The Third Tokyo Peace Roundtable organized by Religions for Peace International
(2025.7.4 Vatican News Francesco Ricupero)
世界中の諸宗教代表によるReligions for Peace International(RPI=国際・平和のための諸宗教者)が主催する「平和に関する円卓会議」が1日から3日まで東京で開かれ、現在の紛争多発による世界的危機に対処するため、諸宗教指導者間の信頼関係の構築と、人道支援における政治指導者との連携について議論した。
会議では、ウクライナ、ガザ地区、ミャンマーに特別な関心が向けられ、今後、内戦状態が続くミャンマーに焦点を当てた会議を開催する予定という。
円卓会議には、キリスト教宗派の指導者に加え、イスラム教、仏教、ヒンドゥー教、ユダヤ教、儒教、神道、シーク教、道教、伝統宗教の代表者も多数出席。カトリックからは、ヤンゴン大司教でミャンマーでのRPIのコーディネーターであるチャールズ・マウン・ボー枢機卿が参加した。(Vatican Newsでは、日本のカトリック教会の代表の参加は確認されていない)
参加者には、ボー枢機卿の他、紛争の影響を受けている国々からの代表者も数名おり、会議では①和解への取り組みを支援し、その達成における課題を特定するために宗教指導者間の信頼と相互理解を構築すること②それぞれの伝統の中核原則に根ざした有意義な宗教間対話を促進すること③紛争予防と人道支援に重点を置きながら、地域レベルでの平和イニシアチブを推進するために政治指導者との多宗教協力を促進すること④世界的な平和構築の取り組みを強化するために政策立案者、政府間機関、市民社会との連携を強化すること、などが話し合われた。
円卓会議の主催者の一人、イタリア宗教者平和協会のルイジ・デ・サルビア会長はVatican News の取材に対し、「私たちは、紛争に苦しむこの世界が癒され、比較的穏やかで調和のとれた寛容な時代に戻ることを願っています。私たちは信じ、希望を持たなければなりません。特にこの聖年においてはなおさらです」と言明。
「信頼と希望は、常に存在していなければなりません。患者が治癒のための治療を受けるのと同じように、患者が治療を信じなければ、その努力は無駄になってしまいます。この東京での円卓会議から新たなアプローチと新たな考え方が生まれることを願っています。そして、継続的なコミットメントを再確認することを期待しています」と述べた。
RPIは、1970年に京都で設立され、諸宗教の違いを深く尊重するという原則に基づき、平和のための多宗教協力に努め、90か国以上の宗教者が参加する国際ネットワークとして、紛争解決、人道支援、その他の平和構築活動に取り組んでいる。あらゆる大陸において、国際レベル、地域レベル、そして国家レベルにおける対話と宗教間協力を通じて行われており、この組織は特に世界で最も紛争が深刻な地域で活動している。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)