☩教皇マドリード3日目:「急激に変化する都市の心に語りかける『希望の交響曲』となれ」-大司教区共同体の集いで信者たちに

(2026.6.8 Vatican News   Linda Bordoni)

 スペイン訪問3日目の8日夜、教皇レオ14世は、マドリードのサンティアゴ・ベルナベウ・スタジアムでの大司教区共同体との集いで、約8万人の信者たちに、教区共同体の人々からの証言を引用しながら、洗礼、シノダリティ、そして福音宣教について語られ、「急激に変化する都市の心に語りかけることのできる『希望の交響曲』となるように」と呼びかけられた。

 教皇の挨拶に先立ち、教区共同体の代表者たちが、マドリードの教会の多様な現実を反映したそれぞれの証しの努力を語った。発言者には、教区の活動に携わる信徒、司牧評議会のメンバー、教区司祭、教会で受け入れと支援を受けた移民家族、そして最近洗礼を受けた若者が含まれていた。信仰、奉仕、見極め、受け入れ、回心に関する彼らの物語は、現代の都市社会における教会の交わり、福音宣教、そして宣教の召命について教皇が語った考察の、生きた背景となった。

 

*教会は「ポリフォニー*の芸術」を学ぶ共同体、違いを消し去らず、調和へと導く

 信者たちの証言をお聴きになった教皇は、この夜を「信仰の偉大な賛歌」と表現され、教会生活を理解する一つの方法として「歌と調和」のイメージを提示したマドリード大司教ホセ・コボ・カノ枢機卿に感謝されたうえで、「数字やデータ、事実だけでは共同体を築くには不十分です… 私たちの心が歌わねばなりません」とされ、音楽の象徴性を引き合いに出し、教会を「ポリフォニー*の芸術」を学ぶ共同体とし、「それは、違いを消し去るのではなく、それらを調和へと導く統一性です」と語られた。

*注*複数の独立した旋律(声部)が、それぞれ主役として対等に絡み合いながら進行する音楽の形式

 

 

*慣れ親しんだ輪の中に閉じこもろうせず、「都市の中心」に踏み出せ

 また教皇は、集い参加者が証言で述べた「洗礼の変革力」を取り上げ、「信仰は個人の人生だけでなく、賜物や才能の捉え方さえも変えます… かつては私的な賜物であったものが、共通善への奉仕に向けられるようになるのです」と語られた。

 さらに、Pope Leo XIV at the Bernabéu Stadium in Madrid多様性と交わりの関係について考察され、先に出された回勅「Magnifica Humanitas」を引用する形でエルサレムの城壁再建で共同体を一つにまとめた聖書の登場人物ネヘミヤを取り上げ、「今日のキリスト教徒もまた、傾聴、対話、そしてsinodality(共働性)を通して、『違い』を資源に変えるように求められています』と指摘。

 「この課題は、多様な文化、伝統、経験が交差するマドリードのような大都市において特に差し迫ったもの。大都市は、福音宣教にとって独自の機会を提供する一方で、教会に新たな問いを突きつけている」と語られ、信者たちに対して、「慣れ親しんだ輪の中に閉じこもろうとする誘惑に抵抗し、新たな文化的物語や社会的現実が形作られつつある『都市の中心』へと踏み出すように」と促された。

 さらに、「都市の中心に到達するために、真理は交響曲のようなものであり、常に私たちを超越している、という意識を育まねばなりません」と注意された。

*たとえ一握りの「親切」でも、多くの人々の恐れを乗り越える力となる

 この文脈において、教皇は、「親切さ」をキリスト教の証しの不可欠な側面として強調。「断片化、不確実性、孤独に彩られることが多い社会で、人々が真の人間的な出会いから切り離されてしまえば、福Pope Leo XIV at the Bernabéu Stadium in Madrid音宣教が効果を失う危険性がある」とされたうえで、「マドリードの豊かな多様性は、神の憐れみが例外なくすべての人を包み込んでいることを示している。教会の使命は、イエス・キリストに現された『命の充満』への普遍的な招きを可視化することにあります」と説かれた。

 そして、移民の家族が語った「教会に受け入れられた経験」を取り上げ、多くの人々が偏見や失望によって形作られた恐れを抱えてキリスト教共同体へと近づいてくることに言及。「たとえそれがほんの一握りの人々から発せられるものであっても、『親切』によって、多くの人々が恐れを乗り越えられる」と強調された。

 

 

*教区や教区司牧評議会が単なる”行政機構”に矮小化されないように

 

 教皇はまた、教区および教区司牧評議会の役割の重要さを指摘され、「単なる”行政機構”に矮小化すること」への警戒を促され、「これらは、共同の識別を行う特権的な場。信徒たちが共に聖霊の声を聞き、主が現代の課題にどう応えるよう教会に呼びかけているかを発見していく場なのです」と説かれた。

 そして、参加した司祭たちに対して、「あなたがたの司牧活動における刷新と慰めの源として、共同決定による識別の実践を受け入れるように。共同体が福音の光に照らして、社会の変化、文化の発展、そして地域の現実を解釈できるよう助けるように」と促された。

 あいさつの最後に教皇は、改めて参加者たちの証言を振り返り、「教区共同体の皆さんが分かち合った物語は、信仰と寛大さに満ちた生きた教会を明らかにしています」と讃えられ、集いの参加者全員に、「教会を見よ!(…)福音の音楽を見よ!… すべての人にとって、開かれた聖書のような存在であるように。神の言葉が、あなた方の顔と人生の中に現れるように。愛こそが、すべての人を安らぎを感じさせる言葉なのです」と呼びかけられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2026年6月9日