・米カトリック教会のコロンバス教区、2年半で神学生が二倍以上の40人に、その”秘密”は

Bishop Earl Fernandes visits the offices of Vatican News(アール・フェルナンデス司教、バチカン・ニュースのオフィスを訪問)

  米国カトリック教会のコロンバス教区では、アール・フェルナンデス司教のリーダーシップと司祭召命の働きかけのにより、わずか2年半の間に司祭候補者である神学生の数が17人から40人に大幅に増えた。

 2022年5月にコロンバス教区長となったのフェルナンデス司教は、自身の司教叙階式でのあいさつで、その年に叙階される司教の数が「コロンバス教区の司祭の数を上回ります」と語った。会衆は笑ったが、司教の発言は事態の深刻さを反映していた。

 「当時、教区には新しく叙階された司祭はおらず、私はまず、福音化と司祭の召命を増やす努力という2つの課題に直面していました」とフェルナンデス司教はVatican Newsの取材に答えた。司教は、教皇フランシスコが召命のために祈るよう教会に要請された先月、バチカンを訪問した。

*職業識別プログラム

 

 フェルナンデス司教はコロンバス教区長に就任後、直ちに職業識別プログラムを実施、2年半で神学生の数を倍増させた。そして、昨年は新たに5人の司祭を叙階したが、 「これは、信徒が秘跡を受けやすくなったことを意味します」と司教は成果を強調した。

 また、司祭召命の増加について、「一貫した努力と祈りの賜物。私たちには非常に有能な『召命ディレクター』がおり、『メルキゼデク・プロジェクト』、すなわち若者のための定期的な職業識別の日を担当し、教皇庁立ヨゼフィヌム大学で、召命の週末を企画・実施しています」と説明。

 さらに、教区として年に4回、司祭職への召命を考えている若者たちと夕食を共にする 「アンドリュー・ディナー 」を開いており、「この食事会の間、私は質問に答えながら、神学生たちは自分の証しを語ります。司祭生活がどのようなものかを肌で感じる機会にもなっています」としている。

*教皇と教会への愛で満たされる

 

 司教は「司祭と神学生の養成を重視ししており、特に信徒との効果的な対話には教養ある司祭が必要」と指摘。教区として、司祭と神学生をローマに派遣して学ばせることとし、現在、2人の神学生と5人の司祭がそうしている。「ローマ留学は、彼らが聖なる父に近づき、普遍的な教会に触れ、教区神学校で教えるための教育資格を得る機会となる。普遍教会と聖なる父への愛で満たされ、その愛を私たちの教区に持ち帰るでしょう」と期待を込めて語った。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2025年3月1日