・中国政府・共産党の工作員がオーストラリアの大学構内で学生暴行の証拠映像(Bitter Winter)

 オーストラリアの有力大学の一つ、クィーンズランド大学のキャンパスで昨年7月24日、香港、チベット、新疆ウイグル自治区の人々への中国政府・共産党の重大、かつ大規模な人権侵害を批判する小規模な集会をしていた学生たちが、中国政府・共産党の指示を受けて、”潜入”した国家安全部の工作員とみられる3人に襲われ、被害者の学生は大学当局によって守られるどころか、退学処分を受けた問題は、米国のワシントンポストやニューヨークタイムス、フォーリンポリシーなど有力紙、有力外交誌に報じられ、現在、現地オーストラリアで裁判になっている。

 この問題で、被害者たちのリーダー格、ドルー・パブロウ君の代理弁護人が16日、彼らが大学キャンパスの集会で襲われ、暴力を振るわれた場面を撮影した動画と静止画を公開した。代理弁護人の説明によると、動画などには、パブロウ君ら3人が車座になって、キャンパスの学生たちに中国政府・共産党の人権蹂躙に抗議をメガホンで呼び掛けていると、中国国家安全部の工作員3人が密かに近づき、一人がパブロウ君に襲い掛かった。彼が身をかわそうとすると工作員のリーダーと思われる男が彼の頭と胸を殴りつけ、メガホンを奪い、その場から連れ出した、その一部始終が撮影されている。

 

 証拠写真=白いスウェットシャツに白のパーカーを着た中国国家安全部の工作員チームのリーダーが携帯マイクで指示を与えている。

 

The attack team leader.

 

Sitting cross-legged, Drew Pavlou holding a megaphone in one hand and in the other a placard “Close the Confucius Institute,” chants “Hey hey ho ho Xi Jinping has got to go.”

Students were chanting peacefully when they were attacked.

The MSS operative grabs the megaphone with both hands and hurls it over Drew Pavlou’s head towards Merlo Coffee.

One of the operatives attacks Pavlou.

The three CCP operatives, wearing trademark sunglasses.
 この事件のあった翌日、昨年7月25日、中国の在ブリスベン総領事、徐傑氏は、この”行動”をクイーンズランド大学における「反中国の分離主義活動」に対する行為として賞賛。中国共産党の機関紙の英語版、Global Timesは、パブロウ君らを「分離主義者」と決めつけ、中国共産党の”戦狼外交”の継続的な標的とすることを示唆した。
中国は6月30日に香港国家安全維持法を施行し、香港以外の国・地域で「分離主義」活動をする者を中国人、外国人の区別なく有罪とする条文を盛り込んでおり、パブロウ君らもその危険に晒されている。

 オーストラリア政府は最近、政治、社会、経済、大学など他分野での中国の影響力増大や香港や新疆ウイグル自治区での住民弾圧に批判的な姿勢を強め、排除に動き始めているが、昨年7月の事件の際には、マリセ・ペイン外相が、徐総領事の発言を「破壊的、潜在的な暴力的行為を奨励するもの」と批判。駐オーストラリア米国大使もオーストラリアの大学キャンパスでの言論の自由の権利を強調し、外相の発言を支持する考えを強調している。

(翻訳・編集「カトリック・あい」)

 

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2020年8月17日