(2025.11.20 バチカン放送)
教皇レオ14世が20日、イタリア司教協議会総会の最終日に開催地のアッシジを訪問。総会閉幕の挨拶をなさった。
教皇はまず、教皇就任初めてのアッシジを訪問しとことに喜びを表明。「ここは、世界が切実に必要としている信仰、兄弟愛、平和のメッセージを伝える大変意義深い場所」とされた。
そして、聖フランシスコがアッシジで主から「聖なる福音に従って生きるように」との啓示を受けたことを指摘され、「イエスを見上げることは、私たちにとっても、何よりもまず求められていることであり、今日、これまで以上に、イエス・キリストを中心に据え、福音の喜びが示す道に沿って、人々がイエスとの個人的な関係を築き、福音の喜びを見出す手助けをすることが重要になっています」と強調。
「イエスの御顔を見つめることで、私たちは兄弟たちの顔をも見つめることができるようになります… 私たちを、彼らへと駆り立てるのは、イエスの愛(コリントの信徒への手紙2・5章14節)、私たちの平和であるイエスへの信仰( エフェソの信徒への手紙2章14節)は、すべての人にイエスの平和の賜物をもたらすよう求めているのです」と語られた。
さらに教皇は、 「国の内外で分裂が広がるこの時代に、敵意や暴力に満ちたメッセージや言葉が横行し、効率を追求する中で最も弱い立場の人々が取り残され、テクノロジー全能が人々の自由を圧迫し、孤独が希望を蝕み、多くの不確実性が未来に重くのしかかっています」と指摘しつつ、「それでもなお、御言葉と聖霊は、共同体の中で友情と、兄弟愛、真の絆を創り出す者となるように、ためらわず、恐れず、他者に耳を傾け、緊張を和らげ、出会いの文化を育み、世界に対し平和の預言者となるように、私たちに呼びかけています」と説かれた。
そのうえで、教皇は、「シノダリティ(共働性)とは、何よりも、キリストと共に、神の王国に向かって、全人類と一致して歩むこと。重要なのは、共に働くことを学び、それぞれの教会で、開かれ、受容の心にあふれたキリスト教共同体の構築に尽力し、福音宣教のための相互の責任へと結びつけることです」と強調された。
イタリアの教会に対しては、「個人と社会の実存的な歩みを助け、包括的な人間主義を推進し続けること」「命の価値とあらゆる被造物への配慮を高め、合法性と連帯の文化を広めるために、公的議論の中で預言的な役割を果たすこと」を希望された。
最後に教皇は、「聖フランシスコの模範が、真の信仰に導かれた選択を行う力と、教会としてこの世における神の国のしるし・証しとなる力を、私たちに与えてくれるように」と祈られた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
教皇レオ14世のメッセージを読み上げる、パロリン枢機卿 2025年11月7日 ブラジル・ベレン、COP30首脳級会合
(2025.11.7 バチカン放送)
教皇レオ14世が7日、ブラジルで開催中の第30回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP30)の首脳級会合に対して、バチカン国務長官パロリン枢機卿を通じてメッセージを送られた。
6、7の両日ブラジルのベレンで開かれたCOP30首脳会議へのメッセージで、教皇は、 「平和を育みたいなら、被造物を守ってください」と述べ、平和の構築と被造物の保護の間にある明確な関係を提示。
「すべての善意の人々による平和の追求は、神と、人間、すべての被造物との間に存在する、分かちがたい関係を共通に認識することによって、必ずしや促進されるでしょう」というベネディクト16世教皇の言葉を引用された。
そして、「この困難な時代、国際社会の注目と懸念は、主に国家間の紛争に集中しているように見えますが、その一方で、被造物に対する尊重の欠如、天然資源の搾取、気候変動による生活の質の悪化によっても、平和は脅かされています」と指摘。
「地球上のすべての命を脅かすこれらの課題には、神から授けられた命の聖なる価値、すべての人間の尊厳、公共の福祉を中心に据えた、団結と先見性ある国際協力と多国間主義が求められるにもかかわらず、残念ながら、集団的な利己主義、他者への配慮の欠如、近視眼的な視点といった、対極に向かう政治的アプローチや人間行動が見られます」と警告された。
そのうえで、 「地球温暖化と同時に、武力紛争によって燃え上がる世界において、相互責任と未来の世代への配慮を念頭に、自分だけの利益を脇に置き、共通言語と合意形成を模索する集団の努力を通し、他者の考えをも尊重する姿勢を持つことで、この会議が希望の光となるように」と希望された。
また教皇は、現在の生態学的危機を「道徳的問題」と捉え、「発展途上国と高度に工業化された国々の関係において、新たな連帯の緊急で道徳的な必要性」を説いた聖ヨハネ・パウロ2世教皇の環境問題への視点を強調。
同時に、10年前、環境回勅『ラウダート・シ』を発表し、「気候は、すべての人の、すべての人のための共通の財産であり、地球規模において、それは人間生活に不可欠な多くの条件と関連した複雑なシステムである」ために、すべての人が参与する生態学的転換を唱えた、フランシスコ教皇の環境問題への統合的アプローチを改めて示され、「この”環境的回心”が、人間を中心にした新しい国際金融構造の発展のきっかけとなり、すべての国々、中でも最も貧しく、気候災害の影響を受けやすい国々が、その潜在能力を最大限に発揮し、その国民たちの尊厳が重んじられるように」と願われた。
さらに教皇は、「個人・家族・社会・政治の各レベルでの決定が共通の未来を形作る理由を説明できる、生態学をめぐる総合的な教育の推進」を提起され、COP30のすべての参加者に、平和な世界を築くために、神から託された被造物を守りいたわる取り組みを期待された。
(編集「カトリック・あい」)
Pope Leo meets with President Abbas (@Vatican Media)
(2025.11.6 Vatican News Joseph Tulloch)
教皇レオ14世が6日、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス大統領と会談し、ガザ紛争の終結と人道支援の緊急性について話し合われた。
バチカンで行われたこの会談は、これまで電話でのみ会話を交わしていた両者の初めての対面となった。バチカン報道局の声明は、会談を「友好的なもの」と表現し、議論された議題には「二国家解決を追求することで紛争を終結させる」緊急の必要性も含まれていた、としている。
Pope Leo and President Abbas exchange gifts (@Vatican Media)
*大統領、教皇フランシスコの墓に花束を捧げる
教皇との会談前日、アッバス大統領はサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂を訪れ、教皇フランシスコの墓に敬意を表した。
大聖堂の階段で待機していた記者団に対し、大統領は「私は教皇フランシスコに会いに来ました。なぜなら、彼がパレスチナとパレスチナの人々のためにしてくれたことを忘れられないからです。そして、誰にも求められずにパレスチナを承認してくれたことも忘れられません」と語った。
大統領のフランシスコ教皇の墓参りには、聖地管区元管区長のフランシスコ会修道士、イブラヒム・ファルタス師が同行し、大統領は、「フランシスコ」 と刻まれた簡素な大理石の墓に花束を捧げた。
*バチカン・パレスチナ包括協定締結10周年
大統領のバチカン訪問は、「バチカンとパレスチナ国家間の包括的合意」の10周年を記念するものでもあった。2015年6月26日に署名された合意は、パレスチナの自己決定権と二国家解決への双方のコミットメントを表明。エルサレムは、ユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒が等しく持つ象徴的・精神的意義を強調している。