・エルサレム旧市街のキリスト教会へ脅威高まる

 (2018.5.9 「カトリック・あい」) 英紙ガーディアンの現地特派員が伝えるところによると、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の三大宗教の聖地であるエルサレムで、とくにキリスト教徒に対するユダヤ教徒強硬派の圧力が強まっている。現地の教会指導者たちによると、司祭たちが暴言を吐かれたり、唾を枯れられたり、教会の施設が破壊されたりする被害が目立ってきた。

 教会関係者によると、現在三つの脅威に直面している―ユダヤ人入植者が起こす激しい摩擦、エルサレム市による予告なしの課税、そして教会の土地を民間土地開発業者に引き渡すようにとの圧力―だ。

 この問題について、エルサレムのギリシャ正教会主教でキリスト教各派のリーダーでもあるテオフィロス三世はガーディアン紙に「現在、教会は、入植者のある集団の手の中で、もっとも厳しい脅威に直面しています。彼らは、エルサレムのキリスト教共同体社会の存在を削り取ろうと策動を続けている。彼ら過激派は高度に組織化されており、昨年以降、多くの教会と聖なる場所が冒涜され、破壊の被害に遭っており、司祭たちや信徒たちから襲撃を受けたとの報告が増えています。だが、当局はほとんど何もしてくれません」と嘆いた。旧市街の城壁の外、シオンの丘の教会所有の”緑の園”も荒らされており、樹木が抜き去られ、ごみが撒かれ、石には落書きがされ、聖霊降臨教会の内部にはペンキがかけられた、と言う。

 (カトリック教会の聖地でもある聖墳墓教会に危険が‥‥=「カトリック・あい」南條俊二 撮影)

 

 

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2018年5月9日