・広島・長崎原爆投下から75年を前に、米国の司教団が全米の信徒に祈りとミサ呼び掛け

(2020.7.14 Vataican News)

 原爆が広島に8月6日、長崎に同9日に投下されて今年で75周年を迎えるが、原爆を投下した米国のカトリック司教協議会の国際正義と平和委員会が13日、声明を発表し、日本のための祈りと、世界の正義と連帯を呼び掛けた。

【日本】 広島・長崎原爆投下から74年

 声明はまず、「8月6日と9日は広島と長崎の原爆投下75周年を記念する日。戦争で核兵器が使用された最初の、そして最後となることを希望する日です」とした。

 さらに、「21世紀は、国家および非国家主体の地政学的な対立、兵器の高度化が進み、国際的な軍縮の取り決めが侵食され続けています。米国の司教団は、核軍縮の進展を求める切迫した呼びかけを改めて行います」とと訴えた。

*祈りの呼びかけ

 そして、「聖ヨハネ・パウロ2世教皇が1981年に日本を訪問して以来、日本のカトリック教会は毎年、この時期に平和のための祈りをしています」としたうえで、「広島・長崎原爆投下75周年を記念して、全米のカトリック教徒と善意の人々に、8月9日の日曜日、個人的な祈りとミサで団結するように呼び掛けます」と全米の信徒たちを含む国民全員に呼び掛けた。

 さらに、「米国の教会は、キリスト・イエスの救いの犠牲による神の賜物である、私たちの世界の平和への明確な呼びかけと謙虚な祈りを宣言します」と強調した。

*平和の世界

 また、声明は昨年年11月に長崎を訪問した際の教皇フランシスの言葉を引用して、「核兵器のない平和な世界は、世界中の何百万人もの男女の強い願いです… 核兵器の脅威への私たちの対応は、相互信頼を築き、現在の不信の風潮を乗り越えようとする困難でありながら絶え間ない努力に触発され、協調して協調されなければならない」と訴え、教皇の「核の消滅の恐れや脅威ではなく、正義と人間の連帯による正義の世界を生み出すための新たな努力」への呼びかけを再確認した。

 声明の最後に司教団は「恐れと不信と紛争は、『平和と正義が永遠に君臨する』という信仰と祈りによる、私たちの共同の取り組みによって、取って代わられなければならない」と締めくくった。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2020年7月15日