【教皇、ルクセンブルク・ベルギー訪問】「真実を追求し、知識の限界を広げよう」ルーヴェン・カトリック大学の教員たちに

(2024.9.27 Vatican News   Devin Watkins)

 教皇フランシスコは27日午後、ルーヴェン・カトリック大学を訪問され、欧州各国からきている教員たちと会見、「真実を執拗に追求し、知識の限界を広げるように」と促された。

 同大学は今年、創立600周年を迎える。会見でのあいさつで教皇は、カトリック大学が学生に総合的な教育を提供し、現在を解釈し、将来を計画することを学ぶ必要性を強調され、「大学を文化やアイデアを生み出すものとみなすのは良いことですが、何よりも人類の進歩のために真実を追求する情熱を促進するものと見なすのは良いことです」と語られた。

 教皇は、福音を文化にもたらすという使命において、カトリック大学は「知識の境界を広げ」、「人生を理解し、人生について語る批判的な空間」を作らなければならないと述べた。

 また、「現代社会は真実の探求を拒否し、探求への情熱を失い、快適さだけを求め、結局すべてを平等で相対的なものにしているようです」とされ、「この見方は、知的疲労をもたらし、私たちを自分自身に閉じ込める。同様に、何も疑問視しない、簡単で楽で快適な『信仰』に惹かれる危険性もあります」と忠告。 教皇はさらに、「克服しなければならない別の種類の境界は、すべてを物質的で目に見えるものに還元する『魂のない合理主義』に関係しています」とされ、「このようにして、私たちは驚嘆の感覚、驚嘆する能力を失ってしまう。その感覚とは、私たちに、なぜ私は生きているのか?私の人生の意味は何か?といった根本的な疑問に答える、その隠された真実を発見するために、私たちを駆り立てる力です」と指摘。

 そして、歴代誌の「ヤベツ」という男の物語(歴代誌上4:10)を引用されて、教員たちに「自分の境界を広げる」ための神の恵みを祈るよう促された。「自分の限界を知ることが、私たちを前進させ、今日の世界への開かれた窓であり続けるよう促すのです」と強調された。

 教皇はまた、より良い家と真実を求める難民を歓迎したルーヴェン・カトリック大学を称賛され、「私たちに必要なのは、境界を広げ、『宗派主義』や、他人より自分を高く評価することを避ける文化です… 良き『パン種』として私たちの世界に浸透し、人類の共通の利益に貢献する文化が必要です」と説かれた。

 あいさつの最後に、「弱者を気遣う思いやりのある包括的な文化を築くために協力するように」と求められ、「この炎を燃やし続け、境界を広げましょう! 真実を絶えず探求しなさい。そして、知的無気力に陥らないように熱意を弱めないようにしなさい」と促された。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2024年9月28日