが、複数の関係者の間には、一昨年のチリへの派遣でカトリック教会の長年にわたる虐待と隠ぺいを明るみに出した”実績”をもつチャールズ・シクルナ大司教らの受け入れに、メキシコ側が難色を示した、との見方が出ている。

 また今回の調査結果は、メキシコで司牧活動を続けた問題司祭のうち、「性的虐待で訴えられた後も、簡単に国境を行き来し、教会によって”治療”に出された後も、新しいポストを確保した者がいる。他の者たちは、何十年も前に国境の南の教会に落ち着き、米国での訴追制限の期限が切れた段階で、説教と幼児の祝福をしている」と指摘した。

 1月にProPublicaがこの調査結果について最初の報道をした際、性的虐待の被害者の一部と監視団体は、訴えを受けている聖職者の世界規模のデータベース、とくに、海外で宣教する司祭ち、世界各国を頻繁に訪れる修道会司祭たちの動きを明らかにするものを作成するように、教会関係者に求めている。。

 当時、「司教の説明責任を求める会」代表のテレンス・マッキーナン氏は、Cruxの取材に対して、「現存するリストの多くは不完全であり、聖職者たちのこれまでの足取りも含めて、改善する必要がある」と語り、「理想と現実にはいくつものギャップがあります。ProPublicaが行ったことは、そうしたギャップを埋めるために、教区に強い圧力をかけることになる」と期待している。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 ・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

 Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

2020年10月17日

(解説)”サミット”一年、聖職者の性的虐待問題と新型ウイス感染拡大との類似性と非類似性(Crux)

On summit anniversary, what we still don’t know about clerical abuse

 バチカンで聖職者の性的虐待問題を扱う教理省の建物(写真手前)。同省には昨年だけで、世界中から1000件の訴えの案件が寄せられた。その中には、これまで報告の無かった国々も含まれており、事態はさらに深刻化することがあり得る。 (Credit: AP Photo/Alessandra Tarantino.)

ローマ-昨年2月に教皇フランシスコが全世界の司教協議会会長を集め、聖職者の性的虐待問題に関する歴史的な”サミット”を開いてから、21日で一年たった。この会議は、(注:聖職者による性的虐待に関する透明性を高め、説明責任を果たす全教会的な文化を促進することを狙っていた。

 それから一年後のまさに今、世界的な問題として、別の種類の”伝染性疾患”に焦点があっているー新型コロナウイルスは21日までに中国本土で2100人以上を殺し、感染者は世界全体で約75600人で、その大半は中国の湖北省の人々で占められている。

 この二つ、聖職者による性的虐待と新型コロナウイルスは一見、何の関係もないように見えるが、少しばかり共通したところがある。

 新型ウイルスの発生から2か月たった今、私たちは、少なくとも”震源地”以外の、感染者が出た場所と人数について信頼のおける基礎的な統計データをもって語ることが可能だ。

 よく言われているように、中国当局は発生当初、この伝染病を隠そうとし、今もなお、新たな感染者と死者の規模について、きちんと情報が提供されているのか、強い疑念がある。それでも、世界中の粘り強い研究者たちは正確な現状を把握しようと努力を続け、”震源地”以外の地域での感染状況やそれへの対処については、かなり良く現状が把握できるようになっている。。

 それに比べると、聖職者による性的虐待という”病弊”は顕在化して何十年もたつのに、世界的な状況についてそのようなデータが存在しないのだ。

 米国、オーストラリア、アイルランド、ドイツなど”震源地”になってきた地域については、性的虐待の案件数、被害者数、そして虐待の罪を犯した司祭の割合に関する、しっかりした情報が手に入るが、その他の地域への拡散状況について知る手掛かりは十分にない。

 そこで見られる傾向は、誰もが語る見方と先入観を反映し、裏付けなしの話をすることだ。たとえば、信徒数でアフリカ最大のカトリック国、コンゴ民主共和国のマルセル・ウテムビ・タパ大司教は「わが国では、聖職者の性的虐待は稀です」と言う。

 彼が言っていることは、1990年代後半から2000年代初めにかけて性的虐待による危機が起きて以来、アフリカの多くの司教たちが言ってきたことと変わらない。いわく、「聖職者による児童性的虐待は、主に西洋の問題だ」、いわく、「アフリカの同性愛に対する社会的不名誉を考えると、少年を食い物にする司祭は多数にならない」、いわく、「聖職者による性的不正行為に問題がアフリカであるとすれば、それは他の形態、特に成人女性との関係だ」と。

 欧米を除く世界の他の地域の司教たちからも同じような話を聞く。性的虐待の被害者のほとんどは、それに冷ややかに反応し、否定的だ。

 今週ローマで、米国を拠点とする「司教たちに説明責任を求める会」が企画した記者会見で、世界中の聖職者による性的虐待に関する質問がでた。それに対する答えは自明-米国や他の場所について私たちが知っていることと同じ、つまり、聖職者の約5〜8パーセントが性的虐待の罪を犯している、というものだった。要するに、コンゴやフィリピンでわずかな数の報告しかないのは、被害者が被害を公表するのを思いとどまらせる”恥の文化”によるもので、被害の実情に、地理的な違いはないのだ。

 新型コロナウイルスの大規模な感染の疫学的な研究は、別の話を語っている。感染の拡大は、保健機関や研究者によって熱心に検査・研究されている。その結果として首尾一貫した結論のの1つは、伝染病あるいは感染症の広がり方がとても不均一だということだ。さまざまな集団がまったく同じ感染リスクにさらされている場合でも、どれだけ激しい感染被害に遭うかは、全体の健康状態、安全でない水や食物の摂取の有無、医療の質、日常的な飲食物の内容、空気の汚染度、その他の様々な要因によるのだ。

 言い換えれば、医療研究者は「病気の原因、広がり、そしてその影響がどこでも同じであるかどうか推測することは、病気と戦うのに役に立たない」と言うだろう。ひな形で始めてデータがそれに合せるようにするのではなく、データを集め、それから、その意味を理解せねばならない-と。

 確かに、新型コロナウイルスがもたらしている危機と聖職者による性的虐待が引き起こしている危機に類似性がある、というのは表現として不正確だ。伝染病は一般的に言って「自然現象」だし、未成年性的虐待は「忌まわしい犯罪」だ。にもかかわらず、この二つを比べるのは有益だ。

 たとえば、危機が頂点に達した何年かの間、欧米文化に他の場所では見られないレベルの虐待を生み出したものがあった可能性があるのか? あるいは、被害者が救済を求めるための法的および文化的な支援システムを欠いた地域で、聖職者主義がはびこる地域で、そして、青少年、児童と性的に関係することに対する文化的な態度が大きく相違する地域で、危機はずっと深刻になる可能性があるのか?

 現時点で、いずれの質問に対する唯一つの答えは「そのような可能性はもちろんある。だが、実際のところ、分からない」だ。世界保健機関からの、全世界の児童虐待に関する総合的なデータを使えば、その可能性は憂鬱になるくらい高いことになるが、正確に実態を表わしていない。

 そうして、私たちは、教皇が開いた”サミット”から一年後の今、に引き戻される。

 ここで驚くべきことは、「あまりにも多くのことが分かっていない」ということだ。世界のほとんどの地域の教会当局も司法当局も、信頼するに足る”画像”を提供する人的・物的資源を投入していないので、この問題について、私たちは憶測と予測の域から出られずにいる。

 確かに、性的虐待の罪を犯した者とそれを隠蔽した者を特定する作業は、なすべき作業の中でも、極めて重要だー対応が遅れることで、訴訟沙汰になり、マスコミを騒がせ、抗議運動を引き起こす可能性があるからだ。また、聖職者による性的虐待の発生と拡散、それを加速し、あるいは妨げる環境的、文化的な要因について解析する、時間のかかる、目立たない作業も、必須の作業リストに加える価値がある。

 おそらく、この種の研究を行うための基盤を広げることは、”サミット”一周年記念から取り出すべき性的虐待問題対策の一つだ。”疾病”は、カトリック教会にとって、他で起きていることと同じように、動かし難い現実。その”疾病”がどこで起き、どのように広がるかについて信頼できる追尾システムを作ることができれば、素晴らしいことだ。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

 Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

 

2020年10月17日

・米国で司祭の性的不適切行為について大司教へ報告を怠った担当補佐司教が辞任(Crux)

(2020. 5.7 Crux  SENIOR CORRESPONDENT Elise Ann Allen

Bishop resigns facing charges of negligence on priest suspended for sexual misconduct

Cincinnati Auxiliary Bishop Joseph R. Binzer is pictured in an April 5, 2011, photo. The Cincinnati Archdiocese announced Aug. 5, 2019, the bishop will no longer oversee priest personnel matters after the mishandling of an abuse allegation against a pastor. (Credit: Colleen Kelley/Catholic Transcript via CNS.)

