・トルコのカリタス、教皇の呼びかけに応え、他教会と連帯して被災者支援

The Cathedral of Iskanderun lies in ruins as outreach continuesThe Cathedral of Iskanderun lies in ruins as outreach continues 

(2023.2.9 Vatican News  Devin Watkins) 

   トルコ、シリアを襲った大震災で多くの住民に死傷者が出ていることに心を痛められた教皇フランシスコが、8日の一般謁見、そして9日のツイートなどで繰り返し、両国や世界の国々、国際機関が連帯して救援、危機克服に努めるよう呼びかけられている。

 この呼びかけに応えて、カトリック教会のいくつもの人道支援団体が、救援に動き出している。この地域を担当するカリタス・アナトリアも被災した何千人もの人々への支援物資の提供などを始めた。

 

*効率的かつ公平な支援

 シリアとの国境に近いトルコ南部のイスカンデルン市で支援活動に当たっているAntuan Ilgit神父はVatican News の電話取材に、「カリタスは地元住民に分け隔てなく温かい食事を提供しています。トルコのカトリック教会は強い連帯で支援に当たっている。 現時点で最も機能している機関の1つであると断言できます」と語った。神父はアナトリア使徒代理区の司教代理でイエズス会士だ。

 今回の大地震で、イスカンデルン市の大聖堂は、激しい揺れで完全に崩壊した。「それでも、教会は、被災し、困窮した人たちを受け入れるために、扉を開きました。教会には広い中庭があるので、宗派を問わず、助けを求める約100人が避難所できるようにしました」と神父は説明した。

A woman huddles under blankets in nearby Syria シリア側で被災し、家を失った女性

 

*危機の中でキリスト教一致が証しされている

 

 アナトリア使徒代理区の管轄地域はトルコ全土の約半分を占めており、その大部分が大地震の影響を受けた。そうした中で、カトリックの人道支援組織、カリタス・アナトリアの責任者でもある神父は、「遠隔地の多くには、支援の手がまだ及んでいない。私たちはそうした地域にも、支援の手を差し伸べようとしています」と述べた。また、「援助の実施に当たっては、公平を心がけています。このような緊急事態の中で、必要以上の援助物資をため込もうとする人もいるからです」とも語った。

 トルコ南東部にあるこのカトリック教会は、アルメニア正教会の司祭たちを含む他のキリスト教会の人々とも力を合わせ、この悲劇に対処している。「ほんの数日前に、私たちは彼らとキリスト教一致のための徹夜の祈りを下ばかりでした。 そして今、私たちはこの緊急事態に一致して対応しています。 アルメニア正教会の信者たちは、総主教庁からの援助物資を私たちと分かち合い、私たちはイスタンブールの使徒代理区からの援助物資を彼らと分かち合っている」と教会一致の成果を強調している。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2023年2月10日