☩「聖歌隊は歌を通じて、他者の祈りを助ける奉仕、”見せびらかし”にならないように」ー「王であるキリスト」の祝日の「聖歌隊の聖年」ミサで

(2025.11.23 Vatican News )

 教皇レオ14世は23日、聖ペトロ大聖堂で、「聖歌隊の聖年」にあたってのミサを捧げられ、参加した数千人の聖歌隊員たちに「一致して歌うこと、信仰をもって共に歩む民として、自らの奉仕を教会の統一のしるしとして生きるように… 典礼音楽が交わりを育み、教会全体が前進する助けとならねばなりません」と説かれた。

 「キリスト王の祭日」のこの日、教皇は合唱団員と音楽家に対し、「教会内における愛と一致と共同体性の奉仕としての自らの使命を再発見するように」と促され、その日の応答詩編を取り上げ、「典礼は、私たちを招いています… 賛美と喜びのうちに共に歩み、宇宙の王である主イエス・キリストとの出会いに向かうように」と語られた。

 さらに、「キリストの王権は、権力ではなく自己献身によって示されます。その力は愛、その玉座は十字架であり、そこから王国は世界に輝きを放つのです」と強調。「聖なる音楽は、神の愛の神秘に根ざしています… 歌うことは愛する者の特権です」と聖アウグスティヌスの言葉を引用され、「歌い手は、愛だけでなく、心に宿る痛み、優しさ、渇望をも表現します」と述べられた。

 教皇はまた、音楽を「言葉だけでは伝えきれないものを伝える人類の賜物」とされ、「教会の活動において、歌は、復活されたキリストが父なる神に捧げる『新しい歌』となり、洗礼を受けた者は『恵みの歌い手』として、キリストにおける新たな命の喜びを現すのです」と説かれた。

 聖歌隊員に対して、「自らの働きを教会の結束の模範と見なすように」と促された教皇は、聖アウグスティヌスの言葉を再び引用され、「歩みながら歌うように。希望に支えられた旅人のように。聖歌隊の一員であることは、共に前進すること…苦しむ兄弟姉妹を慰め…困難が優勢に見える時に彼らを励ますことです」と強調。アンティオキアの聖イグナティオの言葉、「汝らの一致と調和ある愛から、イエス・キリストに歌え…神の声に同調して歌え」も引用し、「一致した声」を教会の調和の象徴とされた。

 教皇は続けて、聖歌隊員としての奉仕は「準備と献身、そして何よりも深い霊的生活を要する真の奉仕」であり、「歌を通じて、他者の祈りを助けるもの」と指摘。「皆さんは、舞台に立っているのではなく、共同体の一部なのです。信徒の完全な参加を妨げる”見せびらかし”ではなく、一致を育むために召されている」として、「典礼音楽を”パフォーマンス化”すること」への注意をなさった。

 「聖歌隊は、”小さな家族”であり、緊張が生じることもありますが、『試練の中でも神を賛美しながら歴史を歩む教会』の象徴であり続けるのです」と聖歌隊員たちを励まされ、最後に、聖セシリアにすべての聖歌隊員を託された。聖セシリアは「生涯を通じて最も美しい愛の歌を捧げ…キリストに完全に身を捧げた」人物だ。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2025年11月23日

☩「技術を活用して信仰を深め、政治的な区別を避けるように」教皇、全米カトリック青年会議参加者へ―23日「世界青年の日」を前に

(2025.11.22 Vatican News   Devin Watkins)

 

 

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2025年11月23日

☩「現地教会を支え、多様性に富む組織内の一致を守り続けるように」-教皇、国際カリタスのメンバーたちを激励

教皇レオ14世、国際カリタスの理事会メンバーと  2025年11月21日 バチカン宮殿教皇レオ14世、国際カリタスの理事会メンバーと  2025年11月21日 バチカン宮殿  (@Vatican Media)

(2025.11.21 バチカン放送)

