枢機卿はこの後、高齢者や多くの避難民が収容されている施設を訪問、白いパンを割る「メリークリスマスを願う伝統行事」に参加した。この施設、聖マルティン・デ・ポレス・センターはドミニコ会の修道士によって運営されており、多くの避難やヘルソンから他の都市へ食料を運ぶ多くのボランティアもいる。このセンターは、20年近く前から病気の子供、シングルマザー、ホームレス、高齢者の避難所となっている。そして、枢機卿はこれまでこのセンターになかった「炊き出し所」を開設した。国内外からボランティアが活動する場にもなる。
この日の終わりに枢機卿は関係者たちに「戦いで荒廃した地域の共同体ともクリスマスのメッセージを分かち合いたい」という教皇の願いを表明、「私たちは、今回が最後の戦争のクリスマスになることを願っています… 信仰と祈りは山をも動かせるのです。ですから、神を信じるなら、この馬鹿げた戦争は終わるのです」と述べ、皆に祈りを続けるよう呼びかけた。
また枢機卿は、福音書にある「パンと魚の奇跡」を振り返り、イエスの「あなた方の手で食べ物をあげなさい」(ルカ9章13節)という言葉を思い出し、「イエスが言われた『あなた方』とは、私たち全員、教会全体、すべての信者、福音のすべての人々のこと。そして、ファスチフで起きているのはまさにこれです… 毎日、誰かがパン、米、パスタ、肉などを持ち寄っており、何も不足していない―これこそが、現代の奇跡です」と語った。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)