 ローマ発ーバチカン広報局が7日出した声明によると、教皇フランシスコは同日付けで、米シンシナティ大司教区のジョセフ・ピンツァー補佐司教の辞表を受理した。

 声明では、辞表受理の理由を秋からにしていないが、補佐司教は教会での司牧業務を外された司祭の疑わしい行動について上司に報告しなかった、として、教会関係者から訴えられていた。

 バチカンの情報筋が確認したところによると、教皇フランシスコが昨年出された「Vos estis lux mundi (あなたは世の光)」(司教と修道会総長による性的虐待の隠ぺい防止を目的として、具体的な措置を定めた自発教令)に従って、ビンツァーが取り調べ受けていた。

 7日のバチカン広報局の発表は、昨年7月に米シンシナティ大司教区の聖イグナチオ教会の主任司祭だったジェフ・ドリュー神父が、10代の少年たちに無理に抱きついたり、膝を足でたたいたり、身体や外見について猥褻な言葉をはくなど、不適切な行為をしている、との訴えを受け、司牧業務から外されて、10か月たって行われた。

 大司教区は同日、これについて、問題の司祭が10代の少年たちに不適切な行為を働いたことについては、2013年と2015年に報告を受けており、「一連の報告は、当時、大司教区の司祭人事委員会事務局長だったジョセフ・ビンツァー補佐司教が受け、当事者のドリュー神父と二度面接し、そうした行為は止めるとの確証を得ていた」と弁明。

 また、大司教区の機関紙The Catholic Telegraphに掲載された記事では、これらの件については、大司教区本部事務局に報告された懸念事項が直ちにバトラー郡の検事局と児童サービス局に通報されたが、検事局は犯罪行為とするに足る証拠を見つけることができなかった、としている。

 ビンツァーは昨年、ドリュー神父の問題についてシンシナティ教区を統括し、同教区の司祭人事委員長でもあるデニス・シュナー大司教に対する報告を怠ったとして、司祭人事委員会事務局長のポストから外されていた。また、前米司教協議会の青少年保護委員会の委員でもあったが、昨年8月に辞任している。

 伝えられるところによると、2013年と2015年に以前勤務していた小教区におけるドリューの行動について苦情が寄せられていたにもかかわらず、2018年には担当司祭の空席が生じた聖イグナチオ教会に移ることができた。だがその後、郡の検察局に一通の手紙が届けられ、捜査が行われた結果、ドリューの教会学校への関与を禁じ、定期的に監視担当者と面談するよう指示した。だが、そうした指示にもかかわらず、学校側には知らされることなく、ドリューは教会学校への関係を続けた、という。

 検察局の捜査で、ドリューが(注:刑法上の)いかなる罪も犯していないことが判明したとされている。も、大司教区の顧問法律事務所が雇った業者Strategic HR社とともに、大司教区として調査を行い、犯罪行為はなされていない、との判断を示しつつ、ドリューに昨年6月からカウンセリングを受けさせ、その後、教会の管理運営の仕事から外し、シンシナティ郊外の入院施設で治療を受けるよう命じていた。

 シュナー大司教は、ビンツァー補佐司教の辞任を発表した7日の声明で、彼が今後も、名誉司教として大司教区で奉仕を続けると言明。「今後の司牧については、ビンツァー司教との話し合いの後で、決められるだろう」とし、「この困難で不幸な時期ににおいて、ビンツァー司教と大司教区のすべての人々を守ってくれるように、お祈りください」と大司教区の司祭、信徒たちに求めた。

 一方、ビンツァー司教も声明を出し、「シンシナティ大司教区の人々の信頼と信仰に悪影響を及ぼしたドリュー神父の問題への、私の対応について、深くお詫びします」と謝罪。「昨年夏以来この問題を調査・検討し、先月、聖座から、この結果に同意するとの知らせを受けました。その後、私は祈り、熟考し、シンシナティ大司教区の補佐司教辞任を申し出ました… この判断は、大司教区の為になることと思います」と説明している。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

 

2020年10月17日

・豪王立委員会が聖職者児童性的虐待に関する報告公表ー”逆転無罪”のペル枢機卿は反論、メルボルン大司教は改めて謝罪

 

Cardinal George Pell arrives at the County Court in Melbourne, AustraliaCardinal George Pell (file photo)  (AAP Image)

(2020.5.7 Vatican News)

 オーストラリアの連邦最高裁判所が4月7日、ジョージ・ペル枢機卿(元メルボルン大司教、前バチカン財務事務局長官)を未成年性的虐待で有罪とした下級審の判決を無効とする判断を下したが、公判中は非公開とされていた同国の王立委員会による豪州議会への最終報告が明らかになった。

 報告によると、1970年代から1980年代にかけ、同国においてカトリック聖職者が犯した悪名高い性的虐待の複数の事件にペルが関与している、とし、ペルを批判しているが、ペル枢機卿は7日、声明を発表し、最終報告に盛られたこれらの内容について、「明確な証拠に基づくものではない。驚いている」と否定した。

 最終報告では、ベルが関与した事件の代表的なものとして、1960年代から30年にもわたって130件以上の児童性的虐待を繰り返したジョージ・リズデール神父を取り上げ、ペルを含めた教区の責任者たちは、同神父を犯行の場となった教会から他の教会に異動させる決定に関与した、としている(注:APによると、リスデールは1994年に34年の実刑判決を受け服役中)。

 そして、特に1977年と1982年に開かれた教区の人事委員会注目したが、ペルは声明で、「リズデールに関する人事を決定した当時、責任者たちには、彼の不法行為が知らされていなかった」と反論した。

 また最終報告では、ペルがメルボルン大司教区の補佐司教をしていた当時起きた、ピーター・サーソン事件についても取り上げている。サーソン神父は1960年代から10年以上にわたって、教区や学校で、児童を性的に虐待したとして被害者などから訴えられた。正式に起訴されることはなかったが、犯行の際に司祭を務めていた教会から転出させるなど、適正な対応をとる立場にあったにもかかわらず、そうしなかった、としている(注:APによると、サーソンは2009年に死亡)。

 これについて、ペルは、声明で「1989年にサーソンが司祭を務めていた教会の代表者たちと会ったが、性的暴行については彼らから言及がなく、サーソンを教会の担当から外すように求められることはなかった」とし、さらに、1996年にメルボルン大司教に指名された直後に、サーソンに休暇を取らせ、その二か月以内にその教会から転出させた、として、自身に手落ちがなかった、と主張している。

・・・・・・

 一方、ペルが教区長を務めていたメルボルンのピーター・コメンソリ大司教とバララットのポール・バード司教も同日、声明を出し、その中でコメンソリ大司教は「幼児性的虐待に対する王立委員会の議会報告の資料が全て公開されたのは結構なことだ」とし、バード司教もそれに同調した。

 そのうえで、大司教は、「カトリックのメルボルン大司教区が、若者たちと傷つきやすい成人たちを責任をもってケアし、保護する責任を果たさなかったこと」について、改めて、全面的に謝罪し、バード司教も「過去における教区の管理運営の失敗によって、教会を安全な場と確信していた極めて多くの子供たちに対して、ひどい性的虐待を許してしまった」「被害者とその家族の方々に悲惨な結果を生んだ」と深い反省と謝罪を表明した。

2020年10月17日

・「性的虐待被害者は無視されてはならない」-ペル枢機卿逆転無罪でグレゴリアン大学の専門家(Crux)

    ローマー豪連邦最高裁が7日、未成年者性的虐待で訴えられていたジョージ・ペル枢機卿に対して逆転無罪を言い渡したが、未成年者保護問題の第一人者で、バチカンの未成年保護委員会委員、グレゴリアン大学の児童保護センター所長のハンス・ゾルナー教授(イエズス会士)が8日、Cruxとの会見に応じ、同判決について、「告訴人の被害者が法の正義を尊重すべきだ」とする一方、この結果が「性的虐待の被害者が犯罪行為を進んで告発するのを困難にする恐れがある」と指摘。今後の世界での類似の裁判で「被害者を支え、彼らの訴えを信用せねばならない」と強調した。

 教授は、「この結果に腹を立てる人もいれば、そうでない人もいるでしょう。だが、豪連邦最高裁が適切な手続きを踏み、ペル枢機卿の正当な法的手続きをとる権利を支持したのは公正です。彼の犯罪は、(注:有罪とするに必要な)『合理的な疑い』を差し挟む余地のない程度の立証、ができなかったのです」としたうえで、ペルの釈放は「まだ被害を訴えていない性的虐待被害者たちに『自分たちが裁判で証言しても、信じてもらえない』と思わせる可能性がある」と懸念を表明。

 そして、「私たちは社会としても教会としても、被害者を支援し続け、彼らの話を聞き、『修復的司法』(注:犯罪に関係する全当事者が一堂に会し、犯罪の影響とその将来への関係をいかに扱うかを集団的に解決する仕方)を実践する方法を見つけねばなりません」と語った。

 豪連邦最高裁は7日、未成年者性的虐待で告訴されていたペル枢機卿を担当判事の全会一致で無罪とする判決を発表し、2018年12月に陪審裁判の懲役6年の有罪判決を覆した。ペル枢機卿は、それ以前に、ビクトリア州の地方裁の有罪判決を不服として同州最高裁に控訴し、昨年8月に棄却されていた。

