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パリのノートルダム大聖堂は大規模火災からの再建が進み、8日、5年ぶりにミサが捧げられ、9日から一般公開が始まった。
ミサにはマクロン大統領や、国内外の教会関係者、市民が招待され、修復したばかりの大聖堂に2000人あまりが参列。ミサの冒頭、パリのローラン・ウルリッヒ大司教は、大聖堂の再開を歓迎するとともに「戦争や暴力に直面している世界のすべての人に思いをはせる」と述べ、平和を願う祈りを捧げた。
(以下、NHKの報道より)
参列した人たちは、巨大なパイプオルガンの澄んだ音色とともに、聖歌を歌った。市内の教会の関係者だという50代の女性は「火災は悲劇でしたが、みんなを修復という同じ目標に突き動かしてきました。こうして再開できてとても感動しています」と語り、10代の女性は「いまの世界情勢だからこそ平和を祈ることが大切だと思います。すばらしいミサでした」と話した。
ノートルダム大聖堂はパリの観光名所としても知られ、今後は火災前より多い1日4万人が訪れることを見込み、訪れる際は、新たに設けたウェブサイトでの事前の予約を推奨している。
そして、「この寛大さは、人類が芸術や歴史に寄せる愛着の証であるだけでなく、このような建造物が持つ永続的な象徴的・神聖な価値の証しでもあります。この価値は、今もなお、あらゆる年代の人々から広く認識されています」と述べられた。
また、大聖堂の綿密な修復作業に献身した数え切れないほどの専門家や職人たちに感謝の意を表され、「皆さんの仕事は、技術的な達成以上のもの。それは精神的な旅でした。作業に携わった多くの方が証言されているように、この冒険は、信仰のみによってこのような傑作を可能にした彼らの先祖の足跡をたどる、真の精神的な道でした。再建は、信仰、職人技、献身の間の深い結びつきを反映したものであり、また「神聖でないもの、理解できないもの、低俗なものは一切存在しない」という伝統の証しでもあります」と讃えられた。
さらに教皇は、「大聖堂の再開は、フランスにおける教会の刷新の予言的な象徴です」とされ、「パリとフランスの敬虔なる皆さん、天の父が住まわれるこの家は皆さんのものです。皆さんこそがこの家の生きた石なのです」と強調。
今後何年にもわたってノートルダム大聖堂を訪れる大勢の人々、巡礼者や観光客、そしてその多くが意味や希望を求めている人々を思い起こされ、ウルリッヒ大司教に「私は彼らのために扉が広く開かれ、兄弟姉妹として寛大に、惜しみなく彼らを迎え入れることを知っています」とされ、大聖堂を訪れる人々が、神の存在から生じる平和と喜びに出会い、光に満ちた修復された丸天井を見上げながら「神の揺るぎない希望を分かち合う」ことができるよう願っている、語られた。
メッセージに最後に教皇は、7日の落成式に参列したすべての人々に使徒の祝福を与え、フランス教会とフランス国民全体にノートルダム・ド・パリの保護を願われた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)