・月間閲覧件数は1万9516件と前月を大きく上回りました。猛暑や豪雨が繰り返され、体調を崩される方も少なくないと拝察しますが、そうした中でのご愛読に感謝いたします。
・8月の閲覧状況で特徴的なのは、10月2日から約1か月にわたって開かれる世界代表司教会議(シノドス)総会第2会期会合を目前にしたシノドス関連記事、そして聖職者による性的虐待関連が引き続き多く読まれていることで、月間閲覧件数50件以上の記事25本のうち、前者が7件、後者が11件を占めています。読者の皆さんが、この二つの問題に強い関心を持ち続けていることの証しでしょう。
・第二会期に向けたシノドス事務局の準備要綱の「カトリック・あい」による全文試訳は、7月中旬の掲載開始からの閲覧が英語公式訳を合わせて200件を超えていますが、日本の司教団・中央協議会のホームページには、準備要綱発表から2か月もたって、9月7日にようやく翻訳が掲載されました。
8月上旬にはバンコクでアジア司教協議会連盟に加盟する17か国の司教や信徒の代表が集まって、準備要綱の検討を含め総会第2会期への対応を話し合いましたが、日本から参加したのは一般信徒の”代表”だけでした。
教皇フランシスコは2021年10月に”シノドスの道”の歩みを始めるにあたり、この歩みについて、「世界の教会のあらゆるレベルで行われる、互いに耳を傾け合う、大きな動き、として考えています…シノドス(共働性)という言葉には、私たちが理解すべき全てのものが含まれている。それは『共に歩く』ということです」(同年9月18日の講話)と語られました。日本の教会の”共に歩く”は、いまだにこの教皇の思いとはかけ離れた状態です。
・準備要綱で、シノドス総会第2会期に取り上げるべき課題として強調されているのは、「女性の活躍の促進」と「透明性と説明責任」です。
「基礎編」で、「教会生活のあらゆる領域における女性の役割」の考察に最も多くのスペースを割き、女性のカリスマと召命を「さらに十分に認める必要」を強調し、具体的な方策の検討に踏み込むことを求めています。
「本編」で「重要かつ緊急」を要する課題として7項にわたって触れられているのは、「透明性」と「説明責任」です。「シノダル(共働的)な教会には『透明性と説明責任を実践する』という文化が求められる」(73項)と指摘。 「現在、教会内における透明性と説明責任の要求は、財政上のスキャンダル、とどまることのない性的虐待、その他の未成年者や弱者への虐待などによる信頼性の喪失の結果として起きている」と現状分析し、具体的な取り組みの検討を提起しています。
・8月の記事別閲覧状況では、性的虐待関連は、東京教区の担当司祭の更迭、その後の謹慎処分が合わせて200件強。神言会元司祭の性的虐待裁判、北海道でのパリ外国宣教会司祭の性的虐待など、日本の教会の不祥事のほか、欧州や南米で新たに明るみに出た不祥事、関連の評論もよく読まれています。
その背景には、日本の教会、司教たちが、十分に説明責任を果たさず、透明性を欠いていることへの、信徒、読者の批判意識があるように思われますが、日本の司教たちはどのように受け止めているのでしょうか。それとも、不都合な批判には「耳を傾けること」さえしていないのでしょうか。
・シノドス総会第2会期の会合は「シノダル(共働的)な教会を目指すための課題への取り組み」(Vatican News 2024.2.17)の話し合いがなされます。女性助祭の叙階の是非など教義的、司牧的、倫理的諸課題や司教候補の選定基準・法的機能など10の課題はそれぞれの専門家による研究会で、2025年6月末までに結論を出すことになっており、教皇フランシスコが言われているように”シノドスの道“の歩みはもちろん、総会第2会議で終わるわけではありませんが、これまで3年間にわたる歩みが具体的な成果を生むための大きな節目を迎えていることは否定できません。
・太平洋諸島司教協議会(CEPAC)は3月のオンライン会議で、ライアン・ヒメネス会長が、一部の司祭が”シノドスの道“の歩みにいまだに参加していないことを認めたうえで、「この歩みに、聖霊が忍耐強く協力して働いてくださるように努めることが、私たちに求められているのです」と訴えました。この会議の主題は「舟に乗るのに遅すぎることはない」でした。
日本の司教たちも「努め」を放棄してはなりません。「遅すぎることはない」のです。
(「カトリック・あい」代表・南條俊二)