(2024.6.29 Vatican News Amedeo Lomonaco)
ロシアの侵略を受け続けているウクライナ政府が6月25日、露軍との捕虜交換により、自国兵士90人がウクライナに帰還したと発表していた。
だが、兵士のほかにも司祭2人を含む10人が解放されたことが29日明らかになり、ウクライナのゼレンスキー大統領とウクライナ東方カトリック教会の長であるシェフチュク大主教が、「解放実現に、計り知れない貢献をしてくださった」として、教皇とバチカンに感謝の意を表した。
解放された2人の司祭は、ローマに本部を置く男子修道会「レデンプトール会」のイワン・レビツキー神父とボフダン・ヘレタ神父。2022年11月16日にウクライナのロシア軍支配地域で”武器携帯”の容疑で逮捕、拘束された後、長い間、所在不明となった。シェフチュク大主教が2人の生存を確認したのは、つい先日だった、という。
ウクライナのゼレンスキー大統領は29日までにX の投稿で、司祭2人を含む10人が解放されたことを明らかにし、「支援してくれたすべての人に感謝します。ロシア軍の捕虜になっている人々の解放に尽力している私たちのチームに感謝します。また、これらの人々の帰国を実現させたバチカンの努力にも感謝したいと思います」と謝意を表した。
ウクライナ 東方 カトリック教会の首座主教で長であるシェフチュク大主教も声明を発表し、今回の解放実現に『測り知れない努力をしてくださった」として、教皇フランシスコとパロリン国務長官はじめバチカンの外交団全員の努力に深く感謝した。
声明では、解放された2人の司祭が今後、ロシア軍に一時的に占領されたことのある地域で、彼らが世話してきた共同体と共に留まり、東方カトリック教会とローマカトリック教会の両方の共同体に奉仕する道を選んだことも記されている。彼らは武器所持の容疑で逮捕された。スビアトスラフ大司教が、2人のレデンプトール会修道士がまだ生きているという確認を得たのはつい最近のことだった。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)