・「AIの急激な発展がもたらす差し迫った危険への対処」を訴えー米カトリック司教団代表がAI企業代表らと会談

「危険への対処が喫緊の課題」:アメリカの司教らがAI代表と会談

 大手テクノロジー企業内部からAI技術に対する懸念を表明する声が増えているのを受け、米国カトリック司教協議会(USCCB)代表が16日、AI(人工知能)分野の企業代表や専門家と会談し、この新技術がもたらす「現実的かつ差し迫った危険」に対処する必要性を強く訴えた。

 USCCBの広報担当、野口千恵子氏は、「今回の会合は建設的なものだった」とし、「対話では、AIシステムを人類のために役立てる方法と、その技術がもたらす現実的かつ差し迫った危険性に対処する必要性について議論された。AIに関係する最近の出来事は、関係者全員による行動の必要性を改めて浮き彫りにしAIた」と述べた。

 また「司教たちは、こうした対話を通じて、教会がAIモデルの倫理的基盤に貢献できる方法や、企業が自社の発明の悪用を防ぎ、技術に対する人間の監視を保証するために講じることができる措置を特定するのに役立つことを期待しています」と説明した。

 16日、OpenAIはAIモデルによる「予期せぬ、あるいは懸念される」挙動に関する6件の報告書を公開した。

 8月には、Google、Anthropic、OpenAI、Microsoftなどのリーダーをはじめとする数十社が、「AIが病院を含む機関や企業に対して危険なサイバー攻撃を間もなく実行する可能性がある」とする公開書簡を発表している。

 野口氏によると、今回の話し合いでは「教会と産業界がどのように協力して、テクノロジーが人間中心の方法で使用され、一人ひとりの尊厳が尊重され、貧富を問わずすべての人に利益をもたらすようにできるかという目標にも焦点が当てられた」という。

 また、この会見で野口氏は、USCCBが「AI時代における人間の尊厳の維持に関する特別委員会」を設立し、サンノゼのオスカー・カントゥ司教を委員長に任命したと発表。また、十数名の司教が連邦議会議事堂を訪れ、議員らと面会し、AIに関する安全対策を求めるとともに、子どもたちのオンライン上の安全を守る法案への支持を訴えたことも明らかにした。

*パロリン国務長官も、AIに関して”一部の国”の単独行動”を懸念

 バチカンのパロリン国務長官も16日、国際協力が重要な時期に、一部の国がAIに関して「単独行動」を取ろうとしていることへの懸念を表明。「私が懸念しているのは、実際に、この問題で単独行動をしようとする国々が存在することだ」とし、「この現象を真に統制できる共通のルールを確立するために、すべての国が関与することが求められている」と強調。

 さらに、 「皆が協力して答えを見つけることができれば最善だ。なぜなら、この問題に、人類の未来が本当にかかっているように思えるからだ」とし、AIに対する規制強化を求める声がテクノロジー業界内で最近高まっていることについて、「こうした議論が倫理的な理由に基づくものであることを願っている」と述べた。

*教皇もAIの台頭による危険性を指摘

 

 同じ16日には、教皇レオ14世が水曜恒例一般謁見で、台頭するAI技術の危険性と可能性について語られた。

 「技術の発展、マスメディアやソーシャルメディアの普及、そしてAIの利用の拡大は、新たな可能性を切り開き、障壁を取り払い、距離を縮めている」と評価しつつ、「一方で、人間関係はますます個人的なものではなくなり、仮想的なものへと変化していく傾向があり、人間の良心のみが行うべき決定をアルゴリズムに委ねることに慣れてしまう危険が増している」と警告。

 「社会的な人間関係に真の意義と個人的な深みを持たせることこそ、キリスト教共同体が提供しようとしている貢献なのだ」と訴えた。

 また5月に発表された教皇就任後初の回勅『Magnifica Humanitas』で、AIの厳格な規制を求め、AI開発者に対し公共の利益のために尽力するよう呼びかけておられる。

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2026年9月18日