教皇レオ14世は25日、ローマの聖ヨハネ大聖堂で着座式を行われた。
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新しく選出された教皇は、バチカンでの着座式の後、ローマの他の3つの教皇直属大聖堂(聖パウロ大聖堂・聖ヨハネ大聖堂・聖マリア大聖堂)を訪問し、正式な入堂と着座を行うことが慣わしとなっている。レオ14世は、18日バチカンで行われた教皇職開始記念ミサ(着座式)の翌々日の20日に、まず聖パウロ大聖堂を訪問。そして、25日、教皇は聖ヨハネ大聖堂と聖マリア大聖堂を相次ぎ訪れられた。
「ラテランの聖ヨハネ大聖堂(サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ)」は、教皇直属のローマ4大バジリカの一つ。ローマ司教である教皇にとって、ローマ教区の司教座が置かれた教会(司教座聖堂・カテドラル)であり、4大バジリカの中で最も古い歴史を持つことから、「ローマと全世界のすべての教会の母にして頭」との敬称で呼ばれる。聖ヨハネ大聖堂に到着したレオ14世は、大聖堂の内外に集ったローマ教区の信者たちの熱い歓迎を受けられた。
教皇はミサの説教で、「世界と共同体の必要に耳を傾け、豊かで複雑な現実を理解しつつ、福音宣教と愛徳を実践する」という、ローマ教区のここ数年の取り組みはもとより、現在行われている聖年の巡礼者の受け入れと世話、数多くの催しに対応する同教区の努力に感謝を表された。
続いて教皇は、この広大な「現場」に入るにあたり、「皆さんと共にキリスト者であり、皆さんのために司教である」と言った聖アウグスティヌスに倣い、共に学び、理解し、選択するために、ご自分もすべての人にできる限り、耳を傾けていきたい」と述べられた。
また、福者ヨハネ・パウロ1世が、1978年9月23日、聖ヨハネ大聖堂での着座の際にローマ教区の信者に向けて語られた「皆さんを愛し、皆さんへの奉仕に入り、私の貧しい力と、貧しい私自身を、皆さんのためにお捧げすることを約束します」という言葉を振り返られ、「私もすべての愛情と、苦しみや希望を分かち合いたい… そして、自分の貧しい力と、ありのままを皆さんに捧げたい」と決意を語られた。
そして、聖ペトロと聖パウロをはじめ、教会とローマの歴史を照らす全ての聖人の取り次ぎと、おとめマリアの取りなしに信頼して祈られた。
ミサの後、レオ14世は大聖堂のロッジアから、広場と周辺に集った多くの信者らに祝福をおくられた。
(編集「カトリック・あい」)
(2025.5.25 Vatican News Deborah Castellano Lubov)
教皇レオ14世は25日、復活節第6主日のご自身にとって初の正午の祈りに先立つ説教で、神が私たちの手を取ってくださることを思い起こされ、悩まず、信仰の喜びのうちに歩むよう、信者たちに促された。
説教の冒頭、教皇は、「つい数日前、私は皆さんの間で宣教を始めました。まず、皆さんが私に示してくださっている愛情に感謝します」とされ、さらに「皆さんの祈りと親密さによって、私を支えてくださるようお願いします」と希望された。
続けて教皇は、「主が私たちに呼びかけてくださるすべてのこと—人生の旅路であれ、信仰の旅路であれ—において、時に私たちは力不足を感じることがあります 」とされたうえで、今日のミサで読まれたヨハネ福音書でイエスが語られているように、「私たちは自分の力に頼ろうとせず、私たちを選んでくださった主の憐れみに頼るべきであり、聖霊が私たちを導き、すべてを教えてくださることを確信すべきだ、と福音は教えているのです 」と説かれた。
そのうえで、「不安や苦悩の中にあっても、主が慰めと平安を与えてくださること」を信者たちに強調。「師イエスが亡くなる前夜、『神の国をどのように証しし続けることができるだろうか』と思い悩む使徒たちに、イエスは、聖霊の賜物を素晴らしい約束とともに告げられます―『私を愛する者は、私の言葉を守る。私の父はその人を愛され、父と私とはその人のところに行き、一緒に住む」と。
このように、イエスは弟子たちをあらゆる不安や心配から解放し、「心を騒がせるな、恐れるな 」と励まされたが、イエスが使徒たちに告げられたように、「私たちも、主の愛のうちにとどまるなら、主ご自身が私たちのうちに住まわれます」と教皇は語られた。
