(2020.3.3 Bitter Winter
新型コロナウイルスの感染拡大について報道して逮捕され、幾へ不明の方斌、陳秋実、そしてリー・ゼフアの各氏
中国政府・共産党が管理し、巧妙に仕組まれたプロパガンダの道具になっている”公式メディア”に失望し、中国国内で起きている真実を調べ、報道しようとする”非公式”ジャーナリストが増えているが、彼らは深刻な危険にさらされている。
武漢が発生源となった新型コロナウイルスの感染拡大の実情を報道していた方斌、陳秋実、そしてリー・ゼフアの三氏が最近、相次いて当局に逮捕された後、消息を絶った。
政府・共産党は、自己のイメージを害する恐れのある情報が国外に流出するのを防ごうと、市民ジャーナリストが投稿するソー
シャルメディアの情報を検閲する取り組みを強化しており、勇気ある報道を続けようとする人々が監視され、抑圧され、跡形もなく消される人も出ているのだ。
中国の宗教的迫害について報道を続けているBitterWinterの支援・協力者も同様の危険に直面している。 2018年夏にBitterWinterが中国共産党から「海外の敵対的ウェブサイト」に特定されて以来、少なくとも45人の記者、特派員、寄稿者が「国家秘密漏えい」または「外国勢力の国内浸透への関与」の罪で逮捕された。
逮捕された記者の一人は、尋問官から「国家に関する否定的な情報を外国に送る者は裏切り者… 資料の収集と報告は国家権力の転覆を狙うスパイ行為だ」と言われたという。
「中国の真実を調査し、報告するのは、大きなリスクを伴います」と湖北省のBitterWinterの記者は説明する。当局は住民に、「スパイ」について報告することを要求している。そして中国の”対スパイ法”には「スパイ行為をしている人物を知っていて、関連の証拠提供を拒否する者は刑事責任を負う」と規定している、と言う。
「住民がどうやって”スパイ”を摘発できるでしょう… 共産党の狙いは、公にしたくない情報を共有している人々の逮捕です。そういう情報を彼らは『国家機密』と呼び、海外に伝える者に『スパイ』のラベルを貼るのです」。
先月24日、浙江省の寧波中級人民法院は、香港のCauseway Bay Booksのオーナーの1人である桂海に「海外への不法な情報提供」をしたとして、10年の懲役刑を言い渡した。これより前、昨年7月には、地方政府の不正行為と残虐行為を20年近く暴露し、人権サイト「64tianwang.com」を設立した黄芪氏は、「違法に国家の秘密を外国企業に提供」したとして、12年の刑を宣告されている。
国際女性メディア財団から「勇気賞」を二度授与されている女性ジャーナリスト、高瑜女史は2015年に、北京市第三中级人民法院から「西洋の自由主義思想に反対するキャンペーンの開始に関する文書を漏らした国家機密漏洩罪」で懲役7年の刑を言い渡されている。