(2024.9.25 Vatican News Devin Watkins)
26日からのルクセンブルク、ベルギー訪問を前に、教皇フランシスコは25日夜、聖マリア大聖堂を訪れ、聖母マリアの聖画像の前で祈りを捧げられた。
教皇に就任されて以来、46回目の外国訪問となる今回は、26日にルクセンブルクで一日を過ごされ、同日夕方にブリュッセルに飛び、3日間ベルギーの人々と会合を持つことにされている。
国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿によると、今回の訪問の狙いは、訪問国、そして欧州の人々に、連帯の先見性と未来を受け入れる勇気を与えることにある、という。
訪問の具体的な目的の一つは、ベルギーのルーヴァン・カトリック大学*の創立600周年を祝うことだが、パロリン長官はVatican Newsの取材に、教皇は今回の訪問を、「EU(欧州連合)をキリスト教に基づく価値観に立ち返らせる」機会にすることを希望されている、とし、「EUが、ウクライナでの戦争など数々の危機に直面する中で、過去と未来の絆を強める手助けをしたい、と望んでおられる」と語った。
長官はさらに、「今日の世界で聞かれる権威ある声になろうとするなら、疲弊し、行き詰まっている現状を克服したいなら、欧州は、それを鼓舞した価値観の偉大さを取り戻す必要がある」と述べ、教皇の今回の訪問は、「欧州における教会の役割についてより深く考える機会、そしてすべての人が自分たちの行動様式を福音の招きと比較する機会を提供することを目指している」と強調している。
*「カトリック・あい」注:ルーヴァン・カトリック大学⇒オランダ語名は「ルーヴェン・カトリック大学」。1425年、教皇マルチヌス5世によってルーヴァンに創立。当時、ルーヴァンはオランダ語(フラマン語)圏の町だったが、フランス語による研究、教育も行われていた。だが、20世紀中盤以降、「ベルギー言語戦争」が激化し、1968年に、大学は分割されることになり、フランス語圏の新学園都市、ルーヴァン・ラ・ヌーヴに新設されたルーヴァン・カトリック大学にフランス語を母国にする教員、学生が移り、30キロ圏に二つの大学が並立することになった。いずれの大学もオランダ語、フランス語を使って教育、研究をしているが、分割の際、人的資源のみならず図書館の蔵書に至るまでの徹底的な資産分割がなされたため、その後の研究・教育に支障があったといわれる。(参考:Wikipedia)
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)