ポーランドのウクライナの国境で、避難の実情を聞くオロリッシュCOMECE(右)、クリーガーCEC両会長 (左) (Alessandro Di Maio)
(2022.4.8 Vatican News Linda Bordoni)
欧州連合(EU)カトリック司教協議会委員会(COMECE)のクロード・オロリッシュ会長と欧州教会会議(CEC)のクリスチャン・クリーガー会長が8日、訪問先のポーランド・ウクライナ国境から聖週間を前にした共同声明を発表、ウクライナの平和回復のための祈りと行動を呼びかけた。
ロシアの軍事侵略が続くウクライナでは多くの罪もない人たちが殺され、国内外への避難民も数百万人に達している。
両会長は、そうした実情を確認し、人々を激励するために現地を訪問したもので、声明で「人々、文化、国家の間で正義が行われ、和解が進み、平和が取り戻されるよう祈り、働き続けよう」と欧州と世界の人々に呼びかけた。
声明が出された訪問地のポーランドは、先月のロシアの軍事侵略が始まってから、200万人を超えるウクライナからの避難民を受け入れている。その大部分は、侵略者と戦うために残った夫、兄弟、父親から離れて、国境を越えて来た女性と子供たちだ。
オロリッシュ、クリーガー両会長は声明で、「訪問中に出会った避難民の皆さんや支援者の方々から、ウクライナでの、そして非難してくる途中での人々の悲劇の体験を聴き、ショックを受けた」と述べるとともに、また、軍事侵略ですべてを失った彼らを快く受け入れ、支援を続けている組織の関係者、ボランティア、政府関係者、宗教関係者に感謝の意を表わした。
そして、「キリストの受難と死の物語は、世界の多くの地域で、特にウクライナの人々が自分の国で、そして非難した場所で経験した苦難、悲劇を映している。だが、神は、キリストを通して、私たちと同じ人間の姿になり、私たちの限界と嫌悪を引き受け、私たちが出会う難局、悲憤、諦観と絶望を、神への信頼を通して希望に変えてくださいます。その変化は、人間の心の中で、そして神が愛する世界で起こります」と避難民たちを激励した。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)