そして、「私たちの内に神が宿るのは、まさに聖霊の賜物であり、聖霊は私たちの手を取って、私たちが日常生活の中でさえ、神の臨在と親しさを体験し、神の住まいとすることを可能にしてくださるのです」と強調。「私たちの召命、私たちに委ねられている現実と人々、私たちが遂行する約束、そして教会における私たちの奉仕を通して、私たち一人ひとりが自信を持って、そのように言うことができるのは素晴らしいことです」と言われた。
「主は私の内に住まわれる。主は聖霊をもって私に伴われ、私を啓発し、私を他者、社会、世界に対する主の愛の道具としてくださる… (そのことを念頭に置きながら)信仰の喜びのうちに歩みましょう。そして、主の愛をあらゆる場所に広めることに自分を捧げましょう」と、信者たちに呼びかけられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
Pope Leo XIV at the Regina Caeli (@Vatican Media)
(2025.5.25 Vatican News Christopher Wells)
教皇レオ14世は25日の正午の祈りに続けて、前日24日に列福された福者スタニスラウス・シュトライヒ、中国の教会のための祈りの日、故教皇フランシスコの環境回勅 「Laudato sì 」公布10周年を思い起され、戦争に苦しむすべての人々のために祈るように、世界の信者たちに勧められた。
教皇は、「聖母マリアの執り成しが、(中国のカトリック信者と)私たちすべてのために、たとえ試練の中にあっても、常に平和と調和を促進するために、福音の力強い喜びの証人となる恵みを得られますように」と願われた。
*『中国の教会のための祈りの日』へ
そして、24日が教皇ベネディクト16世が制定された『中国の教会のための祈りの日』であったことに触れ、「中国のカトリック信者と世界の教会との交わりに対する関心と愛情のしるし」として、世界中で神に捧げられた祈りを強調。
さらに、「このような気持ちをもって、私たちの祈りは、戦争に苦しむすべての人々を包み込みます。私たちは、対話と平和への真摯な探求に従事する人々の勇気と忍耐を呼び起こすのです 」と説かれた。
*福者スタニスラウス・シュトライヒを想起
教皇はまた、ポーランドのポズナン市で24日に行われたスタニスワフ・シュトライヒ師の列福式を思い起こされた。ポーランドの教区司祭、福者スタニスワフは1938年、貧しい人々や労働者のための彼の活動が共産主義イデオロギーの信奉者たちの不興を買ったため、殺害された。スタニスワフ・シュトライヒ司祭の模範が、「特に司祭たちが、福音のために、また兄弟姉妹のために惜しみなく自らを費やすよう促す ことを願っています」と教皇は述べられた。
*回勅「Laudato sì」の10周年を記念する
24日は教皇フランシスコの画期的な環境回勅『Laudato sì 』の10周年記念日でもある。教皇は、この回勅が 「非常に多くの人の支持を集め、世界中の数え切れないほどの取り組みを鼓舞し、すべての人に地球と貧しい人々の二重の叫びに耳を傾けるよう教えています 」と指摘。「Laudato Sì運動と、このコミットメントを前進させるすべての人々」 を激励された。
*世界中からローマを訪れた巡礼者と訪問者へあいさつ
最後に、教皇、バレンシアやポーランドからの巡礼者を含む世界中からの巡礼者や訪問者に温かい挨拶を述べた。また「ピエカリ・シロンスキーのマリア礼拝堂への偉大な巡礼 」に参加するポーランドの人々に特別な祝福をされた。ジェノヴァ大司教区とテンピオ・アンプリアス教区からの巡礼者、パデルノ・ドゥグナーノからのサイクリスト、パレルモからの 「ベルサグリエリ(イタリア軍の射撃手)」を含む、イタリアの様々な町からの信者も祝福された。
教皇レオ14世とキリスト教諸教会・諸宗教の使節との集い 2025年5月20日 バチカン宮殿 (@Vatican Media)
(2025.5.20 バチカン放送)
教皇レオ14世は19日、バチカン宮殿のクレメンスホールで、キリスト教の諸教会、および諸宗教の関係者とお会いになった。
