・「このままロシアの軍事攻撃を許せば、我が国は”死の収容所”になる」ウクライナ正教の総主教が攻撃阻止訴え

His Beatitude Sviatoslav Shevchuk, Major Archbishop di Kyiv-HalycHis Beatitude Sviatoslav Shevchuk, Major Archbishop di Kyiv-Halyc 

(2022.2.23 Vatican News Lisa Zengarini)24日改 

 ロシアがウクライナ東部の二つの州の独立を一方的に認め、24日にはウクライナへの軍事攻撃を開始、民間人などに死者を出している。ウクライナ正教会の指導者であるスヴャストラフ・シェフチュク総主教(キエフ・ハールイチ管区)が22日、声明を発表。「戦争回避のために積極的に取り組むことは、全人類の義務と責任」とし、世界中の善意の人々が、戦争回避に連帯してくれるよう訴えた。

 

*プーチン大統領の行為は、平和を求める国際社会への重大な挑戦

 シェフチュク総主教は声明で、ロシアのプーチン大統領が親ロシア派勢力が自称”ドネツク人民共和国””ルガンスク人民共和国”の独立を認めたことは、「国際社会すべてと国際法への重大な挑戦であり、脅威をもたらすもの」と警告。 「平和と社会の公正な秩序、法の支配、国の権力者の説明責任、人と命、人権を守るために不可欠な国際関係の論理にとって、取り返しのつかない打撃がなされている」と強く非難した。

*ロシア軍の本格的な軍事侵攻のリスクが高まっている

 総主教はまた、2014年のウクライナ東部での新ロシア武装勢力による紛争発生以来、この地域の人々が負った「深い傷」を思い起こし、プーチン大統領の行為は「ウクライナの平和を回復する長期的な道筋の基本原則を破壊した」とし、「こうした行為は、ウクライナの人々に対する本格的な軍事攻撃の前触れを成すものだ」と批判した。

*戦争を回避、平和を守るのは全人類の義務

 さらに、声明で「ウクライナの独立、領土保全、主権擁護は、すべてのウクライナ国民が生まれながらに持っている権利であり、それを守るのは国民の義務」と強調する一方で、「戦争を回避し、公正な平和を守るために積極的に取り組むことは、すべての人類の義務と責任でもあります」と訴え、ウクライナの人々を神が守ってくださるように、と祈って、声明を締めくくった。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年2月24日