  教皇レオ14世が21日、国際カリタスの理事会メンバーとお会いになり、国際カリタス総裁・菊地功枢機卿をはじめ、希望をテーマとした聖年にローマに集った関係者らを歓迎。同組織の全教会と世界中の人々へ誠実な奉仕に対して感謝を表された。

 教皇は挨拶で、国際カリタスが設立以来、「キリストは貧しい人々、最も助けを必要とする人々、見捨てられた人々を特別に愛される」(教皇フランシスコ、国際カリタス総会参加者への挨拶=2025.5.11)という教会の宣言を体現してきたことを振り返られた。

 そして、ご自身の使徒的勧告『ディレクシ・テ』は「まさにこの神秘について考察しています。キリストから受ける愛は決して私的な宝ではなく、常に私たちの手に委ねられた使命であり、愛は私たちを前進させ、奉仕者とし、自らの目を他者の傷に開かせます」と話された。

 さらに、国際カリタスが「長い間、教会の母なる愛の象徴として、ペトロの後継者と共に歩み、すべての人に尊厳をもって奉仕する用意が常にあることを心強く思います」とされた。

 国際カリタスの使命は、ご自身が外交団との最初の出会いで示された「世界における教会の活動を支える三つの柱とは平和・正義・真理だ」というビジョンと共鳴するもの、と強調。「これらの柱は抽象的な理想ではなく、カリタスの日々の仕事です。避難民の家族に寄り添い、貧しい人々の権利を守り、忘れられた人々に耳を傾ける心を提供することを通し、教会の証しはより信頼されるものとなるのです」と語られた。

 教皇は、こうした精神のもと、国際カリタスが「現地教会を支え、信徒の指導者の育成を強化し、多様性に富む組織内の一致を守り続けるように」と激励され、国際カリタスの仕事を、貧しい人々の母、マリアに託され、関係者に改めて感謝を述べると共に、「神が、勇気、忍耐、喜びという恵みをもって、皆さんを祝福してくださるように」と祈られた。

(編集「カトリック・あい」)

2025年11月22日

☩「分裂が広がり、弱い者が取り残される今の時代にこそ、シノダリティ(共働性)の実践が求められている」-教皇、イタリアの司教団に

(2025.11.20  バチカン放送)

 教皇レオ14世が20日、イタリア司教協議会総会の最終日に開催地のアッシジを訪問。総会閉幕の挨拶をなさった。

教皇はまず、教皇就任初めてのアッシジを訪問しとことに喜びを表明。「ここは、世界が切実に必要としている信仰、兄弟愛、平和のメッセージを伝える大変意義深い場所」とされた。

そして、聖フランシスコがアッシジで主から「聖なる福音に従って生きるように」との啓示を受けたことを指摘され、「イエスを見上げることは、私たちにとっても、何よりもまず求められていることであり、今日、これまで以上に、イエス・キリストを中心に据え、福音の喜びが示す道に沿って、人々がイエスとの個人的な関係を築き、福音の喜びを見出す手助けをすることが重要になっています」と強調。

「イエスの御顔を見つめることで、私たちは兄弟たちの顔をも見つめることができるようになります… 私たちを、彼らへと駆り立てるのは、イエスの愛(コリントの信徒への手紙2・5章14節)、私たちの平和であるイエスへの信仰( エフェソの信徒への手紙2章14節)は、すべての人にイエスの平和の賜物をもたらすよう求めているのです」と語られた。

さらに教皇は、 「国の内外で分裂が広がるこの時代に、敵意や暴力に満ちたメッセージや言葉が横行し、効率を追求する中で最も弱い立場の人々が取り残され、テクノロジー全能が人々の自由を圧迫し、孤独が希望を蝕み、多くの不確実性が未来に重くのしかかっています」と指摘しつつ、「それでもなお、御言葉と聖霊は、共同体の中で友情と、兄弟愛、真の絆を創り出す者となるように、ためらわず、恐れず、他者に耳を傾け、緊張を和らげ、出会いの文化を育み、世界に対し平和の預言者となるように、私たちに呼びかけています」と説かれた。