会見には、前日18日に、レオ14世の教皇職開始を祝うミサに参加した正教会やプロテスタントなど、他のキリスト教教会の指導者、またユダヤ教やイスラム教をはじめ、世界の様々な宗教の代表や使節が参加した。
レオ14世は冒頭、大きな喜びを込めてすべての関係者に挨拶をおくられた。そして、「聖ヨハネ23世に始まり、歴代教皇に受け継がれ、故教皇フランシスコによっていっそう普遍的な友愛へと広がったエキュメニカルな対話と諸宗教間の交流の歩みを大切にしていきたいと思います」と述べられた。
続けて、自身の教皇への選出がニケア公会議の開催から1700年を迎える年と重なったこと、この公会議で起草された信条はすべての教会で分かち合われていることに言及され、「すべてのキリスト者の一致の追求は、ローマ教皇の義務の一つであるとともに、「In Illo uno unum(唯一のキリストの中に私たちは一つ)」という聖アウグスティヌスの言葉を司教モットーに選んだ私自身の絶えることのない関心でもあります」と指摘。
「キリスト者の共通の歩みは、人類の友愛というさらに大きな精神のもとに、すべての人たちと関わっていくもの」であり、今は、「対話と橋を築く時代です」と強調された。
また、キリスト教とユダヤ教の特別な関係について、教皇は、第二バチカン公会議の公文書『キリスト教以外の諸宗教に対する教会の態度についての宣言』で記されている「両宗教が共有する霊的遺産の偉大さ」に触れるとともに、キリスト教とユダヤ教の間の神学的対話の重要性を指摘。「対立と誤解によって傷ついた、この困難な時代、キリスト教とユダヤ教間の貴重な対話を継続する必要があります」と述べられた。
カトリック教会とイスラム教間の対話についても、兄弟愛を育む近年の努力に目を向け、「互いの尊重と良心の自由に基づく態度が、両宗教間に橋をかける上での堅固な基礎となるでしょう」と話された。
最後に教皇は、すべての宗教関係者に、この日の出会いと平和への貢献に、心からの感謝を表明され、「暴力と紛争に傷ついた世界にあって、ここに代表される各宗教共同体の方々は、全人類の利益と地球の保護のために、知恵と思いやりと努力をなさっています」とされたうえで、「私たちがイデオロギーや政治的な条件から解放されて一致するなら、戦争に『ノー』、平和に『イエス』、軍拡競争に 『ノー』、軍縮に 『イエス』と言い、人々と地球を貧しくする経済に 『ノー』、すべての人と地球全体に益をもたらす経済発展に『イエス』」と言う言葉が、強い説得力を持つことができるのです」と訴えられた。
(編集「カトリック・あい)
Pope Leo XIV blesses the image of Our Lady of Good Counsel at the end of Mass on Sunday, May 18 (@Vatican Media)
(2025.5.18 Vatican News Devin Watkins)
18日に行われた教皇就任ミサの終わりに、教皇レオ14世は聖母に捧げるレジナ・チェリの祈りをされ、世界の戦乱で引き裂かれた地域の平和実現を訴え、特にガザ、ミャンマー、ウクライナで戦争のために苦しんでいる人々のために祈られた。
教皇は、聖体に参列した20万人の人々と多数の代表団に感謝し、国家、教会、諸宗教の代表者に感謝の意を表した。
そのうえで、「信仰と交わりの喜びの中で、戦争のために苦しんでいる兄弟姉妹を忘れることはできません」とされ、イスラエルとハマスの戦争が続く中、ガザでは「生き残った子どもたち、家族、高齢者」が飢餓に瀕していることを思い起こされた。
ミャンマーでは、「新たな敵対行為が罪のない若者の命を奪っている 」と指摘。
「殉教するウクライナは、公正で永続的な平和のための交渉を待っています 」と訴えられた。関連して、このミサの直後、教皇は、ウクライナのゼレンスキー大統領と個人的に会談された。
また教皇は、「天から私たちに同行しておられる教皇フランシスコの霊的存在を強く感じています 」と述べられ、教皇職の正式な始まりにあたり、「海の星 」と 「善き助言の聖母 」の称号を持つ聖母マリアに教皇職を委ねる祈りをカトリック信者に呼びかけた。
そして、「平和の賜物、苦しむ人々への支えと慰め、そして私たち皆が復活した主の証人となる恵みを願い、聖母マリアの執り成しを懇願します」と結ばれた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
