・カナダで、さらにカトリック教会が運営していた先住民寄宿学校で 751人の遺体発見(Crux)

(2021.6.24 Crux  Associated Press)ー6.26改

Report: 751 bodies found at Indigenous school in Canada

Signs are pictured at a memorial outside the Residential School in Kamloops, British Columbia., Sunday, June, 13, 2021. The remains of 215 children were discovered buried near the former Kamloops Indian Residential School earlier this month. (Credit: Jonathan Hayward/The Canadian Press via AP.)

 カナダ・サスカチュワン州レジーナ発—カナダの先住民グループのリーダーが24日、かつて先住民の子供たちを収容していた寄宿学校で印のない751人の遺体が埋められているのを発見した、と発表した。先月、別の学校で215人の遺体が埋められていたことが明らかになったのに続くもの。

 発表者のサスカチュワン州の先住民連盟のボビー・キャメロン会長は「これは人道に対する罪であり、先住民に対するひどい扱いを示すものだ」と強く批判し、カナダ全土にある同様の寄宿学校跡から、さらに多くの遺体が見つかるだろう、と述べた。

 この問題に関してはカナダ全土に約130もあった同様の寄宿学校に収容されていた数千人の子供の行方が不明になっており、関係者の間に「人道に対する犯罪だ」などと衝撃が広がっている。トルドー首相は「心が痛む。我々は真実を認め、過去から学ばなければならない」とする声明を出した。

 今回多くの遺体が埋めらているが発見されたのは、1899年から1997年にかけて政府の委託を受けたカトリック教会が運営していたMarieval Indian Residential School跡地。現地の関係者は「埋葬場所にはかつて印が付けられていたが、学校を運営していたカトリック教会が、印を外してしまった… 教皇は、最近までなされていたことに謝罪する必要がある。謝罪は”癒しの旅”の第一段階だ」と強調している。

 先月、同国のブリティッシュ・コロンビア州カムループスの近くにあった同国最大の先住民寄宿学校だった場所に、3歳の幼児を含む215人の子供たちの遺体が埋められているのが発見された。これを知らされた教皇フランシスコは、「この悲しい事件」に光を当てるように、カナダの教会や政府関係者に強く求めたものの、先住民やカナダ首相が求めた謝罪には応じなかった。

 19世紀から1970年代にかけて、15万人以上の先住民族の子供たちが、カナダ社会への同化運動の一環として、国が資金提供するカトリックなどキリスト教の学校に通うことを強制された。現在のカナダ政府は、これらの学校では、児童、生徒たちが母国語を話すことで殴打される暴行が頻繁に起き、身体的および性的虐待が蔓延していたことを認めている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2021年6月25日