そのうえで、教皇は、「シノダリティ(共働性)とは、何よりも、キリストと共に、神の王国に向かって、全人類と一致して歩むこと。重要なのは、共に働くことを学び、それぞれの教会で、開かれ、受容の心にあふれたキリスト教共同体の構築に尽力し、福音宣教のための相互の責任へと結びつけることです」と強調された。

イタリアの教会に対しては、「個人と社会の実存的な歩みを助け、包括的な人間主義を推進し続けること」「命の価値とあらゆる被造物への配慮を高め、合法性と連帯の文化を広めるために、公的議論の中で預言的な役割を果たすこと」を希望された。

最後に教皇は、「聖フランシスコの模範が、真の信仰に導かれた選択を行う力と、教会としてこの世における神の国のしるし・証しとなる力を、私たちに与えてくれるように」と祈られた。

2025年11月21日

◎教皇聖年連続講話「イエス・キリスト、私たちの希望」㉑「イエスは私たちに、『方向転換』し『歴史を変える』ことを求めておられる」

Pope Leo XIV at Wednesday General AudiencePope Leo XIV at Wednesday General Audience  (@VATICAN MEDIA)

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2025年11月20日

☩「”機会”は失われつつある、被造物の管理者として、言葉でなく、迅速に行動を」ー教皇、COP30に参加の枢機卿、司教たちに

教皇レオ14世、ブラジル・ベレンに集った教会関係者にビデオを通し挨拶 2025年11月17日(教皇レオ14世、ブラジル・ベレンに集った教会関係者にビデオを通し挨拶=2025年11月17日 )

2025年11月19日

☩「教会共同体が、『信頼と対話』の模範となり、全ての人が尊重される場となるように」-教皇、未成年・弱者保護委員会の総会参加者へ

(2025.11.17 カトリック・あい)

 教皇レオ14世は17日、同日から始まった教皇庁未成年・弱者保護委員会の総会の参加者に向けて、 「尊厳を守る共同体の構築」と題するメッセージを送られた。

 バチカン広報局が発表したメッセージの全文以下の通り。

親愛なる兄弟姉妹の皆さん!

 皆さんに心から感謝を込めてご挨拶申し上げます。様々な修道会、そして数多くの奉献生活、使徒的生活、黙想的生活の機関を代表する皆さんが、私の心に深く響くテーマについて考察するために集まってくださいました。それは、「あらゆる人、特に未成年者や最も弱い立場にある人々の尊厳が守られ、促進される共同体をいかに築くか」というテーマです。

 尊厳とは、神がご自身の姿と似姿に人間を創造された(創世記1章26節参照)という事実から来る、神からの賜物です。それは功績や努力によって得られるものではなく、また私たちが所有するものや達成したことに依存するものでもありません。

 それは私たちに先立って与えられる賜物であり、神が「私たち一人ひとりを望まれ、今もなお望んでおられるという愛のまなざし」から生まれるものです。あらゆる人間の顔には、たとえ疲労や痛みに刻まれていても、創造主の善性の反映、いかなる闇も消し去ることのできない光が宿っています。

 隣人への思いやりと保護は、見抜く眼差しと傾聴する心の賜物です。それは「敬意と優しさをもって近づき、相手の重荷と希望を分かち合いたい」という願いから生まれます。隣人の命に責任を持つことこそが、「支配せず奉仕し、所有せず伴走する真の自由」を学ぶ道なのです。

 キリストへの完全な献身を表す奉献生活は、特に、受け入れの家庭であり、出会いと恵みの場となるよう招かれています。貞潔、貧しさ、従順の道において主に従う者たちは、真の愛が自らの限界の認識から生まれることを発見します。すなわち、弱さの中にあっても愛されていることを知り、それこそが他者を敬意と優しさ、そして自由な心をもって愛する力を与えるのです。

