クライェフスキ枢機卿(左) 2023年6月22日 ウクライナへ向かう支援物資を積んだトラックの前で
(2023.6.22 バチカン放送)
教皇フランシスコが、バチカン支援援助省のコンラート・クライェフスキ長官(枢機卿)をウクライナ支援のため、同国に派遣された。同省は声明で、長官派遣は、福音的なものであり、苦しんでいるウクライナへの教皇の寄り添いを強調するものである、ととしている。
クライェフスキ長官のウクライナ派遣は今回で6度目となる。同省の22日の発表によると、南部へルソン州への訪問を予定している。
同州は、ダム破壊で下流の市や町が洪水状態になり、住民に多くの死傷者がで、農作物などにも壊滅的な被害が出ている。
長官の援助チームは、現地で緊急に必要とされている食料、医薬品、など救援物資を大型トレーラーで現地に向かっている。カトリックのビザンチン典礼、ラテン典礼の小教区や正教会も含めた様々な宗教共同体を訪れることも予定されている。
Metropolitan Anthony Sevryuk of Volokolamsk, head of the Russian Orthodox Patriarchate of Moscow’s Department for External Church Relations, meets with Vatican Secretary of State Cardinal Pietro Parolin at the Vatican on June 16, 2023. (Credit: Moscow Patriarchate/Department for External Church Relations.)
(2023.6.17 Crux Senior Correspondent y Elise Ann Alle )
ローマ発 – 教皇フランシスコのウクライナ問題担当特使がモスクワ訪問の実現に取り組んでいる中で、ロシア正教会の事実上のナンバーツーが今週バチカンを訪問し、退院直後の教皇はじめ、パロリン国務長官、ギャラガー外務局長と会談した。
ロシア正教モスクワ総主教庁対外教会関係局が、ヴォロコラムスク府主教アンソニー・セヴリュクが「モスクワと全ロシアのキリル総主教猊下の祝福」を受けてローマを公式訪問する、と発表しのは、訪問開始当日の15日だった。
モスクワ総主教庁の対外関係部門の責任者であるセヴリュク主教は、ロシア正教会で2番目に高い地位にある。プーチン大統領による対ウクライナ軍事侵略を含めて、ロシア正教の指導者、キリル総主教と同様の姿勢を取っている人物と、広く信じられている。
セヴリュク主教のバチカン訪問は、教皇フランシスコとキリル総主教との二度目の会談の開催と、ウクライナ問題担当特使のマッテオ・ズッピ枢機卿のモスクワ訪問のそれぞれ実現に向けた調整が進められる最中で行われた。
教皇とキリル総主教は2016年にハバナで歴史的な初の会談をもち、昨年夏にはエルサレムで再び会談する予定だったが、その直前の昨年 2月のロシアによるウクライナ軍事侵攻が始まり、これをキリル総主教が支持する立場をとったことなどから、バチカンが会談中止を決め、実現しなかった。
この後、昨年9月、宗教間首脳会議のためカザフスタンを訪れていた教皇とセブリュク主教の間で短い会談が行われ、その際、主教は、教皇と総主教の2回目の会談実現のためには「適切な方法を見つける必要がある」と述べていた。
今回のセヴリュク主教のバチカン訪問では、まず15日にバチカン国務省のポール・ギャラガー外務局長と会談。バチカンは会談そのものも含めて声明を出さなかったが、 モスクワ総主教庁は、二人が「ロシア正教会とローマ・カトリック教会の関係に関する現在の議題に関する多くの問題」について話し合った、とだけ説明していた。
同日には、セヴリュク主教はまた、カトリック教会におけるいわゆる「新しい運動」の一つで、イタリア司教協議会の会長、ズッピ枢機卿もメンバーとなっている「サンテジディオ共同体」の代表者らとも会談した。
翌16日には、2017年にモスクワを訪問した経験のあるパロリン国務長官と会談。 モスクワ総主教庁は、「温かい雰囲気の中で、両者の間の幅広い時事的問題について話し合った」と発表したが、その他の詳細はがバチカン側からも含めて、明らかにされていない。
同日午後には、この日の朝、術後の治療を終えてジェメッリ病院から退院されたばかりの教皇が、主教と会見され、主教はキリル総主教の代理として「表敬の挨拶と、早期回復への希望」を教皇に伝え、「思い出に残る贈り物」を交換した、とモスクワ総主教庁は発表している。
