・ポーランドの大司教が同国司教の児童性的虐待隠蔽でバチカンに調査要請(LaCroix)

(2020.5.18 LaCroix)

 ポーランド司教協議会の児童保護の責任者を務めるヴォイチェフ・ポラック大司教(グニェズノ大司教管区長)が18日までに、バチカンに対して、児童性的虐待を隠蔽した疑いのある同国の司教を調査するよう要請した。

 同国の教会で子供時代に司祭から性的に虐待され、管轄の司教によって隠蔽されたとする兄弟二人が、ドキュメンタリー映画を作成、16日にインターネットを通じて放映されたのを受けたものだ。

 聖職者による児童などへの性的虐待問題が世界に拡大、長期化する中で、教皇フランシスコは昨年、司教と修道会総長による性的虐待の隠ぺい防止のための具体的な措置を定めた自発教令「Vos estis lux mundi (あなたは世の光)」を出され、世界各国の司教団に対し、教会の信用回復のためにも、厳格な対応を求めておられる。

 今回のバチカンへの調査要請は、教令にもとずくポーランドの教会として初の対応となるが、ポラック大司教は「このドキュメンタリー映画で明らかにされた情報をもとに、バチカン大使館を通してバチカン当局に、(注:当該司教が上司への)報告義務を放棄したことに対して、教皇が自発教令で定めた措置に着手するように求めた」と説明している。

 この自発教令への対応では、米国のシンシナティ大司教区で、管理下の司祭の”疑わしい行動”を上司に報告せず、隠ぺいしたとして取り調べを受けていた補佐司教が今月7日、辞任するなど、各国の司教団に厳格な対応の動きが強まっている。

 【調査要請のもととなった、性的虐待被害者兄弟が作成したドキュメンタリー映画 Tell No On.】

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

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2020年5月19日