(教皇レオ14世、 駐バチカン外交団と会見 2025年5月16日 バチカン宮殿)
(2-25.5.16 バチカン放送)
教皇レオ14世は16日、バチカン宮殿で、世界各国の駐バチカン大使たちと初の会見の場を持たれた。
あいさつで教皇は、「皆さんの存在は、私にとっての賜物。真理、正義、平和を望み、必要としている地上のすべての人民とすべての個人を抱擁したいと願う教会の、私自身の熱望を新たにするものです」とされ、北米、南米、欧州の間で築かれた教皇ご自身の人生経験は、「国境を越えた、異なる人々や文化との出会いへのあこがれを象徴するものでもあります」と語られた。
教皇は続けて、カトリック教会の宣教活動と、教皇庁の外交の基礎となるキーワードとして「平和」「正義」「真理」の三つを挙げられた。
*「平和」は、”戦争が無い状態”ではない
まず、「平和」について、「私たちはしばしば平和という言葉を否定的に捉え、単に戦争や紛争が無い状態と考えがちですが、そのような平和とは、”休戦状態”に過ぎず、緊張は常に”おき火”のようにくすぶり続け、いつでも再び燃え上がりかねないようなものでしかありません」と指摘。
「キリスト教的な観点からは、平和は何よりも賜物、キリストの最高の賜物であり、文化や宗教を超え、私たち一人ひとりの努力を求める能動的な恵みなのです」と述べ、「平和は、心に築かれ、心から始まります。武器だけでなく、言葉も、人を傷つけ、殺すことから、プライドや復讐心を捨て、表現に気をつけることが必要なのです」と強調された。
さらに、教皇は「あらゆる対立や破壊的な征服欲を根絶するために、『対立』ではなく『出会い』を希求する誠実な対話をする意志が求められます。その観点から、紛争解決のために、多国間外交と国際機関に新たな息吹を与えねばなりません」と大使たちに努力を促された。
*「正義」の実践が、平和につながる
「正義」については、教皇は「平和の追求には、正義の実践が必要です」とされ、自身の教皇名を選ぶ際に社会的回勅「レールム・ノヴァールム」を発出されたレオ13世を特に念頭に置いたことを明らかにしつつ、「恥ずべき労働条件や、分裂的、対立的な社会をもたらす多くの不均衡や不正義を前に、バチカンは声を上げざるを得ません」と述べ、世界的な規模で存在する不平等に対策を講じる必要を強調。「調和ある平和な市民社会の構築に努力するのは、統治責任を負う者の務めです」とされた教皇は、特に「男女の安定した一致の上に築かれ、社会の核・基礎である家庭」のために力が注がれることを望まれた。
また教皇は自身が移民の家系に生まれ、移住を経験したことに触れつつ、「私たち一人ひとりが、その生涯の中で健康であったり、病気になったり、仕事があったり、なかったり、母国にいたり、異国にいたりすることがあっても、その人は、常に同じ尊厳、神から望まれ愛された尊厳を持ち続けます」と語られた。
*「真理」無くして平和的関係は築けない
「真理」について教皇は、「国際共同体においても、真理無くして、真の平和的関係は築けません」と述べ、「曖昧で両義的なニュアンスの言葉があふれ、現実の認識を変容させた仮想現実的な世界がチェックされることもなく支配するところでは、客観的な現実の意思疎通が存在せず、真の人間関係を築くことは難しい」と指摘。
そのうえで、「キリスト教的真理は、決して慈愛から切り離されたものではなく、その根源には、常にすべての人の命と善に対する配慮があります。そして、その真理とは抽象的な原理ではなく、キリストご自身との出会いです」とされ、「そのようにして真理は、移民問題や、人工知能の倫理的利用、地球環境の保全などの今日の課題に、私たちを力強く立ち向かわせることを可能にするのです」と説かれた。
あいさつの最後に教皇は、自身の教皇職が「希望」をテーマとした2025聖年の最中に始まったことに触れ、「真理と正義と平和のうちに、それぞれが人間性を発揮できる世界を共に構築する、という希望に励まされ、この回心と刷新の時に、争いを捨て、新しく歩み出すことができるように」と願われ、それがウクライナと聖地をはじめとする、あらゆる紛争地域で環境で実現するように、と祈られた。
(編集「カトリック・あい」)