ズッピ枢機卿は最近、多くの関係者が次期教皇の最有力候補と見なすようになっていると言われ、1992年のモザンビーク和平協定実現で重要な役割を果たすなど、外交面で実績を上げている。この6月5、6日には、教皇の特使として、 ウクライナの首都キエフを訪問、ゼレンスキー大統領やその他の政府、宗教関係の高官らと会談している。
バチカンは、セヴリュク主教と、教皇はじめバチカン高官との会談について、現段階で発表していないが、中心的に話し合われたのは、 教皇の特使としての ズッピ枢機卿のモスクワ訪問について、と見られる。6月初めのキエフ訪問の後、 ズッピ枢機卿は、自身の特使としての任務は「和平実現に向けた調停」ではなく、「紛争が和平への道を見出すことができるように関心と親密さを表明し、耳を傾けること」だと述べた。ゼレンスキー大統領も5月にバチカンで教皇と会見した後、 バチカンの調停の役割を明確に否定している。
ズッピ枢機卿のモスクワ訪問の予定や議題など詳細はまだ発表されておらず、枢機卿自身もこの問題に関する情報提供に慎重な姿勢を取っているが、ロシア訪問の計画が進行中であることは認めている。 13日にローマで行われた新刊発表の際に、記者団に対して、 「(和平実現に向けた)作業は進んでいる。今後いくつかの詳細を明らかにする必要があるが、訪問の次の段階はモスクワです」と述べた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
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教皇フランシスコ、入院先のローマ・ジェメッリ病院の小児科病棟を訪問 (2023年6月15日 )
(2023.6.15 バチカン放送
ローマのジェメッリ総合病院に入院中の教皇フランシスコが、医師団の判断により、16日(金)の午前中に退院することが発表された。
教皇は、7日に同病院で腹壁瘢痕ヘルニアのための手術を受け、その後、回復に向け入院生活をおくられていた。
バチカンのブルーニ広報局長は、15日午後1時の声明で、「医師団によれば、教皇は前晩もよく休まれ、順調に回復されており、血液検査の結果も基準値内となっている」とし、14日の夕食を担当スタッフらと共にとられ、15日午前は感謝のしるしとして、医師や看護師をはじめ、手術の全スタッフとお会いになり、さらにジェメッリ総合病院の母体であるサクロ・クオーレ・カトリック大学関係者や、同病院の責任者らとの出会いを持たれた。
15日はさらに、同病院の小児腫瘍科・小児神経外科病棟を訪問され、小さな患者たちおよび保護者らと交流、人々にロザリオと本を贈られた。そして、「薬だけでなく、優しさと人間性をもって人々の苦しみを和らげてくれている」医療スタッフたちに感謝の言葉を述べられた。
(編集「カトリック・あい」)
(2023.6.14 Vatican News staff reporter)
バチカンのブルーニ報道局長が14日午後発表したところによると、教皇フランシスコの手術後の臨床症状は合併症もなく順調に回復を続けており、教皇が入院中のジェメリ病院から数日以内に退院できると医師団は判断している。
報道局長は声明で、「教皇は夜間はよく休んでおられます。医師団からは、臨床経過は合併症なく順調に回復が進んでおり、教皇の今後数日以内の退院を検討している、との報告を受けています」と述べた。また、教皇は14日も午前中は執務に専念され、昼食前には専用の礼拝堂で祈りの時間を過ごし、聖体を受け取られました」と説明した。
教皇の手術を担当したセルジオ・アルフィエーリ教授は先に、記者団に対し、手術後に合併症はみられず、療養後に旅行や通常の活動を再開できるはずだが、重い物を持ち上げるような激しい運動は控える必要があるだろう、とし、報道局長も、教皇の謁見を6月18日まで中止される、との見通しを明らかにしている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
(2023.6.13 バチカン放送)
教皇フランシスコは、ローマのジェメッリ総合病院での腹部の手術と入院から7日目となる13日、休息やリハビリテーション、執務や祈りのうちに過ごされている。
バチカンのブルーニ広報局長の同日昼過ぎの発表によると、教皇は、前晩もよくお休みになった。血液検査は正常値で、呼吸理学療法を続けておられる。13日午前中を、執務上の作業を行ったり、文書に目を通されたりして過ごされた。昼食前、病室に付属する礼拝堂で祈りの時間を持たれ、聖体を受けられた。
(編集「カトリック・あい」)
(2023.6.12 バチカン放送)
教皇フランシスコのローマのジェメッリ総合病院での入院生活は、6月12日で6日目に入った。
バチカン広報局のブルーニ局長が12日正午過ぎに、医師団の報告として発表したところによると、教皇は医療計画に沿って、術後の状態は順調な経過を続けている。教皇は普通に食事をとられるようになり、同日朝、聖体拝領された後、仕事のために時間を費やされた。
