スペインを訪問された教皇レオ14世は、首都マドリードでの初日、様々なグループへの使命の提示から始まった。それは、市民および宗教当局に対しては「対立を招く言説を捨てよ」、最も弱い立場にある人々を支える人々に対しては「他者の尊厳を真に見よ」、そして若者たちに対しては「真の人間たれ」というものだ。

(The King and Queen of Spain welcome the Pope to the Royal Palace of Madrid=@Vatican Media)
マドリードの街は、空港に到着した教皇が車で通り過ぎる姿をひと目見ようと、巡礼者や観光客、そして単に好奇心から集まった通行人で溢れかえっていた。
*「世界の分極化、実りの無い”単純化”を乗り越えよう」
6日間のスペイン訪問の初日は、マドリード王宮への訪問から始まった。そこでは、フェリペ6世国王、レティシア王妃、そして二人の王女が教皇を出迎えた。
王宮での、政財界などの代表や外交団との会見で教皇は、スペインの2000年にわたる歴史を通じて受け継がれてきたカトリックの長い伝統に触れ、すべての人に対し、「社会の実情や歴史における分断や対立を招く物語を脇に置き、複雑さを実りある形で評価することで、実りのない単純化を乗り越える」よう訴えられた。
「世界中で分極化が進み、人権の保護が後退する中で、真理に忠実な男女が、正義と平和が彼らの良心の中で抱擁し合うまで、一つの部屋から別の部屋へと前進し続けてきた、という姿勢をもって、この状況を乗り越える必要がある」と強調された
*「誰も孤独ではない、誰もが歓迎される」-カリタスの社会保護施設で

(Pope Leo XIV at the CEDIA 24 Horas centre in Madrid=@Vatican Media)
人間の尊厳の保護と最も弱い立場にある人々への配慮は、教皇の次の訪問先であるマドリード教区カリタスの社会事業「セディア・24・オラス」でも続いた。そこで教皇は、「マドリードに『いる』人は誰でもマドリードの『出身』です」と述べられ、「誰もが歓迎される」と次のように語られた。
「この家では、誰も孤独ではありません… しかし、施しを慈善活動と同じものと見なしてはなりません。そこには個人的な出会いが必要です。教皇フランシスコは言われました―『人々は奉仕してくれる相手の目を真剣に見つめます。自分の尊厳を認めているかどうか』と」。
*「召命を考えることを、決して恐れてはならない」-若者たち主催の祈りの集いで
訪問初日の締めくくり
として、教皇はリマ広場に向かわれ、マドリードの若者たちが主催した祈りの集いで、50万人を超える若者たちと対面された。
音楽演奏の後、少人数の若者たちが教皇を迎え、現代社会で直面する課題について質問した。その一つは、教皇にインスピレーションを与えた聖人たちに関するものだった。それに答えて教皇は、聖ヨハネ・クリソストモについて語られ、若者たちに、「司祭職や修道生活、あるいは教会におけるその他の奉仕への召命を考えることを、決して恐れてはなりません」と強く説かれた。
別の質問への答えとして、教皇は若者たちに、「神の声を聴き取るために沈黙の時間を持つように。沈黙の中で、私たちは『イデオロギーは過ぎ去るが、真理は残る』ことを理解するようになります」と促され、また、「その沈黙と真理の探求は、一人で成し遂げるものではない。誰も一人でイエスを信じているわけではないことを覚えておくことが重要です」と指摘。
「周りを見回して、ここにどれほど多くの人が集まっているか見てごらんなさい! この共に歩む旅路において、暴力や戦争、無関心や同調圧力の中にあって、『新しい人類の火花』になるように」と促された。
教皇は、「ある使命」を掲げて、講話を締めくくられた。それは、「真の人間であること。外見ではなく、生身の人間であること」だ。そして、すべての若者に対し、「カトリックの信仰は『愛を通じて成就される人生であること』を心に留め、この現代世界において福音の宣教者となるように。親愛なる若者たち、これこそが、他のいかなるものよりも歴史を変える美徳です。君たちは、歴史を変えることができる。愛を通じてそれを成し遂げなさい」と呼びかけられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)