 それゆえ、あらゆる形態の虐待を防止する方法、そして未成年者を保護するために講じた措置について、真実と謙虚さをもって説明責任を果たす方法に関する経験と学習プロセスを共有しようとする皆さんのご意向を、私は高く評価し、励まします。

 教会共同体がますます「信頼と対話」の模範となり、「あらゆる人が尊重され、耳を傾けられ、価値ある存在として認められる場」となるよう、この取り組みを継続されることを強くお勧めします。正義が慈悲をもって実践される場所では、傷は恵みの入り口へと変容するのです。

 また、教皇庁未成年者保護委員会との連携を継続されるようお願いします。同委員会は、教会全体が保護の文化の中で成長するよう、献身的に促進し、伴走しています。

 教会の牧者であり花婿であるキリストと、すべての奉献生活者の母である聖母マリアに皆様をお委せし、心より祝福をお授けします。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2025年11月17日

☩「この世に満ちる多くの声よりも『神の言葉』が最優先されることを証しするように」ー教皇、カトリック聖書連盟との会合で

Pope Leo XIV kisses the book of the Gospels as he begins Rome's diocesan assembly at St. John Lateran on September 19, 2025Pope Leo XIV kisses the book of the Gospels as he begins Rome’s diocesan assembly at St. John Lateran on September 19, 2025  (@Vatican Media)

(2025.11.17 Vatican News  Devin Watkins)

 17日のカトリック聖書連盟との会合で、教皇レオ14世は、聖書学者や司牧者たちに「神の言葉を、全ての人々、特にデジタル空間で容易にアクセスできるように」と促された。若い世代がキリストに出会えるようにするためだ。

 教皇、カトリック聖書連盟のメンバーとの会合で、まず、「神の言葉への奉仕」に対する感謝を表明された。

 そして、第二バチカン公会議の「神の啓示に関する教義憲章『Dei Verbum(神の言葉)』」公布60周年と同憲章によって信者たちが聖書に容易にアクセスできるようにし、あらゆる場所で尊ばれるよう求められたことを振り返られた。

 続けて教皇は、この文書が「強い願望、確固たる信念、司牧的アプローチを今に伝えています」とされ、「『神の言葉』の教えは明確です… 私たちは『畏敬の念をもって神の言葉を聞き、信仰をもってそれを宣べ伝える』よう召されている。そして『聖書への容易なアクセスは全てのキリスト教信徒に提供されるべき』なのです」と強調された。

 「カトリック聖書連盟も同様の目標を共有しています… 神の言葉を司牧活動の核とし、教会の活力ある霊感の源として提供することを目指しています」とされた教皇は、聖書学者たちに、「自らの使命への忠実さを新たにするように… その使命は、ケリグマ、すなわち私たちの主イエス・キリストの『救いの神秘』を宣べ伝えることに他なりません。教会は、キリストに、注意深く、愛をもって耳を傾けることで、常に福音から命を得ているのです」「聖霊の導きのもと、教会は、福音から自らの歩むべき方向を絶えず再発見します。聖霊は、万事を教え、御子が語られたことをすべて思い起こさせてくれるのです」と指摘された。

 次に教皇は、現代における「聖書への容易なアクセス」について考察され、「信徒に、聖書を読むよう奨励せねばなりません… 人間の言葉で表された神の愛と個人的に出会うためです」と述べられるとともに、「今日、新たな世代の人々は、新たに出来上がった『デジタル環境』に住むようになっており、そこでは神の言葉が容易に覆い隠されてしまいます… 新たな共同体は、聖書とはあまり触れることがなく、しばしば、特定の利害によって歪められた文化的空間に置かれている」と警告。

