・「信徒の減少、高齢化、そして文化的多様化が進んでいる」豪司教協議会が報告書

A worshipper at Easter Mass in MelbourneA worshipper at Easter Mass in Melbourne  (ANSA)

 オーストラリアのカトリック司教協議会の司牧研究センターが17日、2021 年の国勢調査結果をもとにした同国のカトリック 信徒の情勢に関する報告書を発表した。

 それによると、信徒数の縮小と高齢化だけでなく、文化的、言語的、儀式的な多様化も進んでいることが明らかになった。

 具体的には、同国の信徒数は2021年現在で 507万5910 人で、総人口に占める割合は 20% で、2016年の22.6%から 5 年間で約 2.5ポイント減っている。

 司教協議会会長のティモシー・コステロ大司教は「我が国における宗教的多様化の傾向を考えると、この数字は驚くべきことではない」と述べつつ、こうした傾向に失望していることを認めた.

 懸念されるのは、この国のカトリック信徒の高齢化がさらに進んでいることで、年齢の中央値は1996 年に 33 歳だったのが、2021年に43歳と、10歳も上がっている。ちなみに、全人口の年齢の中央値は38歳と、カトリック信徒よりも5歳も若い。

 また信徒数の9.7%、49万3225人が一人暮らしで、6.7、34万2034人が助けを必要としている。

 文化的および言語的多様性も顕著になっている。報告書によると、2021年現在で136万9744 人の信徒、総数の 21.4% が英語を話さない国で生まれ、21.5% が自宅で英語以外の言語を話している。 2006 年には、これらの数値はそれぞれ 17.9% と 19.2% だった。

 また英語を母国語としない信徒の主な出身国は、フィリピン、イタリア、インド、ベトナム、クロアチア (旧ユーゴスラビアの他の国と合わせて数えた) だ。この傾向は、同国の国民全体の傾向ともほぼ一致している。

 同国では、1996年以降、カトリック信徒のうち東方カトリックの信徒は別にカウントしているが、現在のカトリック信徒総数の1.5%、 7万7393 人 が東方カトリック教会に属し、うち4万7003 人がマロン人、3091 人がメルカイト人、2886 人がウクライナ人、1万4108 人がカルデア人、1万305 人がシロマラバール人となっている。

 ただし、東方カトリック信徒の実際の数はおそらくこれよりも多いと見られている。 報告書によると、同国のカトリック信徒総数の 3% 強が、伝統的に東方教会に関連する言語を家庭で話している、からだ。また家庭で話されている言語は他に、 7万7727 人がアラビア語、3万4237 人がアッシリア/カルデア語、3万8288 人がマラヤーラム語、2967 人がウクライナ語と、多様化を印象付けている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2023年4月18日