・「教会の現状に合った教区の合併・再編成の検討を」-教皇、イタリア司教協議会総会で

イタリア司教協議会総会で話す教皇フランシスコ、バチカン・シノドスホール – REUTERS

(2018.5.22 バチカン放送)

 イタリア司教協議会の第71回定例総会が21日から4日間の予定でバチカンのシノドスホールで開 かれ、教皇フランシスコは初日に出席され、開会の言葉を述べられた。

 教皇は冒頭で、聖霊降臨の翌日にあたるこの月曜日は、今年から典礼暦に加えられた「教会の母マリア」の日であることに言及。「教会の歩みをマリアが母として見守ってくださるように」と祈られた。

 そして、討議を助けるものとして、今日の教会のいくつかの問題を示され、「召命の危機」「福音的な清貧」「教区間の再編成」などのテーマを司教らと分かち合われた。

 このうち「召命の危機」については、その原因を、人生の決定を回避する「暫定性」の文化、相対主義、お金を第一とする傾向、出生率の低下、また教会のスキャンダルや「信仰の証しの生ぬるさ」などの中に見つめられ、「何世紀にもわたって、多くの司祭や修道者、宣教師を生み出してきたこの地とヨーロッパ大陸が、効果的な対策を得られないままに、召命不足に苦しむのを見ることは悲しいことです」と述べられた。

 こうした中で、「できることから始める」ように勧められ、その具体策として、「召命の豊かな教区と不足している教区間での司祭の交換」などを提案された。

 また、福音的貧しさについて「清貧は、使徒的生活の母であり、壁です。清貧は使徒的生活を生み、そして守るからです」と語り、教会の財政のあり方と透明性を訴えられた。

 最後に、司牧の要請と教区の機能向上に対応するために、人口や司祭数、施設の分布、運営の効率などを考慮した上で、「教区の合併など、管轄地区の再編成の可能性を探る」ように促された。

(バチカン放送日本語版をもとに「カトリック・あい」が編集)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年5月23日