・英国のカトリック教会、イングランド・ウエールズ地域で”シノドスの道”全体会議開催(VN)

(2022.6.2 Vatican News staff writer)

 英国のイングランド・ウェールズ司教協議会が1日、ロンドンのサザーク大聖堂で、”シノドスの道”の歩みに関する司教、司祭、一般信徒による全体会議を開き、これまで各教区のレベルで歩みを中心となって進めてきた約90人が参加した。イングランド・ウエールズ司教協議会のキャノン・クリストファー・トーマス事務局長は、「祈りの中で、これまでの各教区の歩みの結果をまとめる重要な機会になった」と説明している。

  全体会議は、バチカンのシノドス事務局が準備書面で提案した”シノドス(共働)的教会”となることを願う祈りとミサで始められた。そして、参加者全員で昼食をとった後、各教区の歩みについての報告をもとに司教協議会事務局がまとめた草案の検討に入った。草案は、イングランド・ウエールズ司教協議会の教区、修道会、大学、カトリック団体、そして個人から提出された、700ページに上るレポートをもとに、9人の作業チームによってまとめられたもの。

 会議は、バチカンの広報のための部署のシスター・ベルナデット・ルイスの司会で進められ、参加者全員で、草案が、各教区などから出されたレポートを的確に反映しているが、欠けているものはないか、感動した内容あるいは失望した内容は何か、さらなる分析と検討が必要なものは何か、などについて、意見を交換した。

 そうした中で、共通して示されたのは、”シノドスの道”の歩みを通じて、教会としての成長を続けて行きたい、という願い。出席者の中からは、「イングランド・ウエールズ地域としてシノドスの道の歩みを経験したことを踏まえての課題は、それをどのように具体化し、先に進めることができるかに移っている」との声が聞かれた。

 教区レベルと全国レベルの両方で教会会議の過程で成長し続けたいという願望は、浮かび上がった1つのポイントでした。あるグループは、イングランドとウェールズの教会が教会会議の過程を経た今、「それがどのように埋め込まれ、どのように前進するかを示し、明らかにする」必要があると述べました。

 全体会議の締めくくりに、イングランド・ウエールズ司教協議会の会長でウェストミンスター大司教のビンセント・ニコルズ枢機卿は、「私たちは、この高見の部屋で、聖霊の導きを求めつつ、教会活動を俯瞰する類まれな窓を得ました。そこからは、不完全で、はっきりとはしないが、貴重な俯瞰図を共に見ることができたのです。 私たちは、『耳を傾けるこつ』『耳を傾ける規範』を学んでいます。それは自然には得られるものではなく、自制心と謙虚さが求められます。 私たちはそれを学んでいます。 これは、教会活動にとって、極めて重要な資質でなければなりません」と強調した。

 作業チームは、今回の全体会議で交わされた意見をもとに、草案を練り直し、最終草案を作成。司教協議会のウエブサイトに掲載、6月29日に、ロンドンのウエストミンスター大聖堂で開く会議で報告書をして決定する。一方で、司教たちは、シノドスの道を、英国レベル、さらに欧州地域レベルに進ませるための準備を進める予定だ。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年6月3日