(2024.9.4 Vatican News Francesca Merlo)
インドネシア訪問中の教皇フランシスコは4日夕、ジャカルタの若者の家「グラ・ペムダ」で、教皇が創立された「Scholas Occurentes」インドネシア支部の約200人の若者たちとお会いになり、平和共存のための4つの原則を示された。
ジャカルタ、ロンボク、ラブアン・バヨ、バリの1500人以上の若者によって作られた 多面体の彫刻で占められた会場で、まず、女性2人と男性1人が代表として教皇に挨拶し、証言を語った。
最初の女性はインドネシアの教育の現場での経験を語り、「私は、教育をとても愛しており、それが自分の街に教育財団を設立するきっかけになりました」としたうえで、教師とカウンセラーとしての自分の役割と責任について語り、さらに自分の人生における「Scholas Occurentes」の意義について、 「ここで学んだことはすべて、私が教えている学生や同僚との関係に役立てました… Scholasのチームメンバーが私の話に耳を傾け、評価し、受け入れたやり方は、すべての学生に対しても必要とされているものです」と説明した。
また、男性の代表は、「私たちは異なっていても、私たちは一つ」というこの国のモットーを取り上げ、この場の参加者たちが互いの存在に感じる快適さを実感するよう求める一方で、「それでも、まだ何かが欠けている」とし、差別とインターネットを通したいじめが頻発する現状を指摘。そうした中で、「Scholasでは、それぞれが良い経験も悪い経験も声に出して分かち合う場が与えられている」と語った。
彼らの発言を受けて、教皇は、参加者たちに「共存と平和」の4つの原則を示され、「現実は考えよりも優れ、一致は対立よりも優れ、全体は部分よりも優れ、全体は一つの考えよりも優れているのです」と強調された。
もう1人の女性代表は、「私はネットいじめを直接体験しました… 理由もなく追い詰められ、拒絶されました」と語り、「世界中の多くの若者が同じような状況に陥っていることを知って、強い懸念を抱くようになった」と述べた。だが、「Scholasを通して、しばしば分裂を引き起こす相違も、一致につながることを学ぶことができました… 相違を超えて一致し、絆を築くこと、相違は破滅への道ではなく、一致への一歩であることを学びました」と語った。
これに対して教皇は、「もし私たちが皆、同じだったら、つまらないでしょう… 相違は戦争を引き起こすか、対話を引き起こすか、私たちは選択しなければなりません。戦争は常に敗北ですが、友人と話し合うことは素晴らしいことであり、私たちはそれによって、成長することができます」と励まされた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)