 最高裁判決の発表を受けて、告訴した性的虐待被害者の主張の妥当性を疑った多くの人が裁判所の正義追求への取り組みを称賛する一方、他の人々、特に聖職者による性的虐待の被害者たちは「これがカトリック教会の実態。性的虐待の被害者たちが進んで被害を訴えるのを困難にする可能性がある」と失望している。

 聖職者の未成年者性的虐待を告発する国際ボランティア団体「Ending Clergy Abuse(ECA)」は7日の声明で、「現在世界中にいる被害者たちは、豪連邦最高裁がペル枢機卿の未成年者性的暴行に対して出した逆転無罪判決に失望し、大きく動揺している」と述べ、「最高裁は、陪審員団が審理で全ての証拠を適切に検討しなかったと、どうやって知ることができたのか、全く不可解。この判決は、未成年性的虐待の被害者たちに、冷酷なメッセージを送ることになる-『陪審団の有罪の評決があっても、正義を受け取ることは絶対にない。だから、告訴に踏み切らないように』と。」と強く批判。「被害者たちと法務関係者は、そのようなことが今回の判決の結果とした起きないように、共同して対応していかねばならない」と訴えた。

 そして、教皇フランシスコに対して、ペル枢機卿についてバチカンとして正式の調査に着手し、「ペルが枢機卿の職、あるいは司祭職に留まるべきかどうかについて判断するために、これまでに被害者などから出された主張と証拠を、完全かつ透明に調べてもらいたい」と求めた。

 他の被害者グループも、バチカンにペル枢機卿を教会法の立場から調査するよう、これまでも要求してきた。その中の一つ、「 Survivors Network of Those Abuse by Priests」は、もし、バチカンがそうしないなら、それは利己的であり、偽善的だ」としている。

・・・・・・・・

 一方で、教皇の枢機卿顧問会議でペル枢機卿が帰国するまで同席していたインドのオズワルド・グラシアス枢機卿はCruxに、「(注:教皇が言われる)『zero tolerance』(例外ない処罰)は不正義が行われてもいい、無実の人が有罪にされてもいい、ということを意味しない」と語った。

 グラシアス枢機卿は、聖職者の性的虐待に関する教皇の助言者の1人で、昨年2月の未成年者の保護に関する全世界司教協議会会長会議を助け、世界の教区が未成年者保護のガイドラインを策定、改定するのを支援するバチカンのタスクフォースのメンバーでもある。「疑いがあったら、それに目をつぶってはいけない。その人が有罪か無罪かについて判断する場合は、道徳的な確信を持たなければならない、という考え方に賛成ですが、自然的正義の原則(注:法律用語=何人も、公正な聴聞を受けずに非難されることはない、などの裁判上の原則)は常に守られるべきです」と述べた。

 また枢機卿は「今回の逆転無罪判決が他の性的虐待被害者に被害の訴えを抑えることになる、とは思わない」とし、その理由を、ペルの裁判は「公正さの問題であり、証拠があるかどうかの問題でした。いかなる訴えも、司法と教会法の両方の機関で調査が行われ、真実を伴う道徳的確信に至る必要があります… 道徳的確信は-裁判で有罪の陪審団評決をするのに求められることですがー両端に激しく振れる振り子のようなものです」と説明。

 そして最後に、「『zero tolerance』は守らねばならない原則であり、自然的正義の原則もそうです。そして、(教会法上の)道徳的確信の全ての問題がそうなのです」と強調した。

 今回の豪連邦最高裁の無罪判決を受けて、バチカンが最終的にペルの案件を棄却することは広く予想されているが、バチカンのスポークスマン、マッテオ・ブルーニはCruxに「教理省はバチカンの他の関係部署とともに、当然ながら教会法の規範に基づいて、結論を出すことになります」と語った。

 国際ボランティア団体「Ending Clergy Abuse(ECA)」は声明の中で、聖職者による性的虐待の被害者は「過去数十年にわたって、聖職者虐待の被害者だけでなく、あらゆる場面での性的虐待の被害者の前に立ちはだかった司法の壁を破り、歴史的な飛躍を遂げてきた」と強調し、「今回の豪連邦最高裁の判決後の取り組みとして、こうした努力が、これまでよりも、もっと必要になります。非常に多くの子供の安全が、その努力にかかっているからです」と言明した。

 性的虐待被害の告発が信頼できるかどうかを判断することの難しさと、告発者の話を聞いて信じようとすることの難しさについて、ゾルナー教授は次のように語っている。「それは、証拠や立証を得るのが非常に難しい場合に、常に存在します… どの案件についても、社会と教会は法の支配に法の支配に従う必要があると同時に、被害者のが必要としていることに応える方法を見つける必要があります」。

 ゾルナー教授は、今回の豪最高裁の無罪判決が、教会の聖職者による性的虐待への取り組みに対する一般大衆の受け止め方に関して、後退させると思うかどうかについて、明らかにしなかったが、ペル枢機卿に反対の立場をとる神学者で、裁判では彼の無実を擁護したイエズス会士、フランク・ブレナン神父が書いた記事を引用する形で、「ペルを聖人扱いせず、軽蔑もしない者は、豪連邦最高裁が法に従って正義をもたらしたことに感謝すべきです」と述べた。

 「私たちはこのように言うことができるでしょうー豪連邦最高裁は、この裁判で正義が行われることを確認する役割を果たした、と」。そして、この判決にもかかわらず、教会では「(注:聖職者による性的虐待から未成年者を守る)安全対策が継続しており、今後も継続するでしょう」と強調した。「それは、教会の使命の一部であり、首尾一貫したやり方が続けられれば、人々は教会を再び信頼するようになるでしょう」。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

2020年10月17日

・バチカンは豪最高裁の逆転無罪判決を「好意的に受け止め」

(2020.4.7バチカン放送)

 オーストラリアの連邦最高裁判所がジョージ・ペル枢機卿に、未成年性的虐待で有罪とのこれまでの下級審の判決を覆す、無罪判決を下したが、バチカンは、これを「好意的に受け止め」ている。

 バチカン広報局は7日発表した声明で、「教皇庁は常にオーストラリアの司法当局に信頼を置き、同連邦最高裁判所の、ジョージ・ペル枢機卿に対する未成年者虐待の訴えに無罪を告げ、実刑判決を破棄した、全会一致の判決を好意的に受け止めている」と述べた。

 また、「枢機卿は司法当局の判断に自らをゆだねる中で、真理が明らかになることを待ちながら、一貫して無罪を訴えていた」とし、この機会に、未成年者に対するあらゆる虐待の防止と追及に取り組むバチカンの姿勢を改めて強調した。

(編集「カトリック・あい」)

2020年10月17日

・豪の連邦最高裁判所がペル枢機卿に逆転無罪判決、釈放へ(Crux)

(2020.4.7 Crux Christopher White)

 ニューヨーク発ーオーストラリアの連邦最高裁判所が7日、未成年性的虐待で訴えられ、下級審で有罪判決を受けていたジョージ・ペル枢機卿(元メルボルン大司教、前バチカン財務事務局長官)に対し、有罪判決を無効とする判断を下した。

 ペル枢機卿は一昨年12月に同国の陪審裁判で有罪と判断され、昨年3月に6年の刑を宣告された後、不服として控訴したビクトリア州最高裁判所からも昨年8月に棄却を言い渡され、さらに連邦最高裁判所に上告していた。

 有罪判決を無効とする決定は、スーザン・キーフェル裁判長が、公判を担当した7人の裁判官を代表して、7日朝発表し、「当裁判所は、証拠全体について合理的に対応するはずの陪審員団は、被告が有罪とされたそれぞれの容疑に関する被告の有責性について、疑問を抱くべきであったと判断し、有罪判決は無効」と述べた。

 新型コロナウイルスの世界的感染による影響を受け、判決の言い渡しは、ブリスベンのほとんどだれもいない法廷で行われ、被告のペル枢機卿も、彼の支援者や聖職者による性的虐待被害者たちの姿もなかった。メルボルン近郊のバーウォンの刑務所に収監されているペル枢機卿は、8日には釈放されるとみられる。

 英語圏のカトリック教会で最も強力な教会指導者の1人とされていたペル枢機卿は、最初に有罪判決を受けた後、これまで400日以上を刑務所で過ごしてきた。

 枢機卿は2017年6月、メルボルン教区の大司教だった1996年12月にさかのぼる「歴史的な性的暴行」の罪でオーストラリア警察から起訴された。そして、13歳の聖歌隊をオーラル・セックスで強姦し、聖パトリック大聖堂の聖域内の別の聖歌隊の前で自分の性器をさらした容疑でメルボルン地方裁判所で一昨年12月に陪審員の評決で有罪とされ、さらに控訴審でも有罪とされた。

