(2022.3.9 Vatican News By Devin Watkins)
カトリックの国際人道支援組織、カリタス・ハンガリーが、ロシアのウクライナ軍事侵略で発生した大量の避難民の救援に、現地の教会と連携して全力を挙げている。
これまでに14万人以上の人々がウクライナ南西部から国境を超えてハンガリーに避難してきている。保護を求める前に、欧州の他国に移ろうとする人もいるが、皆が何らかの人道支援を必要としている。
このため、カリタス・ハンガリーの支援に協力する地元のカトリック教会は、彼らのために教会施設を開放。ハンガリー司教協議会は9日に声明を出し、カトリック教会挙げて、ウクライナから避難してくる人々に人道支援を実施することを言明した。
支援活動の最前線の一つが人口約850人の小さな村バラバス。ウクライナとの国境に位置している。現地にもうけられたカリタス・ハンガリーの現地本部には、毎日約200人から1000人のウクライナからの避難民が助けを求めて来ている。
カリタス・ハンガリーの活動に参加するボランティアはマイカーで、ウクライナとの国境まで、避難してくる人たちを迎えに行くーほとんどの人は徒歩で国境を越えてくる。そして、彼らを支援センターに連れて行き、食べ物、飲み物、医療、そしてしばらく間、休息する場所を提供する。教会や関係機関が所有するマイクロバスも動員され、ハンガリーの他の地域の避難所に人々を運ぶために使われている。
カリタス・ハンガリーは、バラバス以外にも多くの市町村に、支援センターを開設し、支援物資や支援金を集め、避難民の支援にあてている。首都ブタベストの東駅にも支援所を置いて、連日2500人前後に上るウクライナからの避難民の受け入れを支援している。教会や関係機関が所有するマイクロバスも動員され、ハンガリーの他の地域の支援センターに人々を運ぶために使われている。
司教協議会の声明によると、避難民に提供される援助金のほとんどは、利用品や燃料の購入、ウクライナの故郷などから避難してくる人たちの支援に宛てられている、という。
一方、バチカンの人間開発省の暫定長官であるマイケル・チェルニー枢機卿も、教皇フランシスコからハンガリーに派遣され、8日に昔のペスト治療施設だった建物を訪れ、ボランティアやウクライナから避難してきた人々に教皇の祈りの意向を伝え、激励した。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)