・新型コロナ危機対処へ、バチカンと世界教会協議会が連帯呼びかける共同文書発表

"Serving a Wounded World in Interreligious Solidarity" - cover design conceptualised by Sister Judith Zoebelein, FSE, of the Pontifical Council for Interreligious Dialogue
“Serving a Wounded World in Interreligious Solidarity” – cover design conceptualised by Sister Judith Zoebelein, FSE, of the Pontifical Council for Interreligious Dialogue

 この文書の特徴は、「父と子と聖霊の三位一体である神への信仰に宗教間連帯」の根拠を置いていることで、「すべての人間は家族、父の計画によって神に創造され」 「私たちの信頼と希望はイエス・キリストにあり」「私たち全員が聖霊の働きによってつながっている」。そしてこれは、普遍的な連帯の基盤となる「他者に奉仕するというキリストの模範」に倣い、「祈りを通して神に、奉仕と連帯を通して私たちの隣人たちに向かわせる聖霊の力」によって励まされる、としている。

 さらに文書は、「信仰と善意をもつすべての人々と共に、傷ついた世界で互いに奉仕する私たちを導く」ことが、キリスト教各派共通の原則であり、具体的には、「謙虚さと繊細さ、他者への敬意、同情、対話、悔い改め、感謝と寛大さ、そして愛」がある、と述べている。

 

 そして、「キリスト教徒が隣人に奉仕し、寄り添う」ための提案として、「苦難の証人となる方法を考えること」「霊性の共通の形を通して連帯を育てること」「若い人々の理想主義と活力を励まし、支援すること」、そして「宗教間連帯のための取り組みを再構築すること」を示している。

 この共同文書を発表した際の声明で、バチカンPCID議長のミゲル・アンヘル・アユソ・ギグソット枢機卿は「新型コロナウイルスの世界的大感染は、私たちの世界のもつ傷と脆弱性を明らかにし、私たちが、全人類家族への思いを持って、他の宗教的な伝統を持つ人々、そして善意の人々と連帯して対応せねばならないことを、知らしめました」と指摘。

  WCCの暫定事務総長、ヨアン・ソーカ博士は「新型ウイルスの大感染による危機の中で、人類家族は、互いを守り、私たちの共同体を治癒するための前例のない要請を、共に受けています」と述べ、「宗教間対話は、キリスト教徒としての私たち自身の信仰と存在についての信念を明確する助けとなるだけでなく、他の人々が持っているであろう様々な課題、そして創造的な解決策への理解に、私たちの心を開きます」と強調した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2020年8月28日