*「有罪と判断するに足る証拠なしに、無実の人を有罪にした可能性」と最高裁

 だが、公判で、検察側は、現在30代になっている聖歌隊の被害者1人の証言に大きく頼っていた。証人となるべきもう一人の元聖歌隊員は2014年にヘロインの過剰摂取で死亡していた。被告の枢機卿はどの公判でも証言台には立たず、その意向を受けた弁護団は一貫して無罪を主張し続けてきた。

 逆転無罪を言い渡した高等裁判所での公判で主な争点になったのは、日曜のミサ後に枢機卿が大聖堂の聖具室で聖歌隊員二人といた(検察側が主張する)5,6分の間に性的虐待をする余裕があったか否かだった。これについて、弁護団は、枢機卿にはミサ後に信徒たちと挨拶を交わす習慣があり、そのことに時間を割かれるので、虐待する時間があったとは考えられない、そもそも、枢機卿は行動する場合、少なくとも一人の助祭を帯同する、と反論していた。

 豪連邦最高裁判所は7日、逆転無罪判決について、「有罪と判断するに足る証拠がなかったにもかかわらず、無実の人を有罪とした、重大な可能性がある」と説明した。

*逆転無罪のペル枢機卿は「正義は真実にあり」と

 ペル枢機卿の裁判は、過去3年にわたって、オーストラリアと世界のカトリック関係者の大きな関心を集めてきた。彼の支持者たちは「彼は、聖職者による未成年虐待問題のスケープゴートされた」「彼の保守的な道徳観と、重大な性的問題行為の罪を犯した指導者たちを支援してきた組織の代表として彼を批判してきた批評家たちのために罰せられたのだ」と訴えていた。

 枢機卿は2017年からオーストラリアに戻っており、教皇から2014年に任命されていたバチカンの経済事務局のポストを休職扱いとされた。最終的な処遇は、バチカンはオーストラリアの司法制度を尊重しつつ、彼の処遇は、裁判所の最終的な判断を待って、本人に判断させる、との立場を取っていた。

 過去30年、英語圏のカトリック世界で最も著名な、そして時に評価が大きく分かれた人物の1人であるペル枢機卿は、枢機卿団のメンバーであり続けているが、刑務所からの出た後、正式な資格でローマに戻ることは期待されていない。

 枢機卿は、連邦最高裁の判決を受けて簡単な声明を出し、「自分を告発した者に対して悪意は抱いていない。正義の唯一の根拠は真実にあります」とし、「私の裁判はカトリック教会の”国民投票”ではなかったし、オーストラリアの教会の責任者たちが教会での小児性愛の犯罪にどう対処したかに関する”国民投票”でもなかった」と述べたうえで、 「私がこれらのひどい犯罪を犯したかどうかがポイントでしたが、私はそのようなことをしなかった」と強調した。

 

*オーストラリア司教協議会会長は「裁判が終わっても、性的虐待への教会の姿勢は変わらない」

 オーストラリア司教協議会のマーク・コールリッジ会長(大司教)は7日発表した声明で「本日の結果は、これまでずっと枢機卿の無実を信じてきた人を含む、多くの人に歓迎されるでしょう」と述べる一方、「最高裁の判決は、その他の人々にとって手痛いものになるでしょう」と枢機卿の行為を批判してきた性的虐待被害者たちの思いへの配慮を示した。そして、「多くの人は、この裁判の過程で大きな苦しみを味わいました。それが今、終わろうとしています… 今日の結果は、児童の安全にについての、そして児童性的虐待の被害者、犠牲者への正義と思いやりある対応についての、教会の確固とした姿勢を変えるものではありません」と言明した。

 

*ペル枢機卿の後任者、シドニー大司教は「枢機卿の無罪確信は誤りではなかった、司法制度反省を」

 また、ペル枢機卿が13年にわたって教区長を務めたシドニー教区の後任、アンソニー・フィッシャー大司教は同日の声明で、無罪判決を歓迎し、「枢機卿は常に無実を主張してきました。今日の判決は、彼の確信が誤りでなかったことを確認するものです」と述べた。そして、カトリック教会の聖職者の性的虐待への対応における過去の過ちを認め、そうした過ちが教会に対する人々の怒りを助長させたことも認めたが、最高裁の判事たちが事実の「綿密な」審査を行ったことを賞賛し、今回の判決によって、枢機卿に対する追求は終結した、との判断を示した。。

 さらに、「この裁判は、ペル枢機卿に関する裁判であっただけでなく、私たちの国の法制度と文化に関する裁判でもありました」とし、 「本日の枢機卿の汚名を晴らす決定は、私たちの国の司法制度への幅広く反省し、無罪の推定(注:有罪判決が確定するまでは、何人も犯罪者として取り扱われない権利を有すること)を守り、そして注目を浴びる告発者を慎重に扱うよう、人々に求めています」と主張した。

 

*メルボルン大司教は「原告、枢機卿、全ての性的虐待被害者のために祈り、被害者への特別のケアを」

 ペル枢機卿はメルボルン教区長も2001年まで5年間務めたが、現在の教区長のピーター・コメンソリ大司教は、教区の信徒、司祭、修道者にあてた手紙で、枢機卿の裁判期間中、非常に多くの人々が、激しい苦痛に満ちた時を過ごした、としたうえで、「訴訟に個人的に関与した人々だけでなく、性的虐待の傷口が再び開かれ、むき出しにされた人々もです」と強調した。

 そして、裁判で「J」とされた虐待被害者の尊厳と彼が法に訴える権利を、枢機卿と彼がオーストラリアの司法制度のあらゆる定めを活用する権利-それによって無罪となったーとともに尊重すると言明。「この裁判で唯一、審理されたのは、ペル枢機卿が特定された卑劣な犯罪を犯したかどうかであり、彼は今、無罪となりました。これは、教会当局が性的虐待をどのように扱うか、という幅広い問題に関するものではありません」と述べたうえで、「にもかかわらず、カトリック司祭による性的虐待についての象徴的なストーリーを、この裁判で人々が目にしたことについても十分に理解しています… この裁判は、信仰を持っている人々に、強い精神的な疲労をもたらしました」ことを認めた。

 大司教はまた、未成年者の保護と聖職者の性的虐待の被害者の話を聞くことへの取り組みを再確認し、「J」と呼ばれた原告、ペル枢機卿、彼らの家族、すべての性的虐待被害者のためにともに祈り、全ての人への神の愛を中心に置いた教会の建設に取り組み、最も弱く、最も脆弱な、最も傷ついた人々に特別のケアと配慮をするように、教区の人々に求めた。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

 

2020年10月17日

・「神父による性暴力被害者の会」設立-必要な司教団の真剣な対応(評論)

(2020.6.22 カトリック・あい)

 カトリック教会に半世紀以上も籍を置いて来た者として、このような評論を書かざるを得ないのは、残念であり、情けない、としか言いようがない。教会上層部に多くの愛読者を持つはずの朝日新聞や共同通信、NHKなどが21日までにデジタル版などで報道した「カトリック神父による性暴力被害者の会」の設立である。

*「被害者の会」設立は、教会の誠意を欠いた対応への苛立ちの表われ?

 司祭による性暴力を受けた被害者やその関係者たち約40人が参加して21日、長崎市で集会を開き、問題に対するカトリック教会の対応が不十分と判断、第三者委員会による調査、加害者の氏名公表、処分と被害者へのケア、補償を求め、「被害者に配慮した社会形成の一歩にする」ことを目的に「被害者の会」を発足させた。

 会の中心になった竹中勝美さんは、20年近く前から、自身が幼少期に受けた性的虐待被害について、加害者が属していた修道会や司教団の代表に調査と結果公表、責任の明確化を訴えてきた。だが、いっこうに進展がなく、一昨年に自身の名前を明らかにして、虐待の経緯を公表、昨年3月号の「文芸春秋」の調査報道記事に登場して責任ある対応を繰り返し求め、同年4月に東京で開かれた「虐待被害者の集い」でも、同様の訴えをした。

 この集いには、司教団の代表であるカトリック司教協議会の高見三明会長・大司教も参加し、「私たちが十分なことをできず、苦しい思いをさせていることを本当に申し訳ないと思っている」と竹中さんに謝罪、「世界で起きている様々な性的虐待に教会は立ち向かっていかねばならない。世論を高め、専門的な知識を結集して、改善に取り組みたい」と約束していた。

 21日の「カトリック神父による性暴力被害者の会」設立は、高見会長が「謝罪」し、具体的な対応を約束したにもかかわらず、目立った進展がみられず、ほとんど”空手形”に終わっていることに対する、深い失望と苛立ちの表われではなかろうか。

 

*「性的被害者のための祈りと償いの日」から一か月遅れた司教協議会会長名の調査結果公表

 「カトリック・あい」は、今年3月13日の日本のカトリック教会の「性虐待被害者のための祈りと償いの日」にあたって掲載した解説で、(司教団の)中央協議会のホームページをみても、国内16教区のうち9つの教区でミサや祈りの集いなど行事予定だけで、司教協議会から何のメッセージもないこと、昨年5月から司教協議会は始めた児童性的虐待の過去と現在の状況に関する調査の結果もいまだに明らかにされないこと、などを指摘し、教皇が世界の教会に強く求めている「聖職者による性的虐待に対する行動を伴った徹底的な反省と信頼回復」には程遠い実態を批判、反省を求めた。