 そして、カトリック聖書連盟のメンバーに対し、次のように求められた—「神の言葉を聞いたことのない人々が、(神の言葉である)聖書にアクセスできるよう、教会が最善の支援をどう行えるかを自問してください。自らへの問い掛けが、聖書への新たな福音宣教の形態を生み出し、聖書への道を開くことを願います。そうして神の言葉が人々の心に根を下ろし、すべての人を神の恵みの中で生きさせるように」と述べた。

 最後に教皇は、すべてのキリスト教徒に対し「聖書が『生ける神の霊によって書かれた、インクではなく生ける神の霊によって記された生ける手紙』となり、この世に満ちる多くの声よりも神の言葉が最優先であることを証しするように」と呼びかけられた。そして、「神の母であり、御言葉が肉となった胎である聖母マリアが、我々に聴く術を教え、御言葉への従順を強め、主を賛美する道へと導いてくださいますように」と祈られ、講話を締めくくられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2025年11月17日

☩「暴力、戦争、飢餓で苦しむ人々にも祝福を」-教皇、「貧しい人々のための世界祈願日」に1300人と食事会

(2025.11.16 Vatican News   Antonella Palermo)

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2025年11月17日

☩「貧しい者の叫びに耳を傾けよう―正義なくして平和はない」-教皇、「貧しい人々のための世界祈願日」に世界の指導者たちに訴え

Pope Leo XIV presides at Mass on the Jubilee of the PoorPope Leo XIV presides at Mass on the Jubilee of the Poor

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2025年11月16日

☩「若者や子供たちがAIに容易に操作されないように」ー「AI(人工知能)時代の児童・青少年の尊厳」会議参加者へ

Pope Leo XIV meets with participants in the “The Dignity of Children and Adolescents in the Age of Artificial Intelligence” ConferencePope Leo XIV meets with participants in the “The Dignity of Children and Adolescents in the Age of Artificial Intelligence” Conference  (@VATICAN MEDIA)

 

2025年11月13日

◎聖年特別講話「イエス・キリスト、私たちの希望」⑳「復活された主は、互いに『兄弟・姉妹』だと感じ、共に歩むべき道を、私たちに示された」

教皇レオ14世 2025年11月12日の一般謁見 バチカン・聖ペトロ広場教皇レオ14世 2025年11月12日の一般謁見 バチカン・聖ペトロ広場  (@Vatican Media)

(2025.11.12  バチカン放送)

 教皇レオ14世は12日、バチカンの聖ペトロ広場で水曜恒例の一般謁見を行われ、「イエス・キリスト、私たちの希望」をテーマとする聖年連続講話をお続けになった。今回は、「イエスの復活と今日の世界の挑戦-兄弟愛を促進する復活の霊性、“私があなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい”( ヨハネ福音書15章12節)」を取り上げられた。

 講話の要旨、以下のとおり。

**********

  キリストの死と復活を信じ、復活の霊性を生きることは、生活の中に希望を呼び覚まし、善において励むように促します。それは私たちに、特に愛すること、教皇フランシスコが語られたように、間違いなく、今日の人類の大きな課題の一つである兄弟愛を育むのを助けてくれます。

 兄弟愛は、深く人間的な賜物から生まれます。私たちは関係を結ぶことができ、もし望むなら、互いに真の絆を築くことができます。人生の初めから私たちを支え、豊かにしてくれる関係性がなければ、私たちは生き延び、成長し、学ぶことができません。

 人の関係は多様であり、そのあり方や深さも異なります。しかし、確かなことは、私たちの人間性は、共にいて、一緒に生きる時、つまり、私たちの身近な人々との、形式的ではない、真の絆を体験できる時に、最もよく実現する、ということです。

 私たちが自己に閉じこもるなら、孤独を病んだり、利害のためだけに他者に関心を持つ、自己中心的な生き方に陥る危険があります。このようになると、他人は何かを得るための対象に過ぎなくなり、真に与えること、自分を捧げることができなくなってしまいます。

 兄弟愛は当たり前のものではなく、その実現は容易ではないことを、私たちはよく知っています。世界各地に見られる多くの紛争や戦争、社会的緊張、憎悪の感情は、むしろその反対であることを示しているかのようです。

