(2022.5.13 Vatican News staff reporter)
教皇フランシスコは南北アメリカの大学教授のグループと会見され、”シノドスの道”の大学での取り組みなどについて話し合われた。
バチカン広報局の発表によると、このグループは、「大学における”シノドスの道”」の歩みを進めることを目的としており、具体的な活動として、参加大学共同で人文系、自然科学系の講座を開設することを発表する予定。
共同講座開設の狙いは、「教皇の現在の教えに沿って、地球環境の改善を促進するための技術移転と知識統合の取り組みを生み出すこと」にあるとしており、移民・難民問題、エネルギー政策、食料危機なども、講座のテーマに予定している。
メンバーの1人、シカゴのロヨラ大学のピーター・ジョーンズ教授は、教皇との会見後、Vatican News に次のように語った。
Q:ローマ訪問、そして教皇訪問の目的についてお話しください。
ジョーンズ:私たちの学生が教皇フランシスコとバーチャル会議を持ったのを受けて、ローマに来ました。学生たち、シノドス・プロセスに類似した互いに耳を傾けるバーチャル会議のプログラム構築に手を付け、それが、2月24日の学生たちと教皇のバーチャル会議となりました。今回の私たちの訪問は、その会議をフォローアップし、学生たちが世界中の、シノドス・プロセスと繋がるための機会を広げる取り組みの一環です。
Q:今朝の会見で、教皇フランシスコの印象は?教皇から与えられた重要なメッセージは何だったでしょうか?。
ジョーンズ:教皇との出会いは、私個人にとって素晴らしいものでした。かつてない経験でした。教皇は暖かく、友として接してくれました。私たちと一緒に笑い、学生たちが教皇と話し合われた時の喜びを分かち合いました。
私たちは、自由に多くのことについて話しました。大学での生活について、学生たちの経験と変化について話しました。そし会議に参加した学生たちからのメッセージや祈りなどを教皇にお渡ししました。
教皇からいただいたメッセージは、「自分たちが先導者の模範となって、学生たちに耳を傾ける技術を教える必要がある」ということです。他者との関係を作り、危機、緊張、不一致の現実を受け入れ、共に新たな現実を見つけ、共に新たな未来を築くために、変容する力を働かせ続けるために、です。緊張は健全であり、私たちは、健全な仕方で、それに近づくことが出来る。そして、教皇は、私たちと共に何度もそのことを強調されました。
Q:教皇から受けた励ましは、あなたが大学で推進しているすべてのプロジェクトにどのように影響すると思いますか?
ジョーンズ:私たちはローマに1週間滞在し、私たちが進めようとしている世界を視野にした取り組みについての最初の仕事です。教皇は私たちを励まされ、支援されるために、45分間も時間をくださいました。
取り組みを成功させるために必要な人的、物的資源をまとめる上で非常に貴重なのは、教皇の支援です。そして教皇は私たちに、学生たちと同じように行動を望んでおられます。私たちは学生たちを支援し、2月24日に南北アメリカ全体の学生たちが協力して教皇とのバーチャル会議を成功させましたが、教皇の支援によって、さらに世界中の学生に会議の場を広げていくことが可能になります。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)