(2020.10.22 Bitter Winter Massimo Introvigne)
バチカンは22日、短い記者発表文で、中国との”秘密協定””-中国国内の司教任命を巡る暫定合意”が期限を迎えた10月22日からさらに2年延長した、と発表した。
バチカンの日刊紙「L’Osservatore Romano」に暫定合意の延長を判断するに至った背景についての記事が掲載され、「暫定合意の長期的な影響を評価するのは時期尚早であり、新型コロナウイルスの大感染が中国の地方レベル、国レベルの状況を麻痺させた」と説明している。
記事では、「国際政治のある部門」に暫定合意延長に反対する声が上がっていることに言及し、反対意見の中心が米国であることをほのめかしつつ、暫定合意は「政治的なものではなく、宗教的なものだ」と弁明。聖座は、中国にはもはや「分裂的な」司教が存在せず、中国天主愛国協会のすべての司教が教皇と関係を持ったことを、「重要な成果」と見なしている、と主張している。
一方で、中国のカトリック教徒の間で「極めて苦痛な状況」が残っていることを認め、中国政府は「宗教の自由のより良い行使を保証する」べきだ、と強調。進歩につながる可能性のある道は「長く困難」であることを認めている。これは、中国政府・共産党が管理・統制する中国天主愛国協会への加盟を拒む「良心的拒否者」に言及したものだ。
バチカンは、この問題について、昨年、公式文書を出し、同協会に加盟を拒む聖職者たちの意思は「尊重されるべきだ」と表明している。だが、その後も、こうした”地下教会”の司教、司祭、そして信徒たちは、さまざまな妨害を受け、逮捕・投獄されている。
そして、暫定合意の内容は、2018年9月の締結以来、今もって秘密にされている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」)