(2021.6.4 Vatican News staff reporter)
教皇フランシスコは今年10月から、教区レベル、大陸レベル、世界レベルの三つの段階で話し合いと識別を進める3年にわたる「シノドスの旅」を始めることを決定。世界のすべてのカトリック教区に対し、旅の仕上げ、第三段階として2023年10月に開く全世界代表司教会議(シノドス)第16回総会に向けて、今年10月17日から、第一段階としての教区の聖職者、信徒との話し合いを始めるよう求めている。
これを受けて、ニュージーランドの司教団は、国内の全信徒の意見を求める準備を始めた。同国カトリック司教協議会(NZCBC)会長のジョン・デュー枢機卿は4日、声明を発表し、各教区に対して、検討されるべき課題について、教区民と話し合いを行うよう求めた。
声明で枢機卿は「教皇は洗礼を受けたすべての人の声を聴くことを希望されています。カトリック教会全体と、教会のすべての人に影響を与える意思決定過程に、神の民がより広く参加する機が熟していると信じておられます」としたうえで、教区レベルでの話し合いの進め方を明示した。
それによると、まず、それぞれの司教が、自分の教区での話し合いを主導する代表者を任命し、話し合いを進めた後、来年初めに司教会議を開き、「私たち司教に託された教会に聖霊が吹き込まれた声に耳を傾けます」。その結果を報告書にまとめ、オセアニア・カトリック司教協議会連盟に提出する。同連盟は、この地域の国々の司教協議会から出された報告書を基に話し合いをし、出された意見をまとめて、バチカンのシノドス事務局に、2023年のシノドス総会の準備文書に生かされるようにする。
デュー枢機卿は「教皇フランシスコは、司教、司祭、そして信徒たちに、教会の共通の使命を共に歩むよう、頻繁に呼びかけてこられました。教皇は、神の民に耳を傾けることが不可欠であると確信しておられます。それは、現地の教会で司祭、信徒たちの言葉を聴くことなのです」と強調した。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)