 調査結果が高見会長名で公表されたのは、それから一か月後の4月7日、文書の日付だけは何故か、「3月13日、聖虐待被害者のための祈りと償いの日」となっていた。

 その内容を見ると、「本調査の目的は、日本の教会が未成年者への性虐待に関する対応についての実態を把握し、今後の対策を検討すること」としているものの、「教会という密接な関わりをもつ共同体の中での犯罪は、被害者が声を上げるのが難しく、「今回調査においての該当件数も、言葉にできた勇気ある被害者の数であり… 性虐待・性暴力全体の被害者の実数は把握しきれない」「事実確認の段階で被疑者が否認や黙秘をしている場合は、教区司教や頂上による謝罪で終わるなど、消極的な対応事例も少なくない」と言い訳のような表現が目立つ。

 

 

*未成年被害訴えは16件、加害否認5件、不明7件。対応は聖職停止2件、「異動」が8件

 そして、肝心の調査結果はと見ると、未成年性的虐待の被害訴えは16件。虐待を否認したものが5件、認めたものが4件、不明が7件。第三者委員会による調査が1件、教会裁判が一件だが、いずれも黙秘か否認。否認した5件のうち、3件には第三者委員会による対応がなされず、内部の対応にとどまった。肝心の処分は、聖職停止が2件に過ぎず、退会1件、日本内外への異動で済ましたのが8件。それ以外は不明、という。現在、加害の事実を否認して、訴えのあった教区で司牧を続けている者が2人もいる。

 

*「前任者からの引き継ぎ無し」「処分を守らない者がいる」「処分が軽く、真の回心、償いに結び付いていない」

 さらに、調査で明るみに出た問題として、「これまで2002年、2012年の調査の内容の事例に関し、当該教区すべてにおいて前任者からの引き継がされなかった」「(性的虐待に関して)処分中にもかかわらず、それを守らずに活動していた聖職がいた… 処分そのものが、制限を設けることや単なる有期的な制裁(活動停止など)にとどまっており、加害聖職者の真の回心や償いに結び付いていない」などが挙げられている。

 調査結果は「今後も、課題解決に向け、修道会・宣教会と協力して取り組み、教育機関、関連施設を含む教会内の性虐待・性暴力の根絶に向けて努力する」とあるが、以上のような内容を見る限り、さっぱり説得力がなく、誠意が見えない。真摯な反省も感じられず、被害者のケアを含めて、問題解決に、誠実に取り組んでいこうとする気概がうかがえない。このような消極的な姿勢を見せつけられては、いくら各教区に相談窓口を物理的に作ったところで、被害者が問題解決への希望と信頼を持って出向くことは考えられないだろう。

 21日の集会には、竹中さんのほか、仙台の看護婦の方からも、配偶者の暴力について相談した司祭から性的暴力を受けた経験が語られ、「真実を話すのはおぞましく、どうしていいか分からなかった」(共同通信)との訴えがあった。この言葉からも、教会の心無い対応へのいら立ちが感じられる。

 

*長崎教区の成人女性の被害訴えへの対応も具体的説明なく…

 この長崎市、高見大司教が教区長を務めるお膝元でも、未成年ではないが50代の女性の被害訴えが最近明らかになっている。

 昨年11月の教皇フランシスコ来日の直前、時事通信が「長崎県のカトリック信徒の女性が、司祭にわいせつな行為をされ、長崎教区に訴えた… 教区は司祭の職務を停止したが、信徒たちには『病気療養中』とだけ説明。女性は心身性ストレス障害(PTSD)で長期入院を余儀なくされた… この問題への見解、対応もいまだに公にされていない」と報じた。

 教皇離日後の27日に会見した長崎教区は、「大変深刻に受け止めている」とし、警察の捜査の推移も見ながら、状況に応じて発表や会見をする予定、と説明。問題の司祭は、強制わいせつ容疑で今年2月に長崎地検へ書類送検された後、4月16日、理由が明らかにされないまま、不起訴処分となった。だが、教区はNHKの取材に「不起訴になった経緯は把握していないし、捜査機関でもない教区で、これ以上の調査は出来ず、事実確認は難しい… (女性から相談があったのは事実で)女性と関係者におわびし、これからも誠実に対応したい… 司祭に対してはしかるべく対応する」と極めて形だけのあいまいな対応に終始したようだ。

 21日の集会には、この女性も登壇し、約17年にわたって家族ぐるみの付き合いをしていた司祭から一昨年5月に性被害を受け、PTSDを発症したこと、警察に被害届を出す際に、教区の司祭から、取り下げを求められたり、親身になって相談を聴いてくれた窓口の職員が教区事務局内部で非難されたこと、などを明らかにし、「教会は、加害神父を守っている。被害者の気持ちになって」と訴えた(朝日新聞)という。

 自らの教区で起きた問題に、日本の司教団のトップとして、聖職者による性的虐待への対応の模範となるような行為がなぜできないのか、首をかしげたくなるのは、筆者だけではないだろう。

 

*欧米などと桁違いの”少なさ”が安易な対応の原因か?新型ウイルスへの対応はどうなのか。

 聖職者による未成年を含めた信徒たちへの性的虐待と高位聖職者による隠ぺいの問題は、欧米を中心としたカトリック教会の信用に大きなダメージを与え続け、教会のミサに出る信徒の減少、賠償金を払いきれずに破産する教会の続出など、いまだに解決のめどが立っていない。たしかに、何千と言う被害者を出し、枢機卿などまで関与して裁判になる海の向こうの国々に比べれば、日本の被害は、確実なことは不明だが、桁違いに小さいのかもしれない。だが、それが、これまで見てきたような、誠意を欠いた、形ばかりの、安易な対応を、教会自らが容認する背景にあるとすれば、見当違いも甚だしい、と言わざるを得ない。

 このことは現在も終息の気配が見えない新型コロナウイルスの世界的大感染を連想させる。アメリカやブラジル、ロシア、そして欧州などの感染者、死者とくらべれば、日本は桁違いに少ない。だからといって、気を抜けば、第二波、第三波の感染爆発を招きかねず、安易な対応は許されないし、政府も自治体も、経済活動や雇用などへのダメージを最小限にとどめつつ、感染拡大防止の努力を具体的に続けている。

 聖職者による未成年性的虐待問題も、これまでのような対応を続けて行けば、教会の指導者たち、そして教会そのものの、信用失墜、困難に満ちた現代社会に希望と勇気の火をともす役割から遠ざかることになりかねない。

 今回の「カトリック神父による性暴力被害者の会」の設立は、そのための警鐘と受け止め、教会として、そして何よりも司教団として、信頼回復につながる誠実で具体的な取り組みのきっかけとすることを望む。”不都合な真実”は黙ってやり過ごす、これまで教会にありがちだった態度は、改めねばならない。

(「かとりっく・あい」南條俊二)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【参考】NHK 長崎 6月22日放送

 

 カトリック教会の聖職者による性的虐待が国際的な問題となる中で、国内の被害を訴えようと21日、信者らが長崎市で集会を開き、被害者の会を設立しました。

 

集会は、自身も子どものときに被害に遭った東京都に住むカトリック信者の竹中勝美さんが呼びかけて開かれ、この中で、被害者の声をあげやすくするために「カトリック神父による性虐待を許さない会」を設立することを決めました。

集会には、おととし長崎市内の教会の施設内で、神父にむりやり体を触られたなどと被害を訴えた女性も参加し「トラウマでいつパニックになるかわからない状態です。教会にはもっと被害者の気持ちを考えてほしい」と訴えました。

カトリック教会の聖職者による性的虐待は国際的な問題となっていて、日本カトリック司教協議会の調査によりますと、国内では1950年代からことし2月末までに16件の被害が報告されているということです。

 集会を開いた竹中勝美さんは「次の被害者を出さないためには被害を訴えた信者の勇気ある行動を尊重してほしい。そして、被害者を決して排除しないでほしい」と話していました。今後、竹中さんたちは再発防止を求め、カトリック中央協議会に対し被害の実態調査を行うよう働きかけていくということです。

 

被害者の会を設立した、竹中さんは「宗教というのはその人の人生、生き方そのものでその指導者は絶対的な存在です。そうした立場の人から性的虐待を受けるというのは自分の存在そのものを否定されるようなものでなかなか声にできない」と指摘しました。そのうえで、「どのような職場、教会でも立場の差があるところには性的虐待のリスクは潜んでいる。そのときに、被害者の訴えに疑いを持つのではなく、勇気ある行動を尊敬し、次の被害者を出さないために排除しないようにしてほしい」と訴えました。

