
(2025.4.26 Vatican News Joseph Tulloch)
「死せる教皇、生けるトランプ、ゼレンスキーを走らしむ」となるか(「カトリック・あい」)…教皇フランシスコの聖ペトロ広場での葬儀ミサの直前、聖ペトロ大聖堂で米国とウクライナの大統領が会談し、現在進行中のウクライナ戦争について「非常に生産的な」話し合いを行った。
ロシアによるウクライナ戦争が始まった当初から、故教皇は平和をもたらすための仲介を継続的に申し出ていた。彼はほとんどすべての公の場で戦争の終結を訴え、「殉教者ウクライナ」のための祈りは、おなじみの言葉となった。
そして、故教皇の呼びかけは、何よりも対話を求めるものだった。26日の故教皇の葬儀ミサの直前、トランプ米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領の間でそのような対話が行われた。
ホワイトハウスの報道官は、この話し合いは「非常に生産的」だったと述べた。一方、ゼレンスキー大統領は「良い会談だった」と述べ、「1対1で多くのことを話し合った」と付け加えた。
ゼレンスキー大統領はソーシャルメディアに、「私たちがカバーしたすべてについて結果が出ることを期待している」と書き込んだ。「国民の命を守る。完全かつ無条件の停戦。再び戦争が勃発しないよう、信頼できる恒久的な平和を」と。
最近、ロシアによるウクライナ攻撃が止められる可能性は低くなっている。
26日以前に、ゼレンスキー大統領がワシントンを訪問し、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談した際、議論は険悪な口喧嘩に発展した。今月初めには、トランプ大統領とルビオ国務長官が和平交渉の仲介努力から「手を引く」と脅した。そして2日前、ロシアはウクライナの首都キエフに対して、年初来で最悪の空爆を行った。
26日の両者の話し合いは、以前よりもはるかに生産的なものになったようだ。ゼレンスキー大統領は、「非常に象徴的な会談であり、共同の成果が得られれば、歴史的な会談になる可能性がある」と述べた。
もしその成果が現れれば、つまり故教皇がしばしば口にした「公正な平和」が実現すれば、それはフランシスコにとって最初の奇跡と言えるかもしれない。
(マクロン仏大統領、スターマー英首相と会談するトランプ氏とゼレンスキー氏=ANSA)
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)