(2025.1.18 La Coix Jean-Paul Sagadou AA=Editor in Chief of Living with Christ Africa)
毎年恒例となった「キリスト教一致祈祷週間」が18日から始まった。今年のテーマは「(私は復活であり、命である…)あなたはこのことを信じるか」(ヨハネ福音書11章25-26節)
今年2025年は、西暦325年にコンスタンティノープル近郊のニカイアで開かれた第1回公会議から1700年目にあたる。この記念行事は、キリスト教徒の共有する信仰について考え、その公会議で定められた信条に表現されているように、それを祝うまたとない機会となる。この信仰は今日まで生き続け、実を結んでいる。
今年の「キリスト教一致祈祷週間」は、この共通の遺産から学び、すべてのキリスト教徒を結びつける信仰をさらに深く掘り下げるよう、私たちに呼びかけている。
*新たな息吹か、それとも増大する疲労か?
キリスト教徒の一致を達成するための努力が勢いを失っているように見えることがある。長年にわたる祈りと対話にもかかわらず、多くの人々が真の進歩が果たされたのか、疑問に思っている。
私の住むアフリカ大陸では、キリスト教の教会が増えるほど、教会同士が離れていくように感じられる。多くのキリスト教徒は「一致への歩みが減速し、熱意が欠けている」と感じている。
私の大陸では、キリスト教一致祈祷週間は独創性や創造性のないままに実施されることが多い。多様なキリスト教会は、漠然とした合意に吸収されることを警戒し、根底にある緊張感の中でアイデンティティを守ろうとする傾向がある。
しかし、世界は今、政治的にも、経済的にも、そして宗教的にも、団結を切実に必要としている。例えば、教皇フランシスコは、シノドス(世界代表司教会議)を、私たちを分断する障壁を乗り越え、キリスト教の一致を強化する機会と捉えておられる。
教皇は「私たちがキリストの宣教の弟子となるよう促す『共通の洗礼の共通の基盤』に注目しよう。世界は私たちの『共通の証人』を必要としている。世界は私たちが『共通の使命』に忠実であることを必要としている」と強調された。キリスト教の一致を求める探求に新たな息吹を吹き込むことが急務なのは、明らかだ。
*さらなる一歩を踏み出す
キリスト教一致祈祷週間、教派を超えた集会、神学書、宣言文などは、キリストが弟子たちに命じた次の言葉を前進させるのに役立つ。「彼らについてだけでなく、彼らの言葉によって私を信じる人々についても、お願いします。父よ、あなたが私の内におられ、私があなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らも私たちの内にいるようにしてください。そうすれば、世は、あなたが私をお遣わしになったことを信じるようになります」(ヨハネ福音書17章20‐21節)。
キリスト教徒は共に集まり祈ることで、互いをより良く理解し、宣教や聖母マリアに関する相違や誤解を乗り越えることができるのだ。
有意義な進展を実現するには、長期的な変化をもたらす可能性のある、日常生活から生まれた取り組みを優先する必要がある。この点において、大陸では信仰が異なる夫婦の家庭を真剣に受け止めるべきである。キリスト教徒の夫婦(一方がカトリック、もう一方がプロテスタントまたは正教)は、共有する信仰を美しく表現する方法を開発し、共に礼拝する方法を見出すことができる。教会の指導者たちは、エキュメニカルなカテケーシス資料を作成し、イエス・キリストの福音を共同で伝えることを奨励すべきである。
*広がり、豊かになる
今日、「さまざまなキリスト教会が完全に融合して一つになる」という統一の夢を見ることは、非現実的に思えるかもしれない。しかし、私たちは、私たちが信じるお方、すなわちイエス・キリストに従うために、まだ多くのことを行うことができる。私たちは、正当で有益な相違が分裂の原因となるのではなく、むしろ相互の広がりや豊かさの機会となるように努めなければならないのだ。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二=聖書の邦訳は「聖書協会・共同訳」による)
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