・キエフ市長が教皇に書簡「ウクライナ訪問を、無理なら大統領とビデオ会議を」と訴え(Crux)

A Ukrainian military checkpoint in the centre of KyivA Ukrainian military checkpoint in the centre of Kyiv  (AFP or licensors)

(2022.3.15 Crux Rome Bureau Chief Ines San Martín)

 クリチコ市長は、3月5日にも、世界中の宗教指導者たち、具体的には教皇、アルアズハルのグランドイマーム、ダライラマ、イスラエルの首席ラビ、ロシア正教会のキリル総主教ひ、キエフ訪問を求めるビデオを公開。 現在のウクライナ情勢について、「人間の尊厳が問われています。欧州大陸の中心部で起きていることは、地域や宗教に関係なく、正義と善の価値を愛する地球上のすべての住民の心に触れています。私は宗教指導者たちに、自らに課せられた道徳的役割を果たすために立ち上がり、平和のために彼らの宗教の責任を誇りをもって引き受けるように、強く訴えます」としたうえで、キエフを訪問し、「ウクライナの人々との連帯を示し、キエフ市を人類、精神性、平和の首都にする」ことを求めている。

 ロシアによる軍事侵略の可能性がまだ切迫していなかった今年初め、ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会のスビアトスラフ・シェフチュク大司教は、教皇のウクライナ訪問への強い希望を表明し、「教皇の訪問は、この地域の平和、人類の平和にとって非常に強力なジェスチャーになる」「ウクライナでは、カトリック教徒だけでなく、正教会の信徒、そして信徒でない人々の間でも、教皇フランシスコが今日の世界で最も重要な道徳的権威だ、というコンセンサスがあり、平和の使者とみている。教皇がウクライナにおいでになれば、戦争は終わる」と期待を述べていた。

 教皇が、ご自分の訪問が平和をもたらすのに役立つと確信する場合、危険をおそれずに実行される方だ。そのことは、2015年に、内戦が続く中央アフリカ共和国を訪問されていること、今年後半には停戦中だが、予断を許さない状態にある南スーダン訪問を予定されている事でも明らかだ。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2022年3月16日