☩臨時枢機卿会議閉会・「歩みは、出会いから生まれ、傾聴で成長し、聖霊に導かれた識別で成熟する」ー改めて”シノドスの道”の「実践」を求める

Pope Leo concluded the Extraordinary Consistory Pope Leo concluded the Extraordinary Consistory   (@Vatican Media)
(2026.6.27  Vatican News   Sebastián Sansón Ferrari)

  教皇レオ14世は27日夜、バチカンの新シノドスホールでの臨時枢機卿会議の閉会挨拶で、「戦争と人間関係の危機に彩られた世界における希望、シノダリティ(共働性)、そして教会の責任」に焦点を当てて語られた。

 挨拶の冒頭で教皇は、ここ数日間の激しい地震によって甚大な被害を受けたベネズエラの人々への連帯を強調。

 「犠牲者、その家族、そしてこの悲劇の影響に苦しむすべての人々のために、私たちは祈りを捧げます。救助活動に携わるすべての人々を主に委ねるとともに、この愛すべき国に対する国際社会の連帯が揺らぐことのないよう願います」と述べられた。

*多様な教会、文化、状況に属する枢機卿たちが互いに耳を傾け、模索する姿は、慰めと希望

 

 2日間にわたるこの臨時枢機卿会議について教皇は、「私たちは今、深い感謝の念を抱きながら、この二日間の会議を締めくくります。皆さんが参加してくださって示された自由と兄弟愛、そして教会的な精神に感謝します。私は皆さんの考察の内容だけでなく、それを可能にした経験も心に刻んでいます」と言明。

 そして、 「私たちは、『キリストが今も教会の中で働き続けておられる』ことを確信し、共に主の御心を求めてきました。私たちの先頭に立ち、私たちを集め、兄弟たちを通して語りかけ、宣教へと導いてくださる方は、まさにキリストです。すべては主から発し、すべては主へと帰っていくのです。これほど多様な教会、文化、状況に属する枢機卿たちが互いに耳を傾け、福音に最も役立つものを共に模索する姿は、私にとって慰めと希望の源でした」と振り返られた。

*シノダリティが問いかけるのは「どのようにして、主が教会に託された賜物を共に守り抜くか」だ

 

 そのうえで教皇は、会議の核心である「シノダリティ(共働性)』を取り上げ、「シノダリティを組織的な手法や一連の会議としてではなく、教会であるための在り方として理解すべきです。シノダリティが真に問いかけているのは、『誰が決定権を持つか』ではなく、『私たちが、どのようにして、主が教会に託された賜物を共に守り抜くか』ということなのです」と強調。

 枢機卿たちに、「(”シノドスの道”の)歩みは、出会いから生まれ、互いに耳を傾けることを通じて成長し、聖霊に導かれた識別を通じて成熟します。皆さんそれぞれの教会においてシノダリティのプロセスを実践し、その真の意味を理解するように」と促された。

 

 

*世界の数多くの悲劇の背後に、「孤独、人間関係の危機、希望の喪失、互いを認め合うことの困難」がある

 教皇は続けて、今回の会議で枢機卿たちが「世界中の多くの人々を苦しめている戦争、貧困、不正義、暴力に対する懸念」を共有したことに言及。「これらの悲劇の背後には、さらに深い危機が潜んでいる。それは、孤独、人との関係の危機、希望の喪失、そして互いを兄弟姉妹として認め合うことの難しさです」と指摘され、特に、「若者たちが(人生の)意味や真実を追い求め、場合によっては、自ら命を絶つことさえ招くような苦しみに苛まれることは、現代の最も深い傷の一つだ」と述べられた。

*10月にフランシスコ教皇の使徒的勧告「愛の喜び」の実践状況評価へ世界の司教協議会会長を招集

 そうした中で、「人間関係、連帯、そして希望の『学校』としての家族の重要性」を教皇は強調。その様な趣旨から、10月に東方教会の指導者や世界の司教協議会会長たちと会合をもち、フランシスコ教皇の使徒的勧告「愛の喜び」が、世界の教会でどのように実践されているかについて評価することを明らかにした。この会合には家族も参加する。

 

*『正当防衛』について、より深い神学的・司牧的考察を求める声を認識

 

 また教皇は、「平和」についても言及。枢機卿たちが教皇が先に出した回勅「Magnifica humanitas」の洞察の一つ「戦争は国家間の紛争から生じるだけでなく、人間関係、経済、政治、技術、さらには宗教にまで浸透する『権力の文化』からも生じる」ことを、はっきりと把握していた、と評価したうえで、「『協力と対話の文化』を再構築し、多国間主義を強化し、『カトリック教会の社会教説』にインスピレーションを得て、公的生活における一般信徒の参加を促進すること」を、枢機卿たちに提案された。

 さらに、「非暴力的な対応を深く福音的な選択肢として擁護すること。非暴力的な対応は、受動性を意味するのではなく、憎しみの論理を再現することなく紛争に立ち向かうこと」とされ、この文脈において、「現代の紛争に影響を及ぼしている変化を踏まえ、『正当防衛』についてより深い神学的・司牧的考察を求める声が、いくつかのグループ討議で上がっていた」と述べられた。

*あらゆる制度改革は、キリストとの出会いと秘跡から始まる…来年も枢機卿会議を継続

 続けて教皇は、「教会の刷新が構造改革のみに依存するのではなく、何よりも福音を信憑性を持って生きることができる共同体の証しにかかっています」とされ、「教会は、自らが宣べ伝えるものを、いっそう完全に体現するよう求められている。あらゆる制度的改革は、キリストとの出会いと秘跡の生活から生じることによってのみ実を結ぶのです」と強調。

 また教皇は、来年も、このような枢機卿会議を継続する意向を改めて表明され、「日程は、今年末までに発表したい」と語られた。

*平和への呼びかけを、世界の全ての教会と人々に伝えて行くように

 挨拶の最後に教皇は、この枢機卿会議から提起された全会一致の呼びかけを自らのものとして全面的に受け入れ、枢機卿たちにこれを「世界のすべての教会と人々に伝えていくように」と求められ、 「神は歴史の中で、和解と平和への道を切り開き続けています。私たちには、勇気を持ってその道を歩み、世界がその道を認識できるよう助ける責任がある」と言明された。

 また、「報告者、司会者、そして寛大さと慎重さをもって、この数日間における仕事と兄弟愛の時間を可能にしてくれたすべての人々」に対し、貢献に感謝された。そして、次のように締めくくられた。

 「キリストが御自身の民の間や世界の中で今も成し遂げ続けている御業を、私が改めて認識できるよう助けてくれたことに感謝します。この枢機卿会議の成果を、教会の母である聖母マリアの取り次ぎに委ねます。聖母が、多様性の中で一致を保ち、謙虚さ、勇気、そして希望をもって平和の福音に奉仕することを、私たちに教えてくださるよう願います。ありがとう!」

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2026年6月28日