 兄弟愛は、不可能な美しい夢でも、幻想を抱く一部の人たちの願望でも、ありません。兄弟愛を脅かす闇を越えるためには、源泉に立ち返り、何よりも、「敵意」という毒から、私たちを解放してくださる唯一の方から、光と力をいただく必要があります。

 「兄弟」という言葉は、「世話をする、大切に思う、支える、養う」という意味を持った大変古い語源を持っています。こうした意味をすべての人との関係に当てはめるなら、それは「呼びかけ、招き」となるものです。

 私たちは、兄弟、姉妹という肩書を、親類や、血縁、同じ家族の一員のことだ、と考えがちです。しかし、実際には、意見の相違や、亀裂、時には憎悪が、他人との関係だけでなく、親族間の関係さえも破壊しうることを、私たちは知っています。これは、アッシジの聖フランシスコが、地理的・文化的、宗教的・教義的な出身・所属に関係なく、すべての人に向けた挨拶を今日、再考すべきだ、という、緊急性を示すものです。

 「兄弟の皆さん」という、皆を抱擁するその挨拶を通して、聖フランシスコはすべての人間を同等に扱いました。なぜなら、聖フランシスコは、尊厳、対話、受容、救いといった、人々の共有の運命を認識していたからです。教皇フランシスコは、回勅『兄弟の皆さん』の中で、「アッシジの貧しき聖者」のこのアプローチを再び取り上げ、800年経過した今日、その価値を改めて示されました。

 この「皆さん」という言葉は、聖フランシスコにとって、普遍的な兄弟愛の温かな受容性の象徴です。それは、キリスト教の本質的な態度を表すものです。キリスト教はその初まりから、決して排他的な方法や、私的な形を持つことなく、すべての人の救いのために福音を宣べ伝えるものでした。

 この兄弟愛は、イエスの教えに基づくものです。その教えはイエスご自身が実現された新しいものであり、御父の御旨を豊かに成就するものでした。私たちを愛し、私たちのためにご自身を捧げてくださったイエスのおかげで、私たちもまた、唯一の御父の子として、そしてイエス・キリストにおける真の兄弟として、互いに愛し合い、他者のために命を捧げることができるのです。

 ヨハネ福音書は、イエスが最後まで私たちを「この上なく愛し抜かれた」( ヨハネ福音書13章1節)と記しています。受難が近づいた時、師イエスは自らの歴史上の時間が終わろうとしていることをよくご存じでした。

 イエスは、これから起きようとしていることを思い、最も恐ろしい苦悩と孤独を体験されました。三日目に起きたイエスの復活は、新たな歴史の始まりをしるされました。弟子たちは、長い間生活を共にし、イエスの死の悲しみを経験した時だけでなく、何よりも復活されたイエスを認め、聖霊の賜物を受け、それを証しする者となった時に、完全に兄弟となりました。

 兄弟姉妹は、試練の中で互いに支え合い、助けを必要とする人に背を向けることはありません。「一致、信用、相互信頼」という展望の中で、共に泣き、共に喜びます。その活力は、イエスご自身が与えてくださった言葉にあります。

 「私があなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」( ヨハネ福音書15章12節)。死に、復活されたキリストによって与えられた兄弟愛は、エゴイズム、分裂、横暴の否定的な論理から私たちを解放し、日々新たにされる愛と希望の名のもとに、私たちの本来の召命へと立ち帰らせてくれるのです。復活された主は、皆が互いに「兄弟」であると感じることができるように、ご自身と共に歩むべき道を私たちに示してくださったのです。

(編集「カトリック・あい」)

2025年11月13日

☩「教会は”建設現場”、急がずに知恵を持って築かれる共同体だ」-教皇、ラテラノ大聖堂奉献記念日に

Pope Leo XIV celebrates Holy Mass at Rome's Cathedral for the Feast of the Dedication of the Basilica of Saint John Lateran.Pope Leo XIV celebrates Holy Mass at Rome’s Cathedral for the Feast of the Dedication of the Basilica of Saint John Lateran.