2020年10月17日

・日本の司教団が昨年実施の「聖職者による未成年者への性虐待の対応に関するアンケート」の結果発表+解説

(20204.8 カトリック・あい)

 日本のカトリック司教協議会が昨年実施した「聖職者による未成年者への性虐待の対応に関するアンケート」をまとめ、「調査報告と課題」として、4月7日の中央協議会ホームページに掲載した。

 それによると、2020年2月末日の時点で全16教区ならびに全40の男子修道会・宣教会、55の女子修道会・宣教会から回答を得た。その結果、「聖職者より性虐待を受けた」とされる訴えは16件が報告され、内訳は1950年代1件(女子)1960年代5件(女子1件、男子3件、不明1件)1970年代1件(男子)1990年代3件(女子2件、男子1件)2000年代3件(女子1件、男子1件、不明1件)2010年代2件(女子1件、男子1件)で、残り1件は被害があったが詳細は不明、としている。

 加害聖職者は、教区司祭(日本人)7名、修道会・宣教会司祭8名(外国籍7名、日本人1名)、他一名は不明(外国籍)。加害を認めた件数が4件、否認した件数が5件、不明が7件。加害聖職者の措置(事件発覚時)は、職務停止は2件に過ぎず、退会も1件のみ。異動で済ましたものが8件(国内外含)、ほか5件は不明という。

 アンケートは昨年5月の司教協議会の定例常任委員会で「児童性虐待に対応するために過去の事例と現在の状況についてのアンケート」として、各教区司教に送付し、昨年6月30日までに回答をもらうことを決めていたが、”再調査”が10月まで、さらに追加調査、となって、実施決定から結果報告まで、一年近くもかかった。報告件数自体が、実際に見聞する実態よりもかなり少ないのではないかと思わせるが、一般社会の常識で判断する限り、16件の中途半端な解明に時間がかかりすぎているのではないか。

 3月13日は、司教協議会が決めたはずの「性虐待被害者のための祈りと償いの日」であり、遅くともその日までには結果が公表され、対応も明らかにされるだろうとみた教会関係者も少なくなかったが、当日までの中央協議会のホームページを見ると、1月31日に同協議会子供と女性の権利擁護のためのデスクがまとめ、その後2月28日に修正した国内各教区の行事予定のみ。この日の主催者であるはずの司教団のメッセージもなかった。

 それが、よりにもよって、教皇フランシスコはじめ世界の教会が新型ウイルスの世界的感染に苦闘している今になって、しかも名義上は公表から一か月も前の「性虐待被害者のための祈りと償いの日」だった「3月13日付け」の、日本カトリック司教協議会会長、髙見三明大司教の名前でのアンケート結果報告公表である。そのセンス自体がいかがかと思わざるを得ないが、果たして、このようなことで、真剣な取り組み、被害者たちが癒されるような取り組み、再発が防止につながる取り組みがなされるのか、疑問を抱かざるを得ない。

 3月13日を振り返れば、教皇フランシスコの全世界の司教団に「性虐待被害者のための祈りと償いの日」を設けることを求める通達を受けて、日本の司教団として「四旬節第2金曜日」をこの日と定め、2017年から開始して、今年は4回目だった。新型コロナウイルスの感染拡大で主な教区での公開ミサや大勢が参加する行事は中止を余儀なくされているのはやむを得ないとしても、それに代わる祈りや反省などを呼びかける手だけはいくらもあったはずだ。

 世界の教会のこの問題での取り組みの遅れを強く懸念した教皇フランシスコは昨年2月に、全世界の司教協議会会長による会議を招集、会議の結果をもとに、各司教協議会に対して「聖職者による性的虐待・隠ぺい防止の新規範」の策定・実施を求める自発教令を出さた。

 これを受けて米国など主要国の司教協議会で新規範の決定するなど、新たな具体的取り組みを始めているが、日本の司教団は、ホームページによると「2002年に日本カトリック司教団として、2012年にデスクとして調査を行っております。しかし、それぞれの調査の目的が異なっていたことから、より正確な調査(現状把握)が必要」として、昨年6月から10月にかけ、司教団として、全教区と全修道会、宣教会に対して再調査を実施し、さらに追加調査をしたはずだった。

 だが、教皇訪日を目前にした昨年11月15日付けの司教協議会の説明で、「教皇訪日に際して、公表の予定はあるかというお問合せが寄せられています。上記のとおり、現在調査を継続しているところですので、教皇訪日に際しての発表は予定しておりません」とわざわざ断ったうえで、「報告できる段階になり次第、カトリック中央協議会のウェブサイトで公表する予定です」としていた。今回の発表まで5か月も経ったわけだ。

 この時の説明では「現在では、全ての教区に対応委員会が設置され、複数の教区にて、相談窓口などのホットラインが設置されています。日本カトリック司教協議会は、今後も様々な課題に対して、一つずつ丁寧に審議を重ね、対応を推進していく所存です」とも述べていた。

 今回の報告でも「本調査によって訴えがあがってこなかった教区・修道会・宣教会においても、『被害がない』という短絡的な捉え方をするべきではない。被害者が安心して声を上げられる環境かどうかを見直し、教会全体として、性虐待・性暴力根絶に向けた、たゆまぬ努力が必要である」としているが、では、具体的にどのような工程表を作り、形だけでない内実を伴った取り組みをしようとしているのか、各教区に何を期待するのか、全く見えてこない。

 この問題に取り組む誠実さ、「まごごろ」が伝わってこない、と感じるのは筆者だけだろうか。改めて、真摯な反省と誠意ある取り組みを、司教団に求めたい。

「調査報告と課題」の全文以下の通り。

・・・・・・・・・・・・・・・

【2019年「聖職者による未成年者への性虐待の対応に関するアンケート」調査報告と課題 日本カトリック司教協議会】

 わたしたち司教団は、2002年以来、日本における「聖職者による性虐待の実態調査」を実施してきました。状況把握の困難や調査方法の不備などのため、報告が大変遅くなりましたが、この度、その結果を公表することにしました。
この機会を借りて、日本のカトリック教会における責任者として、被害者と関係者の方々に深くお詫びいたします。
この調査報告には、教会が抱えている問題、そして今後取り組まなければならない課題が多く含まれており、引き続き、真の実態把握への努力を続けていく所存です。
何よりも、わたしたちはこの結果を真摯に受け止め、このようなことを二度と起こさないよう再発防止に全力を尽くす覚悟です。
皆様方のお祈りとご協力をお願いいたします。

    2020年3月13日 性虐待被害者のための祈りと償いの日 日本カトリック司教協議会会長 髙見三明大司教(長崎大司教区)

はじめに

 2002年に米国ボストン教区で明るみに出た聖職者による性虐待事件をきっかけに、日本カトリック司教団は「子どもへの性的虐待に関する司教メッセージ」1)を発表し、日本における聖職者による性虐待問題に対応するべく、「司教のためのガイドライン」2)を作成するためのプロジェクトチームならびに子どもと女性の権利擁護のためのデスク(以降、デスクと記す)を立ち上げた。デスクの大きな役割は、ガイドラインに基づいた仕組みづくりと啓発活動である。

 本来、聖職者による性虐待・性暴力の事例は、個々の教区・修道会・宣教会が、その訴えに対して責任を持って対応しなければならない。修道会・宣教会の事例においては、事例に関連する教区の司教に報告を上げ、教区司教は、訴えに関する調査を迅速に行うよう努め、促し、性虐待事例に限って聖座へ報告を行うという手順を踏む。日本においては、聖座への報告と同時に、司教協議会会長への報告を行うよう定めている。現時点では、司教協議会会長への報告が日本の司教協議会への報告(司教団全体が把握する)を意味するものではない。

 デスクは、ガイドラインの更新、聖座の方針や日本のカトリック教会における対応姿勢などを共有するためのマニュアル3)づくり、各教区における体制づくりを、常任司教委員会や司教総会の審議を経て、司教団のもとに進めている。今回の調査では、調査票の作成、データの取りまとめ等を担当した。

 今回の調査は日本のカトリック教会における「聖職者による未成年者への性虐待」に限ったものである。性虐待は、リアルタイムで件数として上がってくることは少ない。被害者は、自分が被害を受けたことを認識するまでに時間がかかることや、加害者から口止めをされることなどがその理由である。

 また性犯罪は、暗数の多い犯罪でもある。とくに教会という密接なかかわりをもつ共同体の中での性犯罪は、被害者が声を上げることがより難しい。公的機関での公表件数然り、今回の調査においての該当件数も、言葉にできた勇気ある被害者の数であり、氷山の一角にすぎない。今もなお声を上げられない人がいる可能性は大きく、性虐待・性暴力全体の被害者の実数は把握しきれない。

 よって、本調査によって訴えがあがってこなかった教区・修道会・宣教会においても、「被害がない」という短絡的な捉え方をするべきではない。被害者が安心して声を上げられる環境かどうかを見直し、教会全体として、性虐待・性暴力根絶に向けた、たゆまぬ努力が必要である。