(編集「カトリック・あい」)
ローマのアゴスティーノ・ジェメッリ総合病院 (AFP or licensors)
(2023.6.11 バチカン放送)
教皇フランシスコは11日の「キリストの聖体」の主日)、入院先のジェメッリ病院の病室付属の礼拝堂で正午祈りを私的な形で唱えられた。
11日(日)で入院5日目を迎えられた教皇について、 バチカンのブルーニ広報局長は同日午後、「教皇の術後の経過は順調」とし、 医師団の報告によると、教皇は発熱もなく、脈拍、血圧ともに安定している。呼吸理学療法を受け、ベッドから離れての運動も続けられている。
同日午前に、教皇はテレビでミサの中継をご覧になり、聖体を受けられ、病室に付属する礼拝堂で、正午の祈りをを唱えられた。この後、病室で、担当の医師や、看護師、護衛官たちと昼食を召し上がった。
さらに、ブルーニ広報局長の同夜の報告では、教皇は午後、いくらか歩かれ、休息と祈りの時間をはさみながら、数時間、職務を果たされた。
(編集「カトリック・あい」)
教皇フランシスコの担当医セルジョ・アルフィエーリ教授と、バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長 2023年6月10日 アゴスティーノ・ジェメッリ総合病院
(2023.6.10 バチカン放送)
ローマのジェメッリ病院に入院中の教皇フランシスコの容態について、担当医が10日午後、記者会見し、教皇は術後、順調に回復を続けられているが、慎重を期して、キリストの聖体の主日となる11日の正午の祈りは、聖ペトロ広場の会衆と共にではなく、私的な形で唱えられることを明らかにした。
10日午後の記者会見は、バチカン広報局のマッテオ・ブルーニ局長と、教皇の担当医で執刀医であるセルジョ・アルフィエーリ教授によって行われた。
アルフィエーリ教授は、「教皇の術後の経過は順調であり、臨床的所見、各種検査結果も良好です」と説明。11日の正午の祈りについては、「教皇は術後まだ間も無く、腹部に負担をかけないことが大切です。教皇は医師団の助言を受け入れられ、日曜日のお告げの祈りは私的に唱えることを決意されました」と述べた。
また、教授は、2021年7月に教皇が手術・入院された際は、教皇は正午の祈りを公に唱えられているが、「当時は、手術から一週間以上経過していたのに対し、今回はまだ術後、数日しか経っていません」と状況の違いを説明した。
さらに、「教皇は気分的にも良い状態を保っておられ、考え方も若々しく、この先のすべての予定を考慮に入れた上で、今この時期に手術を受けることを決断されました」と語った。
また、教皇の退院の日時などについての記者団の質問に対し、教授は「まだ決まっていません。退院後、検査の多くはバチカンでできるが、それ以上の検査が必要な時は同病院に戻ることもありえます」と答えた。なお、ブルーニ広報局長は、教皇の謁見等は、現在の段階では、「6月18日の日曜日までは予定を入れることを中断することにしている」と説明した。
(編集「カトリック・あい」)
教皇の術後経過を説明するセルジョ・アルフィエーリ教授 2023年6月7日 ローマ、ジェメッリ総合病院 (AFP or licensors)
(2023.6.7 バチカン放送)
教皇フランシスコは7日午後、ローマ市内のアゴスティーノ・ジェメッリ総合病院で手術を受けられ、手術は無事終了した。
この手術について、バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長と執刀医のセルジョ・アルフィエーリ教授が同日夜、記者会見。
ブルーニ広報局長は、「教皇が同日午後の早い時間帯に、予定されていた外科手術を同病院の医療科学部、および消化器外科、内分泌代謝内科の責任者、セルジョ・アルフィエーリ教授によって受けた」と述べ、アルフィエーリ教授は、「今回の手術は、教皇が一昨年に受けた開腹手術時の傷跡に一致して生じた腹壁瘢痕ヘルニアに対処するためのもの。教皇は、ここ数か月、この腹壁瘢痕ヘルニアを原因とする閉塞に近い症状から、腹痛が増していた」と説明した。
同教授は、さらに今回の手術の技術的な説明をした後、「手術と全身麻酔は合併症もなく、滞りなく行われ、教皇はこの手術に良好に反応した」とし、「術後に目覚められた教皇の意識はしっかりしており、『三度目の手術はいつですか』と冗談をおしゃるほど」だった。これに対して、教授は「無理をしないように、また当面は重い物などを持たないように」とアドバイスをしたという。
なお、ブルーニ広報局長は、「教皇は多くの人から届けられた寄り添いと祈りのメッセージに感謝しておられます」と語った。
(編集「カトリック・あい)