【教皇、東南アジア・オセアニア4か国歴訪】「『信仰』『兄弟愛』『憐み』をモットーに」ーインドネシアの教会関係者に願われる

(2024.9.4 バチカン放送)

 教皇フランシスコは、インドネシア訪問2日目の4日、ジャカルタの大統領官邸で歓迎式典に臨み、各界代表と会見された後、バチカン大使館で、同国のイエズス会会員らとの集いを持たれ、同日午後、ジャカルタのカテドラルでインドネシアのカトリック教会関係者とお会いになった。

 インドネシアの宗教は、総人口の約87%がイスラム教、約10%がキリスト教で、そのうちプロテスタントがおよそ7%、カトリックは約3%。これらの宗教に、さらにヒンズー教、仏教、儒教などが加わる。

 教皇は市民からの温かい歓迎を受けながらカテドラルに到着された。被昇天の聖母に捧げられた、ネオ・ゴシック様式のこの大聖堂は、ジャカルタの中心部にイスティクラル・モスクと向かい合うように建っている。1810年に地域で初のカトリック教会として献堂され、その後、1826年の火災、1890年の地震による倒壊を経て、1891年から再建が始まり、1901年に現在の形で再び献堂された。

 聖堂内で教皇は、インドネシア司教協議会のメンバーをはじめ、司祭、助祭、修道者、神学生、カテキスタらとの集いを持たれ、今回のインドネシア訪問のモットーである「信仰、兄弟愛、憐み」の3つの言葉を指針として示された。

 「信仰」について、教皇は、「インドネシアが擁する広大な国土、生物多様性、エネルギー資源など、自然がもたらす豊かさ」に触れられ、「このような大きな豊かさは、高慢の原因になりかねませんが、これらすべてを与えてくださるのは神であることを思い起こし、その恵みを子どものような謙虚な目で見つめ、感謝と責任を育むように」と勧められた。

 次に、「兄弟愛」とは、「互いを受け入れ合い、多様性の中の平等を認め合うこと」とされ、「『福音を宣べ伝える』とは、信仰を押し付けたり、他の信仰と対立することではなく、キリストとの出会いの喜びをもたらし、それを分かち合うこと。分裂と挑発の傾向にある今の世界で『交わりの預言者』として、すべての人に尊敬と兄弟愛の精神をもって接して欲しい」と願われた。

 そして、「憐み」について、「慈愛とは、困窮する兄弟姉妹に施しを与え、安全な高い塔から彼らを見下ろすことではなく、互いに近寄り、兄弟に触れ、彼らを引き上げ、希望を与えること」と説かれた。

 あいさつの最後に教皇は、「信仰において強く、友愛において皆に開かれ、憐みにおいて互いに寄り添うことを使命とするように」とインドネシアの教会関係者を励まされた。

(編集「カトリック・あい」)

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2024年9月5日