Ⅰ アンケート調査概要

 2019年5月、教皇フランシスコの意向を受け、司教協議会会長(髙見三明大司教)は全16教区司教に向けて、「未成年者への性虐待の対応に関するアンケート」を実施した。本調査の目的は、日本の教会が未成年者への性虐待に関する対応についての実態を把握し、今後の対策を検討することである。なお、より正確な状況を把握するため、2019年10月に40の男子修道会・宣教会、77 の女子修道会・宣教会に向けても、同様の追加調査を行った。
質問内容は、事例内容の報告(事件発生・発覚時期、被害時の年齢、申告や相談方法、被害内容・対応・結果、加害聖職者(被疑者)の氏名・認否・処分・現在の状況など)、前任者から後任者への事例の引き継ぎの有無、書類保管の状況についてである。

Ⅱ アンケート調査結果

 2020年2月末日の時点で、全16教区ならびに全40の男子修道会・宣教会、55の女子修道会・宣教会から回答を得た。その結果、「聖職者より性虐待を受けた」とされる訴えは、16件報告された。
いずれのケースも、個々の教区・修道会・宣教会の名前と件数は、被害者個人の特定につながるため、公表しない。

1.不明事例について

 不明な点が多い事例について再調査を求めたが、①事件当初より長い年月を経ており、幼少期に性虐待を受けた事実以外特定ができない ②特定できたとしても、現時点で被害者ならびに被疑者が高齢であり、病気や認知症を患っている ③被疑者が死亡している、などの理由で確認が困難であった。これらは、事例の報告、引き継ぎに関する取り決めがなされていなかったことに起因する。

2.被害者について

  1. ①性虐待事件が起きた年代と被害者の性別について

    1950年代に1件(女子)、1960年代に5件(女子1件、男子3件、不明1件)、1970年代に1件(男子)、1990年代に3件(女子2件、男子1件)、2000年代に3件(女子1件、男子1件、不明1件)、2010年代に2件(女子1件、男子1件)の被害があったと報告がなされ、ほか1件は被害があったが詳細は不明である。

  2. ②被害当時の年齢について

    被害時の年齢としては6歳未満が1件、6~12歳が5件、13~17歳が6件、4件が不明である。

  3. ③事件の訴えについて

    被害にあった時から訴えるまでの期間が、最も早くて半年以内、10~30年後が最も多く、50~70年後という長い年月を経て、重い口を開く形になっている。

    多くの事例は、家族や信頼のおける教会関係者からの相談によって、また自らが大人になり、消しがたい苦悩として、教区または修道会・宣教会に訴えがなされている場合が多い。

  4. ④対応について

    多くの事例で、訴えた被害者(関係者含)と当該教区司教(または当該修道会・宣教会の長上)との話し合いが持たれていた。

    被疑者が加害を認めた場合は、被害者の意向に沿う形の対応を行っており、その多くが示談または和解という形が取られていた。

    一方で、事実確認の段階で被疑者が否認や黙秘をしている場合は、教区司教や長上による謝罪で終わるなど、消極的な対応事例も少なくない。

3.加害聖職者(被疑者)について

  1. ①加害聖職者の所属について

    教区司祭(日本人)が7件、修道会・宣教会司祭(外国籍7件・日本人1件)が8件、1件が不明(外国籍)である。

  2. ②加害の認否について

    加害を認めた件数が4件、否認した件数が5件、不明が7件である。

     否認した場合に第三者委員会による調査が入った件数が1件、教会裁判にかけられた件数が1件に留まり、そのいずれも黙秘または否認の状態であった。なお否認の場合に第三者委員会を立てなかった3件は、いずれも内部の対応に留まっている。

  3. ③加害聖職者の措置(事件発覚時)について

    聖職停止が2件、退会が1件、異動が8件(国内外含)、ほか5件は不明となっている。

  4. ④加害聖職者の現在の状況について

    死亡が4件、還俗が2件、他教区異動が3件、同教区内にて司牧が2件(加害否認)、病気療養が1件、不明が4件となっている。

Ⅲ 結果を踏まえての反省と課題

1.国家法の遵守

 性虐待は、児童虐待に該当する犯罪である。児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合は、児童福祉法第25条4)の規定ならびに児童虐待の防止等に関する法律第6条5)に基づき、すべての国民に、通告する義務が定められているため、児童相談所または各自治体の福祉事務所、警察などに通告を行い、児童虐待防止に資することが必要であるという認識を共有しなければならない。
教皇フランシスコ自発教令形式による使徒的書簡『あなたがたは世の光である』6)(以降『あなたがたは世の光である』と記す)第19条にも、国家法の遵守が明記されているが、今回の調査では、年代の古い事例も含まれており、国家法に基づいた通告事例は見られなかった。

2.報告義務の徹底

  1. ①当該教区司教への報告

    今回の調査で、修道会・宣教会の性虐待事例について、新たに教区司教へ報告された事例もある。事例が発覚した場合は、教区司教への報告を徹底する必要がある。なお、修道会・宣教会本部から本部所在地の教区司教に報告された事例もあるため、事例が発生した土地の教区司教へ報告することを確認する。

  2. ②聖座への報告

    聖座への報告については、『あなたがたは世の光である』第3条に基づき、地区裁治権者への報告義務ならびに聖座への報告義務が課せられるため、それに基づいて対応する必要がある。なお、日本においては、聖座への報告と同時に、司教協議会会長への報告(マニュアル7)参照)も行わなければならない。

3.第三者委員会の設置と招集の徹底

 今回の調査では、4件が加害を認め、5件が否認、不明が7件となっている。否認した件数のうち、第三者委員会にかけられた事例は1件、教会裁判にかけられた事例が1件のみである。
被疑者が加害を否認した場合には、必ず第三者委員会を立ち上げ、被害者の訴えを確認し、加害の有無を判断しなければならない。
なお、第三者委員会は、被害者に立証を求め、合意の有無を確認するなど一般的な裁判の暴行・脅迫要件の基準だけで、加害の有無を判断してはならない。そのためにも第三者委員会構成員には慎重な人選が求められる。

4.司教(長上)による事例の引き継ぎと共有

 今回の調査で、2002年ならびに2012年の調査内容の事例に関する引き継ぎは、当該教区すべてにおいて「前任者からの引き継ぎがなかった」という結果だった。
性虐待に限らず性被害の事例は、今後の加害聖職者の動きを把握するためにも、前任者から後任者への引き継ぎが必須である。たとえ前任司教(長上)からの引き継ぎがなくても、データ保管を確実にして、後任司教(長上)がそのデータを確認できるようにする必要がある。
これらの事例の引き継ぎや共有の徹底は、再発防止ならびに被害拡大防止の点からも重要な意味を持つ。

5.加害聖職者の教会内における処分

 マニュアル8)に示されているとおり「当該聖職者の法的・倫理的責任を明確にし、事件の再発の可能性がある職務からはずし、子どもと接する機会がないような措置を講じる。場合によっては聖職停止処分とする。また重大なつまずきになる場合には、還俗を勧めたり、聖職者身分から追放することもありえる」という項目を遵守しなければならない。

 今回の調査事例では、処分中にもかかわらず、その条件を守らずに活動している聖職者がいたことが報告された。司教ならびに長上は、処分そのものが「制限を設けること」や「単なる有期的な制裁(活動停止、蟄居のような謹慎処分)」に留まっており、加害聖職者の真の回心や償いに結びついていないという現実を受け止め、加害者の処分について検討し、再発防止に努めなければならない。

 なお司教団としても、加害聖職者の処分について再考すると同時に、カウンセリングや医療的な治療の実施、霊的同伴を含めた包括的な更生プログラムを検討する必要がある。

6.被害者への配慮

 『あなたがたは世の光である』第5条によると、教会権威者(教区司教、修道会・宣教会長上)は、被害を訴えた人が、その家族とともに、尊厳と敬意をもって扱われるように努めることや、被害者への寄り添い、精神的な支援、個々の事例に応じた医学上、治療上、心理学上の支援を提供することが明示されている。

 被害者の全人的痛み(心理的・身体的・社会的・霊的傷つき)を重く受け止め、本人が希望する支援の提供を行うことができるよう対応する必要がある。また、たとえその時点で本人が支援を求めなかったにせよ、その後、援助が必要になった際はいつでも受け付けられるような配慮が必要である。

おわりに

 今回の調査報告における当該教区・修道会・宣教会は、新たに第三者による検証委員会を設置する。この検証委員会は、事例対応が適正に行われたかどうかを精査し、当該教区司教より原則6か月をめどに、司教協議会会長に報告する。

 なお本調査の対象は、あくまでも未成年(18歳未満)に対しての性虐待についてであったが、『あなたがたは世の光である』では、その適用範囲が「弱者(脆弱な大人)」を含むとなっているため、具体的な事例に基づき、性暴力に関しても考え、マニュアル等に反映させていく。

