・「霊性を欠いたシノダリティはない」とシノドス事務局次長シスター・ベカー

 (2021.7.23 Vatican News Adélaïde Patrignani) 

 教皇が世界の司教たちに示された2023年10月の全世界代表司教会議(シノドス)通常総会と、それに至る”シノドスの旅”について、バチカン・シノドス事務局のシスター・ナタリー・ベカー次長が、Vatican Newsとのインタビューに応じ、「この旅は、教皇フランシスコが言われるように『聖霊に耳を傾ける旅」になります」などと語った。

 ”シノドスの旅”は、今秋10月9日から10日にかけての教皇が主宰するバチカンでの式典で始まる。 詳細な日程などは現在準備中だが、 教皇フランシスコは4月30日に、イタリアのカトリック団体と謁見された際、「私たちがシノダリティ(共働性)、シノドスの旅、シノダル(共働)の経験について語るとき、的を得たものでなければなりません。それは”議会”ではありません…  シノダリティは、諸問題について、社会に存在するさまざまな事柄について話し合うだけではない… 聖霊のおられないシノダリティはありえず、祈りなしに聖霊はおられません」と語られている。

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問:シスター・ナタリー。あなたは、シノダリティ霊性についての学びと省察の日を7月1日に企画・実施されましたが、その狙いについて説明してください。霊性は唯一つでしょうか。それとも、異なる複数の霊性について語ることが出来るのでしょうか。

答:深く探求すべき問題です。異なる複数の霊性の体験から始める、という発想ーカトリック教会に多くの霊的な家族がいるとすれば、識別を共有するそれぞれの霊的な家族のあり方を分析すること、シノダリティである使命のための交わりの探求。そして、そこから始め、共通の特性を見つけること。7月1日は探求の日でした。実際、基本的で確実なことは、霊性なしにシノダリティはない、なぜなら、シノダリティは、キリストと共に歩み、聖霊に耳を傾けるという真実を中心に置いているからです。 したがって、この霊的な特性は、私たちが探求し続けなければならない、シノダリティの真に欠かすことのできない特性なのです。

問:シノドス総会の準備のために、霊性に関する委員会は設けられていますか。2023年のシノドス総会に向けた”シノドスの旅”における霊性の役割はどのようなものでしょうか。

答:シノドス総会の準備のために4つの委員会が予定されています。神学、方法論、霊性、コミュニケーションの各委員会で、現在、発足に向けて準備が進められており、7月1日に発足が予定されていました。すべての委員会は、”シノドスの旅”全体ーさまざまな段階の行程すべてーを支援し、霊的な旅として命が与えられ、企画されるようにすることを目的としています。委員会の役割は確かにシノダリティの中心軸、つまり霊性ーを演出することにあります。霊的な旅を欠いては、シノドスはあり得ないからです。その旅は、まさに、「聖霊に耳を傾ける旅」なのです。

問:19世紀に作られた聖霊についての運動と、新たな教会、信徒の運動との関係をどう考えますか。それらはどのように組み合わされ、シノドスにどのように貢献するのでしょうか。

答:教会の歴史を通して、聖霊の活動は創造的であり、教会は、多様な経験、共同体の経験ー中には何世紀も経て得られた経験もあるーに富んでいます。そして、第二バチカン公会議の後、カリスマを生む聖霊の息吹によって、いくつもの新しい共同体が登場しました。”シノドスの旅”に関して言えば、多様性のある神の民すべてが参加するように招かれています。話し合いは、とくに教区、司教会議を通じて行われますが、奉献生活、信徒の活動、そして新たに認められた共同体の実際の活動を通じても行われます。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2021年7月24日