 

 

 

 

 

 

 

 

2025年11月10日

☩「労働は希望と命の源、個々人の創造性と善を行う能力の発揮を可能にせねばならない」-教皇、「労働の聖年」に

Pope Leo at the General AudiencePope Leo at the General Audience  (@Vatican Media)

 

2025年11月8日

☩「地球温暖化と武力紛争で燃え上がる世界で、相互責任と未来の世代への配慮を念頭に、この会議が希望の光となるように」COP30にメッセージ

教皇レオ14世のメッセージを読み上げる、パロリン枢機卿 2025年11月7日 ブラジル・ベレン、COP30首脳級会合教皇レオ14世のメッセージを読み上げる、パロリン枢機卿 2025年11月7日 ブラジル・ベレン、COP30首脳級会合 

 教皇レオ14世が7日、ブラジルで開催中の第30回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP30)の首脳級会合に対して、バチカン国務長官パロリン枢機卿を通じてメッセージを送られた。

 6、7の両日ブラジルのベレンで開かれたCOP30首脳会議へのメッセージで、教皇は、 「平和を育みたいなら、被造物を守ってください」と述べ、平和の構築と被造物の保護の間にある明確な関係を提示。

 「すべての善意の人々による平和の追求は、神と、人間、すべての被造物との間に存在する、分かちがたい関係を共通に認識することによって、必ずしや促進されるでしょう」というベネディクト16世教皇の言葉を引用された。

 そして、「この困難な時代、国際社会の注目と懸念は、主に国家間の紛争に集中しているように見えますが、その一方で、被造物に対する尊重の欠如、天然資源の搾取、気候変動による生活の質の悪化によっても、平和は脅かされています」と指摘。

 「地球上のすべての命を脅かすこれらの課題には、神から授けられた命の聖なる価値、すべての人間の尊厳、公共の福祉を中心に据えた、団結と先見性ある国際協力と多国間主義が求められるにもかかわらず、残念ながら、集団的な利己主義、他者への配慮の欠如、近視眼的な視点といった、対極に向かう政治的アプローチや人間行動が見られます」と警告された。

 そのうえで、 「地球温暖化と同時に、武力紛争によって燃え上がる世界において、相互責任と未来の世代への配慮を念頭に、自分だけの利益を脇に置き、共通言語と合意形成を模索する集団の努力を通し、他者の考えをも尊重する姿勢を持つことで、この会議が希望の光となるように」と希望された。

 また教皇は、現在の生態学的危機を「道徳的問題」と捉え、「発展途上国と高度に工業化された国々の関係において、新たな連帯の緊急で道徳的な必要性」を説いた聖ヨハネ・パウロ2世教皇の環境問題への視点を強調。

 同時に、10年前、環境回勅『ラウダート・シ』を発表し、「気候は、すべての人の、すべての人のための共通の財産であり、地球規模において、それは人間生活に不可欠な多くの条件と関連した複雑なシステムである」ために、すべての人が参与する生態学的転換を唱えた、フランシスコ教皇の環境問題への統合的アプローチを改めて示され、「この”環境的回心”が、人間を中心にした新しい国際金融構造の発展のきっかけとなり、すべての国々、中でも最も貧しく、気候災害の影響を受けやすい国々が、その潜在能力を最大限に発揮し、その国民たちの尊厳が重んじられるように」と願われた。

 さらに教皇は、「個人・家族・社会・政治の各レベルでの決定が共通の未来を形作る理由を説明できる、生態学をめぐる総合的な教育の推進」を提起され、COP30のすべての参加者に、平和な世界を築くために、神から託された被造物を守りいたわる取り組みを期待された。

(編集「カトリック・あい」)

2025年11月8日