 今後も以上の課題解決に向けて、修道会・宣教会と協力して取り組み、教会内(教育機関、関連施設含)の性虐待・性暴力の根絶に向けて努力する。

  • 各教区の相談窓口は下記のURLをご参照ください。

    子どもと女性の権利擁護のためのデスクサイト

    http://catholic-cwd.jp/diocese/

2020年10月17日

(解説)3月13日は日本のカトリック教会の「性虐待被害者のための祈りと償いの日」だが…

(2020.3.13 カトリック・あい)

 13日に日本のカトリック教会は「性虐待被害者のための祈りと償いの日」を迎えた。だが、中央協議会のホームページを見ると、1月31日に同協議会子供と女性の権利擁護のためのデスクがまとめ、その後2月28日に修正した国内各教区の行事予定のみ。主催者であるはずの司教団のメッセージもない。

 教皇フランシスコの全世界の司教団に「性虐待被害者のための祈りと償いの日」を設けることを求める通達を受けて、日本の司教団として「四旬節第2金曜日」をこの日と定め、2017年から開始して、今年は4回目だ。新型コロナウイルスの感染拡大で主な教区での公開ミサや大勢が参加する行事は中止を余儀なくされているのはやむを得ないとしても、それに代わる祈りや反省などを呼びかける手だけはいくらもあるはずだ。

 世界の教会のこの問題での取り組みの遅れを強く懸念した教皇フランシスコは昨年2月に、全世界の司教協議会会長による会議を招集、会議の結果をもとに、各司教協議会に対して「聖職者による性的虐待・隠ぺい防止の新規範」の策定・実施を求める自発教令を出さた。

 これを受けて米国など主要国の司教協議会で新規範の決定するなど、新たな具体的取り組みを始めているが、日本の司教団は、ホームページによると「2002年に日本カトリック司教団として、2012年にデスクとして調査を行っております。しかし、それぞれの調査の目的が異なっていたことから、より正確な調査(現状把握)が必要」として、昨年6月から10月にかけ、司教団として、全教区と全修道会、宣教会に対して再調査を実施し、さらに追加調査をしたはずだった。

 だが、教皇訪日を目前にした昨年11月15日付けの司教協議会の説明で、「教皇訪日に際して、公表の予定はあるかというお問合せが寄せられています。上記のとおり、現在調査を継続しているところですので、教皇訪日に際しての発表は予定しておりません」とわざわざ断ったうえで、「報告できる段階になり次第、カトリック中央協議会のウェブサイトで公表する予定です」としていた。しかし、それから4か月を経過した今も、報告の絶好のタイミングであるはずの13日の「性虐待被害者のための祈りと償いの日」を迎えた段階でも、何の音さたもない。

 この時の説明では「現在では、全ての教区に対応委員会が設置され、複数の教区にて、相談窓口などのホットラインが設置されています。日本カトリック司教協議会は、今後も様々な課題に対して、一つずつ丁寧に審議を重ね、対応を推進していく所存です」とも述べていたが、本当に「一つずつ丁寧に審議を重ね、対応を推進」しているのか、全く見えてこない。

 そもそも、調査は、昨年5月の司教協議会の定例常任委員会で「児童性虐待に対応するために過去の事例と現在の状況についてのアンケート」として、各教区司教に送付し、昨年6月30日までに回答をもらうことを決めていたものだ。それが、”再調査”が10月まで、さらに追加調査… というわけだ。

 昨年2月の全世界司教協議会会長会議に日本の代表として出席した高見三明・司教協議会会長(長崎大司教)は、帰国2か月後の昨年4月に東京で開かれた「施設内虐待を許さない会」主催の「カトリック神父の子どもへの性虐待! 日本でも」と題する集会に参加。その席で、有力月刊誌「文芸春秋」の昨年3月号の調査報道記事「カトリック神父『小児性的虐待』を実名告発する “バチカンの悪夢”が日本でもあった!」で実名を明らかにしていた性的虐待被害者の男性に面前で謝罪するとともに、国内の実態調査を全国16の司教区で開始することを決めたことを明らかにしていた。

 高見会長は当時、「世界で起きているさまざまな性的虐待に教会は本来立ち向かっていかなければいけない。世論を高め、専門的な知識を結集して、改善に取り組みたい」とも語っていたが、それから一年近く経った今も、国内の一般信徒を含む関係者に、そのような決意を示し、協力を求めるようなメッセージは届いていない。

 さらに、教皇フランシスコの訪日前日の11月22日には、時事通信が「長崎大司教区で、女性信徒が性被害訴え。神父処分も公表せず」と伝えた。「長崎県のカトリック信徒の女性が『神父に体を触られるなど猥褻な行為をされた』などと性的被害を訴えていることが関係者への取材で分かった。長崎大司教区は問題の神父の聖職を停止したが、教区の信徒たちに処分を公表せず、不在の理由を『病気療養中』とだけ説明しいる」とし、「女性は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、長期の入院を余儀なくされた。神父は面会した教区幹部に『女性や教会に大変な迷惑を掛けた』と話したが、時事通信の取材には『何も申し上げられない』と答えたという」としていた。”当然”のことながら、この問題への見解、対応もいまだに公にはなされていない。

 昨年秋、「カトリック・あい」で次のように書いた。その時の思いは、残念ながら、今も変わらない。

 教皇が全世界の司教協議会に求めている性的虐待・隠ぺい防止の新規範を日本がまとめるのはいつのことになるのだろうか。

 対応の遅さの背景には、関係者の「事を荒立て、余計な不安と動揺を信徒に与えたくない」という”隠蔽”体質と、「日本社会では欧米のように同性の幼児や少年に対する性的虐待は極めてまれ。教会内部ではほとんどあり得ない」という安易な思いがあるように感じる。

 では、同性の幼児や少年に対する性的虐待でなければ、それ以外の性的な不適切行為には目をつぶってもいいのか。そうではないはずだ。聖職者の独身制は教会法にも規定されており、その「独身制」は単に結婚しなければいい、というものではなく、貞潔を守らねばならないことを意味する、厳しいものだ。そのような”聖職者”が信徒の教会への信頼を損なう例は、日本でも少なくないと思われる。

 実際に筆者が確認している限りでも、そのような”聖職者”が二人いる。そのうちの一人は、神学校に在籍中に不適切行為を繰り返し、何度か警告を受けても辞めることがなかったため、所属の東京教区から絶縁されたものの、他教区の司教から「俺のところに来い。面倒を見てあげる」と言われて(本人から直接筆者が聞いた)その教区に移り、叙階に至ったものの、またしても、不適切行為を繰り返したが、その司教は某大司教に昇格、転出し、後任司教が頭を抱えている、と聞いている。

 教皇の強い思いをしっかりと受け止め、すみやかに真摯な対応を取ることが望まれる。

(「カトリック・あい」南條俊二)

・・・・・・・・・・・

(参考)2020年度 性虐待被害者のための祈りと償いの日 関連行事  宗教法人カトリック中央協議会 子供と女性の権利擁護のためのデスク

                    (中央協議会ホームページ 投稿日 : 2020年1月31日 

2020年度の「性虐待被害者のための祈りと償いの日」は、2020年3月13日(金)です。それにともない、各教区では以下の行事が開催されます:

■札幌教区 (3月13日以下のミサは中止となりました)
ミサ 3月13日(金)18:30より、北一条教会(札幌教区カテドラル)にて勝谷司教司式によるミサ 特別電話相談 3月10日から15日まで、毎日12:00から20:00の間、電話相談を受け付ける

■仙台教区 3月15日(日) 松木町教会(福島県)にてミサ

■新潟教区 3月13日(金) 各小教区、修道院でのミサ、また祈りの集いを実施

■さいたま教区(3月14日まで公開ミサは中止となりました) 3月13日(金) 各小教区にてミサをささげる 3月15日(日) 主日のミサに共同祈願で祈る

■東京教区(3月14日まで公開ミサは中止となりました)事前に大司教よりのメッセージの発表を行う。3月13日(金) 各小教区にてミサをささげる 3月15日(日)晩の祈り、聖体礼拝(可能ならばミサ)を菊地大司教が行う

■大阪教区 (以下は延期となりました)3月14日(土) 13:00より サクラファミリアにて「性虐待被害者のための祈りとつぐないの日にむけて おはなしとミサ」お話し:竹之下雅代さん(ウィメンズカウンセリング京都)ミサ: 主司式 前田万葉大司教

■広島教区 3月13日(金) 各小教区にてミサをささげる 3月15日(日) 主日のミサに共同祈願で祈る

■長崎教区 3月13日(金) 12:45より 26聖人記念聖堂にて 「性虐待被害者のための祈りと償いの日」の集い in 長崎 ご挨拶:髙見三明大司教  講話ならびにミサ主司式 森 一弘 司教(東京大司教区名誉司教)

■大分教区 (以下は延期となりました)
3月8日(日)15:00より、大分教会(大分教区カテドラル)にて、集いを実施 浜口司教、ウェイン司教(子どもと女性の権利擁護のためのデスク担当司教)による司式。セクシャルハラスメント防止と対応宣言の発表を同時に行う。

2020年10月17日