・14日まで一週間で少なくとも10人のカトリック高位聖職者がコロナで死亡(Crux)

(2021.1.18 Crux Inés San Martín

 新型コロナウイルスの世界的大感染が続く中で、カトリックの高位聖職者の感染、死亡が相次いでいる。

 新年に入って8日から14日のわずか一週間で、世界中で10人の司教が亡くなり、さらに17日には、南アフリカの主要教区であるダーバンのアベル・ガブザ大司教がコロナで命を落とした。教区長のポストを彼に引き渡す予定だったウィルフリード・ネイピア枢機卿は同日、声明を発表。「ガブザ大司教は、その優しさと思いやり、温かな性格を通して、全ての人に大きな影響を与えてきました。彼の死は南部アフリカの教会にとって大きな損失です」と追悼した。

 この期間で司教の死亡が集中したのは1月13日で、3つの大陸でザンビアのハムンゴレ司教を含めて4人の司教が亡くなった。英スコットランド最大のカトリック教会共同体、グラスゴー教区を率いてきたフィリップ・タータグリア大司教(70)、イタリア・ファーノ教区のマリオ・チェッキーニ司教(87)、ブラジル・リオデジャネイロ教区の教区長を引退していたエウゼビオ・オスカー・シャイド枢機卿(88)だ。

 このうちシャイド枢機卿は、コロナウイルス感染が分かり入院して、数日後に亡くなった。枢機卿が亡くなった際の慣習として、教皇フランシスコは、リオデジャネイロ大司教のオラニ・ジョアン・テンペスタ枢機卿に弔電を送り、深く哀悼を示すとともに、その功績を讃えた。ブラジルは、コロナ感染で米国に次ぐ多くの死者を出している。

 また、この一週間の初めに亡くなったのは、ベネズエラ・トルヒーヨのカストル・オズワルド・アズアヘ・ペレス司教(69)。ベネズエラの司教として初のコロナによる死者となったが、同国では、少なくとも8人の司祭と数人の修道女がコロナで亡くなっている。

 南米では、コロンビア・サンタマルタのルイス・アドリアーノ・ピエドラヒタ・サンドバル司教(74)が、昨年12月23日から入院治療中だったが11日に亡くなり、コロンビアで最初の司教の死者となった。。

 スコットランドでは、タータグリア大司教が亡くなった翌日の14日に、ダンケルド教区のヴィンセント・ローガン名誉司教(79)が死亡している。

 欧州では、ほかにポーランドのアダム・ディツコウスキー名誉司教(88)が10日に、ルーマニア・クルージュゲルラのフロレンティン・クリハルメヌ司教(61)が12日に、それぞれ亡くなった。

 南米メキシコも大感染が続いており、すでに100人近くの司祭が死亡しているが、メキシコシティの元大司教、ノルベルト・リベラ・カブレラ枢機卿も、コロナ感染で16日に入院している。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2021年1月18日