(2026.9.9 Vatican News Linda Bordoni)
2022年2月にロシアが全面侵攻を始めて4年半、5度目の冬を迎えようとしているウクライナ。特にここ数か月、ロシアによるミサイルやドローン攻撃の頻度と激しさが増し、これまでの様々な犠牲で心身ともに傷ついた人々にとって耐え難いものになっている。
国連人権監視団によると、7月は、ロシアによる全面侵攻開始当初以来、ウクライナの民間人にとって最も死者が多かった月であり、数百人の民間人が死亡し、数千人が負傷した。キエフだけでも、住民たちは繰り返される攻撃に直面し、つい最近の1週間では1日に10回近い空襲警報が鳴り響いた。(写真は、空襲警報で避難した人々―首都キエフで)
世界的なカリタス援助ネットワークの一員であり、イングランド・ウェールズカトリック教会の公式援助機関、「カトリック海外開発機構(CAFOD)」のウクライナ緊急対応プログラム・マネージャー、ヘンリー・ウィルソン=スミス氏は「民間人が現在、現地でますます悪化する状況に直面しています… 子供を学校に送ったり、仕事に行こうとしたりしている最中に、携帯電話で空襲警報が鳴り、『命の危険を冒してそのまま行くか、すべてを放り出して避難所へ逃げ込むか』の判断を迫られる状況を想像してほしい」とVatican News に語った。
「前線に近い地域に住む人々にとって、こうした日常生活の中断は常態となっています… ウクライナ東部のハリコフでは、小型爆弾搭載のドローンから市民を守るため、当局が市内の一部に防護ネットを設置しました。これは、国内各地の一般市民が直面している日常の現実の一端を示しています」とウィルソン=スミス氏は語った。
*人々の疲労、そして回復力
戦争の影響は、爆撃による差し迫った危険にとどまらない。長年にわたる攻撃で、家族は避難を余儀なくされ、家屋は破壊され、生活に必要なサービスは、繰り返し中断されてきた。それでも、「深い疲労感と並行して、生き抜こうとする人々の並外れた決意を今も目の当たりにしています… 信じられないほどの疲労感がある一方で、ある種の回復力を持っているのです」とウィルソン=スミス氏は語る。
彼は、ハリコフ地方での戦闘で家を失ったイゴールとルスラナという高齢の夫婦との出会いを振り返った。「彼らは、その場に留まり、損壊した家の裏にある小屋で暮らしながら、煉瓦を一枚ずつ積んで自宅を再建していました。このように、蓄積する疲労にもかかわらず、こうした状況の中で生き抜こうとする、全国の人々の信じられないほどの回復力がいまだに存在するのです」と強調した。
*厳冬というさらなる試練が目前に迫る
厳冬を前に、ロシアはウクライナのエネルギーインフラを繰り返し攻撃し、多くの家庭の電気や暖房を失わせている。「残念ながら、またしても信じられないほど厳しい冬になるでしょう。CAFODとそのウクライナのパートナー団体は、特に被害の大きい前線地域の家庭にヒーター、モバイルバッテリー、毛布を配布しています」と説明した。
長期にわたるロシアの攻撃で、人道支援の焦点は、もはや、単なる当面の生存の確保だけにとどまらないものになりつつある。
「CAFODは、支援対象となる地域社会そのものからスタッフを輩出していることが多いウクライナの団体と協力し、この課題に立ち向かっています。支援スタッフたちは、自らも避難や喪失、戦争のトラウマを経験してきている。だからこそ、今まさにそうした経験を味わっている人々を支えるのに、彼らほど適任な存在はいません」と言う。
CAFODが提携している団体には、カリタス・ウクライナ、カリタス・スペス、その他の宗教系の援助組織が含まれる。これらの団体は、食料、水、衣類、緊急避難所の提供だけでなく、家族が仕事に戻れるよう支援し、子どもたちが学校に戻れるよう手助けし、人々が心理的支援を受けられるようにするため、ますます連携と調整を深めている。
また、損傷した住宅の修復や、戦争の混乱の中で失われた重要な書類を避難民が取り戻せるよう支援も行っている。
(キエフでの炊き出し=写真提供:@CAFOD)
*私たちにどのような支援ができるか
しかし、人道支援は人々を支える要素の一部に過ぎない。故フランシスコ教皇は、自身が「殉教するウクライナ」と呼ぶ状況への共感を繰り返し表明され、教皇レオ14世も平和を訴え続け、戦争の苦しみに直面する人々への連帯を表明し続けている。
「そうしたメッセージは、間違いなく現地の人々に届いています… 祈りや人道支援を通じて表現される連帯は、物質的な支援そのものと同じくらい重要になり得る。私が全国各地で話を聞いたウクライナの人々は、その連帯や祈り、そして『一人ではない』という感覚を強く自覚しています」と語った。
ウクライナ国外の人々に何ができるかと問われると、ウィルソン=スミス氏は、「祈り」「実践的な支援」、そして「現地の情報を得続けること」とし、「祈りと行動が彼らの助けとなり、希望を築くことができる」とし、「現地での体験談を語っているウクライナ人自身による視点や記事を、積極的に探し出して読んでほしい」と述べた。
そして、「ウクライナの人々の多くは、自身も避難を余儀なくされ、親族を亡くし、防衛戦に従事する家族を持っています。それでも彼らは、他者の世話を続けている。経験してきたあらゆる困難にもかかわらず、自らの生活を再建しつつ、他者に奉仕することを選んでいる。だからこそ、その使命において彼らと肩を並べて立つことが、私たちの責任だと感じています」とウルソン=スミス氏は強調した。
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(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)